「逃げ」は調教師でも ビービーバーレルと目指すクラシックへ
2016/2/7(日)
自由に乗ってもらったが故の完勝
－：クイーンC(G3)に出走するビービーバーレル(牝3、美浦・中舘厩舎)についてお聞かせください。前走のフェアリーS当日の馬の仕上がり具合というのはどのようなものでしたか？
中舘英二調教師：前走も良かったですし、安定していてバラつきがなく、手のかからない馬ですね。徐々に筋肉が蓄積されてきて、調教がそのまま体に反映されています。
－：レースのプランなどはありましたか。
中：乗り役には「出遅れることもあるから好きなように乗ってもらいたい」と伝えました。乗り易すぎるくらいの馬で、いろいろ考えすぎてダメになってしまうパターンがあるので、あまり考えないで乗ってもらおうと。「こういう乗り方はダメ」というわけでは無いので「自由に乗って」とは言いました。
－：実際にレースをご覧になってどう思われましたか。
中：赤松賞以来だったので、どのくらいやれるのかなと思っていましたが、スムーズに競馬ができていて、強かったですよね。内容的にも完勝だったと思います。
－：レース後の馬の疲労、状態面というのはどのようでしたか。
中：普段もおとなしくガタッとすることもなくて。カイバもよく食べますし、精神的にも強い馬なので、疲労はあまり見せないですね。
－：重賞というタフなレース後でも変わらないと。
中：レース中に不利を受けた時は、イライラするのかな、と思うのですが、今回は特別変わったということはないですね。
クイーンC後は桜花賞に直行のプラン
－：中間はどのような過ごし方をしましたか。
中：帰ってきてからも順調でした。プラン通り調教も進められ、良い動きを見せていて、体も大きく見せるようになってきました。僕達が思っている以上に馬が成長しているのだと思っています。
－：1週前追い切りはウッドチップコースで併走という形でした。この調整の狙いは何かありますか。
中：今度は相手が一段と強くなるので調教はしっかりやろうということで、負荷をかけました。ここで桜花賞に向けての物差しができるということもありますので。クイーンCの後は桜花賞に直行なので今回はきっちり仕上げていこうかなと。
－：現時点で最終追い切りはどのようなことをお考えですか。
中：週末に決めようかなと思っています。乗っている人はいつも同じなので、その人の加減で馬が重いとか、様子に合わせてメニューを決めます。今は何も考えてないです。
－：東京マイルも何戦かされていますが、アルテミスSでは二桁着順でした。そのあたりはどうお考えですか。
中：新馬戦で2着の時もガチャガチャしていましたし、アルテミスSはまるっきり競馬をさせてもらえなかった感じがあるので、悲観はしていなかったのですけど……。馬にはストレスのかかるレースだったと思います。今回はスムーズな競馬ができればいいなと思います。
－：クイーンCに向けての意気込みを最後にお聞かせください。
中：強い馬が何頭か出走してきますが、この馬の競馬をしてどのくらいできるのかなと。まだ底が見えてないので、ファンの方もそうでしょうし、僕にとっても楽しみです。仕上がりに関しては万全を期して臨めると思います。
中舘厩舎所属、高山太郎調教助手のご厚意で、「石橋脩騎手サイン入りビービーバーレルのフェアリーSレース写真」を1名にプレゼントします。
応募はメールの件名を「フェアリーSレース写真プレゼント」として、［お名前］［ご登録の競馬ラボID］［ご意見・ご感想］をお書き添えの上、funfunkeiba@keibalab.jpにメールでお申し込みください。 締め切りは2/13(土)まで。当選者は発表をもって代えさせていただきます。
プロフィール
【中舘 英二】Eiji Nakadate
1984年に美浦・加藤修甫厩舎所属の騎手としてデビュー。デビュー10年目にヒシアマゾンに騎乗し、G1初制覇を果たすなど関東のトップジョッキーとして活躍し、騎手時代にはG1通算4勝、JRA通算1843勝を挙げる。中でもツインターボとのコンビで人気を博し、「逃げの中舘」としてファンに愛された。2014年に調教師免許を取得し、2015年1月に惜しまれつつも32年間の騎手生活にピリオドを打ち、同年3月に厩舎開業。今年はビービーバーレルで開業2年目にして嬉しい重賞初勝利を挙げ、次は調教師としてのG1初制覇に向けて邁進していく。
1965年 東京都出身。
1984年に騎手免許を取得し、美浦・加藤修甫厩舎所属の騎手としてデビュー。
1993年にヒシアマゾン号でG1初制覇。
2014年に調教師免許を取得。
2015年に騎手を引退し、同年3月に厩舎開業。
初出走：
15年3月2日 2回中京1日6R キネオフライト
初勝利：
15年5月2日 1回新潟1日12R ブリリアントアスク
