関係者の素顔に迫るインタビューを競馬ラボがオリジナルで独占掲載中!

中井裕二騎手

中井裕二騎手


-:今度は話を差す方に変えます。差すとなると前に馬がいる訳ですよね。その時に3角、4角辺りでこの前の景色であったら、どの馬の手応えが良さそうだからこの人の後ろに付いていったら抜けられるなというのは頭に持って乗っていますか?

中:持っている時と持っていない時があります。馬の息遣いや余裕もありますし、3・4角で脚が上がった馬は仕方がないですから、真っ直ぐ迷惑にならないように下がることしか考えていないです。

-:1番人気や2番人気の馬に乗ることもあると思いますが、そういう馬で前の馬の並びを分かっていて、この人は手応えが良さそうだからこの人に付いて行こうというのが頭にないと、結局スペースが無くなって、下がってくる馬が邪魔になって、外に出さなければならなかったり、詰まったりすることがありますよね。それをどこまで冷静に見れているかということをファンの方に伝えたいのですが?

中:最近ポンポンと勝たせていただいて、大分周りを見られるようになってきたと思います。競馬前にどの馬が人気しているのか、走りそうなのかはもちろん見ています。

-:パドックで馬に跨って、人気しているがこの馬はなさそうだなと思う時はありますか?

中:それは分からないですね。そんなこと分かる人がいるのですかね。

-:いや、僕ら馬券を買うので、合っていようが間違っていようが、いつもよりイレ込んでいたら、1番人気だけど切った方が良いかなとか思うので、そういう目で見るのかと思ったのですが?

中:そういう目では見ますけど、何といっても僕の乗っている馬がベストパフォーマンスをすれば結果が付いてくると思っているので、他のマークする馬、人気している馬を見ることも大事ですけど……。

-:マークは出来るものなのですか?意外にマークをすることはテクニシャンじゃないとできないですよね?

中:テクニシャンだと思いますよ。僕の場合はポンと出てスゥーと回って、3・4コーナーで前を見たら、これ1番人気の馬で手応えが良さそうだなと思って、じゃこれに付いて行こうという感じなので、3・4コーナーからのマークはアリだと思います。テンからマークはないですけどね。3・4コーナーで手応え良さそうだなと思って、自然とマークしているというのもありますね。

-:海外の上手い人はテンからガチマークですからね。

中:ビッタリ同じところを回っていますね。色々味があって面白いですね。

-:短距離と長距離では乗っていてどちらが好きですか?ダートでも1800mとか1200m、1400mとかあると思うのですが、どちらが好きですか?

中:絶対、短距離ですね。

-:持っているモノがイケイケだからですかね。

中:いえ、僕はゲートをすごく大事にしているので、距離が短くなればなるほどゲートが活きると思うので、ましてや3キロ減なので、短距離が好きですね。



-:僕なんかは穴買いなので、短距離だと出来事が少ないので、ハプニングがないと穴なんか来ない訳ですから。2000mぐらいないとハプニングが起きる可能性が少ない訳ですから、変なことが起きてくれないと仕方がないので……。

中:穴馬券になるような、入れ替わり立ち替わりの乱ペース希望なんですね(笑)。確かに1200m、1400mなら強い馬は能力で押し切りますからね。

-:ゲートが決まった時点でないなという馬券になってしまうのでね。そういう意味でも中井騎手には今後もペースを引っ掻き回してもらいたいです。

中:頭では引っ掻き回したいと思っているのですが……。終わったらハァーという感じですね。

-:負けた後の切り替えは上手くできる方ですか?

