1回中山開催は12勝をマークし、開催リーディングに輝いた戸崎騎手。勢いままに東京開催もダッシュを決めたいところだが、あいにくにも今週末は雪の予報。まずは開催の無事を祈るばかりだが、道悪予想も踏まえ、戸崎騎手にクエスチョン。これまで以上に騎乗経験のある馬が揃うラインナップだけに、各馬のキャラクターを滑らかに語ってくれた。

ライバルとして能力を認めていたモーニンと初タッグ!

-:今週から東京開催が開幕!目玉はフェブラリーS(G1)の前哨戦である、日曜の根岸S(G3)ですね!モーニン(牡4、栗東・石坂厩舎)とは初コンビですが、これまでに他馬に騎乗して、その実力は肌で感じていらっしゃると思います。

戸崎圭太騎手:ええ。3度同じレースに乗っていて、特に印象的だったのが2走前ですね。(ノボバカラに騎乗して隣の枠からスタート)モーニンをマークするような騎乗をしていて、どちらも先行していたのですが、速いペースだったにもかかわらず、直線でグッとギアを上げてきましたからね。これで「オッ、強いな」と思っていましたよ。

-:あくまで旗から見た印象で、距離短縮、週末の雨予報はどう感じますか?

圭太:う~ん、千四の方がむしろ良さそうですよね。それに軽い馬場もイイんじゃないかな。あくまで推測ですが。

-:根岸Sは奇しくも、タガノトネール(セ6、栗東・鮫島厩舎)、レーザーバレット(牡8、美浦・萩原厩舎)、キョウエイアシュラ(牡9、栗東・森田厩舎)、タールタン(牡8、栗東・吉村厩舎)ら戸崎騎手が乗ってきた馬と相対することになりますね。

圭太:そうですね。中でも実績と勢い上位はタガノトネールですか。南部杯、武蔵野Sで2着ですからね。その武蔵野Sでもモーニンに先着しているし、その辺りは警戒しないといけませんね。

戸崎圭太

▲G1に向けて根岸Sはなんとしても賞金を加算したいモーニン


-:勝てばフェブラリーSを見えてくるでしょうし、モーニンは楽しみな馬ですね。土曜のメイン・白富士S(OP)にはファントムライト(牡7、栗東・藤原英厩舎)とのコンビ。こちらはお馴染みの存在ですね。

圭太:勝ち切れないレースが続いていますが、ここでは上位の存在ですよね。

-:福島記念、新潟記念と重賞で3着。東京コースに替わるのはどうなのかと思いますが、雨予報は間違いなく良いですね。

圭太:コースはそんなに問題ないかと思います。ただ、新潟記念の結果からも馬場が渋ってくれるのは歓迎ですね。相手関係もここ数戦よりは軽くなっているでしょうし。

-:注目度で言えば、日曜のセントポーリア賞(2歳500万下)サトノキングダム(牡3、美浦・国枝厩舎)は前走が圧巻でした!

圭太:(すかさず)楽しみです!ただ、前走を観てもらったらわかるように、スタートが遅いところは心配ですね。馬場もあんまり渋らないほうが良いのかな。

-:タイプ的にはどんな馬ですか?

圭太:今のところ乗りづらさなどは感じていませんし、2歳や3歳は新馬勝ち直後にコロっと変わってしまうこともあるので、この時季の馬は未知数だと思っています。しかし、間違いなく素質はあるでしょうね。これは前走で跨った時から感じましたので。

-:ケンタッキーダービー、ドバイWCを制したアニマルキングダムの弟。どこまでやってくれるか楽しみですね。

圭太:そうですね。まずはゲートを上手く出したいです。

-:その他、日曜1R(3歳未勝利)キョウエイラヴ(牝3、美浦・中川厩舎)、8R(4歳上1000万下)マッチレスヒーロー(牡5、美浦・金成厩舎)、最終R(4歳上1000万下)ディアデルレイ(牡5、美浦・牧厩舎)はいかがでしょうか。

圭太:キョウエイラヴは新馬戦から高いパフォーマンスを見せてくれましたよね。取り消し明けの新馬戦ですが、特に状態面も不安を感じませんでした。マッチレスヒーローは前走、初めて中山で乗りましたが、東京のほうが良い印象でしたね。勝ち切れないタイプですが、競馬は上手な馬。得意のコースで巻き返したいですね。ディアデルレイは競馬に注文のつかないタイプ。昇級戦にはなりますが、馬場が渋るのは良いんじゃないかと思います。

戸崎圭太

▲G1馬の弟サトノキングダム そのポテンシャルや如何に


今は不得意?東京開催がスタート!


-:先週のレース回顧もお願いします。まず、AJCC(G2)ショウナンバッハ(牡5、美浦・上原厩舎)は3着と低評価を覆しました。

圭太:終いは良い脚を持っているタイプですが、正直、東京の方が良いんじゃないかと思っていましたね。しかし、末脚に懸ける競馬をしようと思っていましたし、人気馬の後ろで内々を上手く運べたと思います。

-:相手関係もそこまでハイレベルだったとは思いませんが、意外にも低評価を覆しましたね。

圭太:末脚勝負だけに展開が向かないと厳しい面は否めませんが、持ち味はありますからね。

-:また、先週、話題にしたビヨンジオール(牡4、美浦・的場厩舎)、ディプロムソング(牡5、美浦・的場厩舎)で勝ち星を挙げられました。

圭太:ビヨンジオールは「色々、条件が噛み合わないと」とは言っていたものの、ハマりましたね(笑)。ペースも良く、枠も良い。下げても折り合いを我慢してくれました。ディプロムソングは耳を絞ったり、前までとは違った気配をみせたのですが、競馬の幅も広がりましたかね。

戸崎圭太

▲ディプロムソングは競馬の幅に可能性を見出すことが出来た


-:そして、小耳には挟んでいたのですが、ストレイトガール(牝7、栗東・藤原英厩舎)が引退を撤回。現役を続行と。

圭太:そうですね。もう7歳ですか。まだ元気はありますし、意地をみせてほしいです。

-:最後に今週から東京開催になりますが、意気込みのほどを聞かせてください。

圭太:昔は「東京コースが好き」と常々口にしていたのですが、年々乗って行くうちに馬の力が問われるコースなのだと、改めて感じました。去年の僕は中山の成績が良くて、東京が少し劣ったのかな。それは中山だと、上手く小細工が利くというか、騎手の乗り方でカバーできるところがあると思うんです。その点、良い馬に乗れないと、東京は厳しいですよね。それは僕だけの力でどうにもならないところがあるのですが、だからと言って、気を抜かず、結果を残していきたいです!

-:今週もありがとうございました。来週もよろしくお願いします!

※次回は2月5日(金)に公開予定です!

戸崎圭太