和田騎手インタビュー(下)最激戦区で勝ち抜く秘訣
2014/7/30(水)
▼和田譲治騎手インタビューMOVIE
-:一緒に乗っていてもそう思うのですね。地方から中央で活躍するジョッキーが今は多いですが、南関の騎手のレベルは高いと思いますか?
和:思います。皆、ハングリーだし、競馬も上手な人が沢山います。
-:その中で勝つというのは、それなりに皆が技術を底上げしあっていくからですね。
和:もちろん中央は芝もあるし、乗り方も違うのでしょうが、地方の人は上手いですよね。現に中央に移籍しても活躍している人ばかりですからね。
-:まさに結果として現れていますよね。普段、ご自身で技術向上のために心がけていることはありますか?
和:レース運びですかね。馬をコントロールして、リズム良く走らせる感じですね。
-:レースに臨む前はどういう心境で臨むのですか?
和:1番は馬のリズムを崩さないことです。展開もあるので、そんなに上手くは行かないんですね。
-:レース運びを大事にしているのですね。普段の生活でトレーニングなどはやっていますか?
和:今はトレーニングはしていないです。他場を乗ってない時はやっていたのですが、他場を乗り出すと、ジムに行く時間がないのです。本当は行きたいのですが、そもそもジョッキーは他のスポーツ選手に比べると、筋トレとかの習慣がないですよね。というのも、調教やレースで馬に乗っていると、筋肉はつきますし、体重も絞っているのでね。
-:朝も調教をしていると、筋トレはそんなに必要がないのですかね。
和:必要な筋肉はつくのですが、御したりするのには力がいるので、それをジムに行ってやったりはしていましたね。とはいえ、皆、そんなにやっているイメージはないです。
-:体重管理もありますし、あんまりつけ過ぎてもですよね。
和:僕は体重管理には問題ないのですが、それでも、他のスポーツ選手に比べたら甘いですよね。サッカーや野球は肉体面のケア、トレーニングは激しいですよね。
家庭を持ち、更なる躍進を
-:普段の休みの日は何をしていますか?
和:家でゴロゴロしているか、買い物するくらいですね。趣味と呼べるものも、最近はないですね。昔は中央の競馬を見に行ったり、馬券を買ったりしていました。今は全くしてないのですが。
-:今は休みもないので、休みが取れる日はゴロゴロですか(笑)。観る方で好きなスポーツはありますか?
和:昔は野球とかが好きでしたが、やっぱり競馬が1番好きです。今は周りがどういう競馬をするのかな、とそういう目で観てしまいます。昔はファンとして観ていましたが、今はどういう乗り方するのかな、という同業者目線ですね。競馬というものは、レースはどのレースも毎回違うのでね。どれだけ観ても飽き足りません。だから、土日は中央競馬ばかり観ています。
-:もう、競馬バカですね(笑)。
和:そうですね(笑)。
-:そして、ご結婚おめでとうございます。籍はもう入れたのですか?
和:籍は去年に入れて、式を今年の3月にしました。
-:家庭を持っての心境の変化はありますか?
和:やっぱり稼がなきゃ、という責任感が1番ありますね。もっとハングリーにやらないといけません。
-:成績も急上昇で、良いサイクルになっているのでしょうね。「男」としての人生も順調ですね。
和:そうですね(笑)。ハハハ。
-:それでは、これからの目標を教えて下さい。
和:重賞を獲ることと、年間100勝を今年の初めに目標として掲げていたので、それを達成できればいいと思います。
-:こんなジョッキーになりたい、という夢はありますか?
和:誰からも信頼されるジョッキーになりたいですね。
-:今年のここまでの調子はどうですか?
和:順調にきていますが、毎年夏場は成績が落ちるので、これからが正念場ですね。
-:100に届くまで“正念場”という感じですね。デビューから12年ほど経ちました。いち中堅ジョッキーとして、地方競馬の変遷を目にしてきて、地方の現状はどう感じていますか?
和:デビューした頃は競馬ブームもあり、景気も良かったですが、今の他の地方競馬は廃止している所もけっこうありますよね。苦しいことには変わりはありませんので、景気全体が回復することが1番良いのですが……。
-:大井競馬の魅力はどうですか?
和:ナイターが1番だと思います。サラリーマンが仕事終わりにこられたり、デートスポットともいえると思うので、そういうところが魅力だと思います。ただ、お客さんがもっと沢山来てくれて、売り上げもそうですけど、競馬を見てくれるファンが多くなれば、という感じはします。夏場のイベントとして、今は内馬場でバーベキューも始まりましたね。
-:去年も好評だったみたいですね。
和:凄く良い匂いしますよ(笑)。1500、1600(m戦)だと、ゲート裏で回っている時とか、バーベキューの真裏なので匂いがします。僕らは競馬中なので中に入れないですが、ファンとして入ってみたい、と思いますよ。
-:疲れている時なんて、お肉を食べたくなりますよね(笑)。
和:減量している人などはよっぽど思うでしょうね(笑)。
-:沢山お話をいただきましたし、最後は動画でファンの皆さんへ向かって、挨拶をよろしくお願い致します(笑)。今回はありがとうございました!次回もよろしくお願い致します。
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父は園田競馬の元ジョッキーであり、現在は牧場経営を行っている和田清文氏。後に同じく大井競馬に所属することになる、有年、矢野騎手らと時同じくして地方競馬教養センターへ入所。無事に卒業を果たし、2002年に騎手デビューを果たす。 |