中:僕は切り替えをスパッとする方だと思います。

-:ディープインパクトの凱旋門賞に行った時に、ゴドルフィンの勝負服を着たまだ18歳ぐらいのアンちゃんが負けて堂々と帰ってきて、こんな堂々と帰ってくることが許されるのかとそれがすごいと思いましたね。

中:これが競馬やみたいな感じですかね。

-:「何が文句ある?」みたいな感じでしたね。すごいなと思いましたね。

中:カッコ良いですね。

-:中井騎手は何か困った顔をして帰ってくることが多いように思います。

中:そうですね。いろいろとあって、まだ堂々と帰ってくるわけにもいかないという……。


「100円でも200円でも応援馬券を買い続けて欲しいと思います」



-:これからの活躍をファンが待っていると思います。競馬も若いジョッキーが活躍してくれないと盛り上がらないですからね。

中:3キロ減が溢れていますから。

-:川田ジョッキーがフランスに行って、福永さんもアメリカに行って、チャンスは増えますね。

中:小倉は楽しくなりそうですね。

-:夏は、楽しい小倉にして下さい。

中:いや、本当にそうですね。

-:「中井騎手、本日何勝目です」という実況を聞きたいですね。

中:なるほどね。良いですね。

-:だいたい伸びるジョッキーというのは関西なら夏の小倉がポーンと爆発して、秋に乗り馬の質が上がりますからね。多分そうなるでしょうね。

中:そうなったら良いですね。頑張ります。

-:安定の中井から脱却する?

中:本当にそうですよ。そのためにも長浜先生に付いていきます。

-:ヒデノビクトリア(福島信晴厩舎)の競馬なんかは良かったように思うのですが。

中:本当ですか?面白かったですか?見てくれた人が面白いと感じてくれたら僕の中では良いんです。外から川田さんが2着で勝った馬(ランフォージン)がビューと行って、ソコを我慢して……。

-:1コーナーは怪しかったですけどね。これはないかなと……。

中:そういう雰囲気でしたね。でも自信がありました。僕は勝つ気で行きました。

-:1コーナー10番手で勝つ気だったのですか?

中:はい、本当に勝つ気でした。だから3着はすごく不満でした。前走もそうですが、あとちょっとです。ラスト200m、30mを同じ脚で伸びてくれたら、楽勝するのですが。

-:最後が甘くなるのですね。

中:でもソコがこの馬の特徴でもあり、面白いところでもあります。ソコをどうカバーしてあげるかですね。

-:410キロぐらいの小さな体ですけど、良い脚を持った馬ですね。

中:良い脚、瞬発力がありますよ。持ち乗りさんが調教も乗ってくれて、いつもよく手を掛けてくれています。

-:この馬は次に使うとすれば3歳未勝利ギリギリですが、中京ですかね?中京だと左回りがどうか分からないですね?

中:そうですね。小柄な馬なので小倉まで待っても良い気はしますけどね。そこは福島先生の都合ですからね。

-:乗れるのですか?

中:多分乗せてもらえるでしょうか。中京は直線が長い大きなコースになりましたので、ちょっと足りない馬が、もっと足りなくなってしまいますからね。

-:前の小回りの中京なら良かったのですがね。

中:それだったら抜群だったのですが。それなら体を戻しつつ、小倉一発勝負ぐらいでも良い気がするのですが……。

-:小倉ならオレが責任を取るという感じですか?

中:間違いないです。

-:夏の小倉に期待しています。

中:頑張りますので、お願いします。

-:最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

中:若手ジョッキーの中で夏男と呼ばれるように、釈迦力な騎乗をしたいと思います。納得いかない競馬をしてしまうこともあるかも知れませんが、100円でも200円でも応援馬券を買い続けて欲しいと思います。

-:1時間以上も長いお時間、ありがとうございました。




←中井裕二騎手インタビューPart.1へ

1 | 4


(写真・取材)高橋章夫




【中井 裕二】Yuji Nakai

1993年 京都府出身。
JRA初騎乗
12年3月3日 1回中京1日3R ギルドマスター(3着/16頭)
JRA初勝利
12年3月3日 1回中京1日8R ニシノマナザシ
JRA通算成績は6勝 (12/6/24現在)


出身地は京都府亀岡市。テレビ番組で騎手という職業を知り、騎手を志す。 今年3月3日にデビューを果たすと、早速8Rを制し、同期の中で初勝利一番乗りを達成した。 ここ最近は一日に数多くの頭数の調教をこなし、トレセン内でも引っ張りダコ。同期の中でも注目度はナンバーワンの存在といえる。