関係者の素顔に迫るインタビューを競馬ラボがオリジナルで独占掲載中!


--:宝塚記念に出走するスクリーンヒーローの寺本厩務員にお話を伺います。

高橋:よろしくお願いします。

寺本:よろしくお願いします。こんなキレイな人に聞かれると緊張しちゃって(笑)…、上手く話せるかなあ?

高橋:またまたー(笑)。何をおっしゃってるんですか(笑)。

寺本:口下手ですけど頑張ります。

高橋:全然口下手じゃないですよー(笑)。(部屋に飾ってある写真を見て)いいですねー、ジャパンカップのゴール前。

寺本:ねえ。私、あのジャパンカップが初めての平地のG1出走だったんです。

高橋:え、そうなんですか?

寺本:なので厩務員としてはまだまだ駆け出しで(笑)。周りの皆さんに助けてもらいながらやっていますから。

高橋:アハハ(笑)。

寺本:ちょうど厩務員になって30年目で初めてG1に出走して勝たせてもらいました。おかげ様で馬主さんにはスクリーンヒーローだけじゃなくて、ずっと長い間素晴らしい馬を担当させていただいて。初めての重賞も勝たせていただきましたから。

高橋:そうなんですか。

寺本:重賞は矢野進厩舎の時にダイナマインという馬で新潟記念と牝馬東京タイムズ杯を連勝させてもらって。そのあと、そのダイナマインの子供のブロードマインドっていう馬で中山大障害を2回勝たせてもらったりしました。結構前の話だから摩衣ちゃんは知らないかな(笑)?

高橋:はい、まだ勉強中なんです、すみません(笑)。えー、ではスクリーンヒーローについてお聞きしたいんですが、寺本さんはスクリーンヒーローが矢野進先生のところにいた時から担当されていらっしゃいますね?

寺本:そうです、2歳の頃からずっとね。スクリーンヒーローのお姉ちゃんのリメンバードリームも担当していました。

高橋:スクリーンヒーローは2歳の頃はどんな子だったんですか?

寺本:もう今もそうなんだけどね、甘えん坊のヤンチャ坊主ですよ(笑)。よくこっちにじゃれてくるんですよ。向こうはじゃれてるつもりだろうけど、こっちは噛まれたら痛いしね(笑)。

高橋:アハハ(笑)。じゃあジャパンカップを勝って、G1馬らしく変わったところはありますか?例えば貫禄が出てきたとか。

寺本:うーん、変わらないねえ。そういう、G1を勝って貫禄が出てきたということもないですね。まあ、まだまだ甘えん坊でね、ヤンチャ坊主ですよ。

高橋:そうですか。その他にスクリーンヒーローの特徴ってありますか?

寺本:うん、あの子は頭の良い馬ですね。食事の前に、「いただきます」代わりに、馬房の中で一回クルッと回る習慣をつけているんですけど、スクリーンヒーローはそれをすぐに覚えましたからね。中にはなかなか覚えられない馬もいますけど、スクリーンはすぐでした。

高橋:へー、お利口なんですね。

寺本:そう、あと、そこに今まで無かったものがあったりするとすぐに気付くしね。よく物見をしますから。だからシャドーロールを付けてね。もう初めてのところに行くと周りが気になっちゃって気になっちゃってキョロキョロしていますよ。

高橋:そうなんですか。じゃあ、今年の阪神大賞典で初めて阪神競馬場に行った時も回りが気になったでしょうね。でも、一回阪神競馬場に行っているから宝塚記念は物見をする事もないんじゃないですか?

寺本:どうでしょうねえ。あの時は雨だったから、今回晴れていたらまた違うのかもしれないしね。まあ結局そういうのは結果次第で変わりますからね。もし勝てば「一回阪神で使っていたから良かったんだ」となりますし、もしダメだったら「まだ慣れていなかったのかな」とか。

高橋:うーん、結果が全てで。

寺本:そうなんですよ。この仕事はどんな過程があっても、結局それで結果が出なければ水の泡ですから。ジャパンカップのあとなかなか勝てなくてね…。有馬記念では相手をマツリダゴッホと見ていたらダイワスカーレットにやられて、阪神大賞典は行った事のない初めてのコースで、天皇賞は輸送がね。ちょうど連休になっていて、金曜日の夜に出発して土曜の朝につく慣れない長旅でね。それぞれのレースにいろいろとあるんですけど、やっぱりそういう事を乗り越えて行かないとね。

高橋:なるほど。今回の宝塚記念は勝ちたいですね。

寺本:本当にね。このあたりでもう一回何とかして欲しいね。

高橋:阪神大賞典、春の天皇賞と続いて疲れもあったけど放牧に出して疲れを取った、と共同記者会見で鹿戸先生がおっしゃっていましたけど、体調もだいぶ良くなってきていますか?

寺本:そうですね、良くなってきています。

高橋:スクリーンヒーローの良い時の兆候というか、癖みたいなものってありますか?

