開業8年目の昨年はスノードラゴンでスプリンターズSを制し、一躍、G1トレーナーの仲間入りを果たした高木登師。今年も厩舎の勢いは留まることを知らず、日本テレビ盃をサウンドトゥルーが、関東オークスをホワイトフーガが制し、牡牝でダート路線の注目馬を輩出してみせた。中でもJBCクラシックに挑む前者は、前走で並み居るG1馬を破っての臨戦だけに、G1タイトルも射程圏内に入ったといっても過言ではないだろう。今度はダートのBIGレースを制することができるのか、新進気鋭のトレーナーにその可能性を伺った。

G1獲り狙うサウンドトゥルーはリズムを大事に

-:JBCクラシック(Jpn1)に出走するサウンドトゥルー(セ5、美浦・高木登厩舎)についてお聞かせください。ここのところ良い競馬が続いていますが、好調期間の中で変わってきたところはありますか?

高木登調教師:昔は歩様が良くなかったのですが、今年になって良くなってきましたね。もともと奥手な血統ですから、ようやく成長してきたのだと思います。

-:前走は初めての船橋コースを克服しました。今回も初挑戦となる大井コースですね。

高:右回りの平安Sでもしっかり脚を使っていますし、そこは問題ないかなと。本音を言えば、左回りの方が向いていると思いますが。

-:しかし、今回の舞台は直線が長くなりますね。

高:また流れが向いてくれればいいと思います。距離も2000mになって、追走もし易いと思います。前走もテンの脚をもう少し使えると思っていたのです。内に押し込められましたが、上手くさばいてくれました。

-:もう少し前に出してもいけると。

高:やっぱりリズムを大事にしたいですね。前半から行くとリズムが狂ってしまいますから。

高木登

強豪を打ち破りG1タイトルが見えてきたサウンドトゥルー


-:明日(10/31)はどこで追い切りを行う予定ですか?

高:ウッドで行う予定です。先週の追い切りも良かったと思います。ただ、そんなに追い切りを良く見せるほうではないのでね。未勝利の馬にも置いてかれるほどですから(笑)。下(コース)だとマズマズですが、坂路だと動かないですね。

-:そんなサウンドトゥルーの好不調を見極めるポイントはどこにあるのでしょうか?

高:歩様ですね。良い状態をキープ出来ているときは速脚が踏めています。その辺が歳を重ねて良くなりました。

-:うるさい面は見せますか。

高:そうは見せないのですが、気が弱いほうで……。去勢してから余計に神経質になりました。途中はズブいのでメンコ外していたのですが、去勢してからはメンコをつけないとダメになりました。その辺が良い方に出ているのですかね。

巻き返しへ試行錯誤の3歳ホワイトフーガ

-:続いてJBCレディスクラシック(Jpn1)に出走するホワイトフーガ(牝3、美浦・高木登厩舎)についてお聞かせください。前走のレディスプレリュードを振り返っていただけますか?

高:前々走のブリーダーズGCで2000mが長いな、という印象はありました。前走は1800mだったので、多少は差を詰められるかとは思っていたのですが、3着なのでね。詰めたといえば詰められていましたが……。

-:今回も同じ条件ですものね。レース後の様子はどうですか?

高:反動が無いので、そのまま在厩したままにしておいて調整しています。順調で、追い切りも良かったですね。今日は坂路で動かしましたが、あくまで状態をキープさせるだけ。特に強めの負荷をかける必要はないと思いました。

高木登

レディスプレリュード3着から頂点を狙うホワイトフーガ


-:この馬の大井競馬場の適性はどうでしょうか?

高:適性に関しては何も心配してはないです。途中ハミを噛んでしまうので、そこを克服できれば。枠順にもよりますが、そこは色々考えているので、試してみようと思います。

-:「色々」とは前に行ったり差したり、ということですか?

高:ジョッキーは1400mだと忙しいので全然追走できない、と言っていました。正直、1800mは長くて、適正ではないと思います。本来ならば、1600mが向いていると思います。

-:前走、前々走と同じ様なメンバーだと思うのですが、相手関係はどのようにお考えですか。

高:古馬との差は確かにあると思います。相手も軽くなっていますが、そこは斤量でカバーしようと思います。

-:最後に2頭の意気込みをお願いします。

高:2頭とも順調にきているので、楽しみにしています。メンバーが強いですが、なんとか食い込みたいですね。

(取材=競馬ラボ)