寺本:うん、やっぱり良い時っていうのは身のこなしがキビキビしていますね。本当に調子が良くなると、ヤンチャで抑えるのが大変になりますよ。手に負えないくらいになりますから。パドックではそんなに大暴れする事は無いので、やっぱり動きがキビキビした感じになっていてくれればね、良いと思いますよ。

--:宝塚記念に向けて、何か今までと違う調整をされたりしましたか?

寺本:いや、特に変わった事はしませんよ。マイクロレーザーを当てたり、マッサージをしたりしますけど、それは前からやっている事ですし他の馬にもやる事ですからね。普段と違う事をすると、それが馬にも伝わりますから。もう2歳の頃からずっと変わらないペースで接しています。調教時間もヒーローは一番乗りなんですよ。鹿戸先生にしてみれば1日の全体の調教メニューを考える時に、いろんな時間帯に調教できる方が融通がきいていいんだろうけど、ヒーローが一番乗りで行けるように調整してもらってね。本当、厩舎全体に支えてもらっていますよ。

高橋:周囲の方の協力に支えられて。

寺本:ねえ。期待に応えたいですね。

高橋:またファン投票でも5万8300票を集めて、ファンの期待も高まっていますから。

寺本:有難いですね。でもそれを考えるとプレッシャーもね。見た目はゴツいですけど、内面は弱くて虚弱ですから(笑)。もう内臓がね…あるぞう、ってね(笑)。

高橋:アハハ(笑)!寺本さん、全然口下手じゃないですよ(笑)。

寺本:厩舎のスタッフにはもうこういうダジャレを言っても流されちゃうんだけどね(笑)。何を言うか先に読まれちゃったり。

高橋:アハハ(笑)、寺本さんを見ていると、鹿戸厩舎は雰囲気が良いんだろうなって思います。

寺本:やっぱり、冗談を言える環境じゃないと本音もなかなか言えないでしょう?いろんな厩舎から集まったみんなを、鹿戸先生が上手にまとめてくれていますよ。

高橋:良いですね。その中でもスクリーンヒーローは矢野進厩舎の色が強く残っていらっしゃいますね。調教で乗っているのは矢野先生の弟子の水出騎手ですし。

寺本:そうですね。これも縁ですね。有難い事に、矢野厩舎時代からずっと応援してくれているファンの方もいらっしゃいますし、良い縁に恵まれているなあと感じますよ。中にはパドックの横断幕に私の名前を入れてくれるファンの方もいらっしゃったり。

高橋:えー!「寺本厩務員とスクリーンヒーロー頑張れ」みたいな横断幕があるんですか?

寺本:はい。ちょっと恥ずかしいんですけど(笑)、嬉しいですね。これだけの馬ですからプレッシャーもありますけど、注目される中で仕事に取り組めるというのは厩務員冥利に尽きます。でも、こういう体験が出来るのも私を支えてくれている皆さんのおかげですよ、本当に。おかげ様で馬主さんには昔から素晴らしい馬を担当させていただいてね、本当に感謝していますし、ヒーローを支えてくれている牧場のスタッフ、鹿戸厩舎のスタッフ、トレセン内の仲間や友達にいろいろと助けてもらって。みんなに感謝ですよ。

高橋:素敵ですね。

寺本:本当に有難い事ですよ。だから責任も重大ですし、何としてもみんなの期待に応えられるように良い結果を出して欲しいですね。まだまだ他の馬と比べたら子供で、横綱と呼べるほどではないですけども、ジャパンカップ馬として恥じないレースをして欲しいです。

高橋:私も応援しています、今日は有難うございました!

寺本:やっぱり美人が前にいるとあんまり上手く話せないな(笑)。




寺本 秀雄

厩務員生活31年目のベテラン。矢野進厩舎時代に担当したダイナマインで1984年新潟記念を制し初の重賞勝ち。その後、ダイナマインの子供であり、障害で名を馳せたブロードマインドも担当する。矢野進調教師の定年による厩舎解散により、08年から鹿戸雄一厩舎に所属。矢野厩舎時代から担当しているスクリーンヒーローでジャパンカップを優勝し、初の平地G1タイトルを手にした。






高橋摩衣

生年月日・1982年5月28日
星座・ふたご座 出身地・東京 血液型・O型
趣味・ダンス ぬいぐるみ集め 貯金
特技・ダンス 料理 書道(二段)
好きな馬券の種類・応援馬券(単勝+複勝)

出演番組
「Hometown 板橋」「四季食彩」(ジェイコム東京・テレビ) レギュラー
「オフ娘!」(ジェイコム千葉)レギュラー
「金曜かわら版」(千葉テレビ)レギュラー
「BOOMER Do!」(J SPORTS)レギュラー
「さんまのスーパーからくりTV」レギュラーアシスタント


2006年から2008年までの2年間、JRA「ターフトピックス」美浦担当リポーターを務める。 明るい笑顔と元気なキャラクターでトレセン関係者の人気も高い。 2009年より、競馬ラボでインタビュアーとして活動をスタート。 いじられやすいキャラを生かして、関係者の本音を引き出す。