第2章ベテランこその悩み 現役こそ楽?

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-:若い頃は当然上を目指して目標があったと思うのですが、ある程度先が見えて来た年代になった時に、精神的なモチベーションはどうやって維持されていくのかと、すごく興味があります。

昌:騎手を辞めたいと思ったことはありますか?

太:いや~……。正直、次は何をしようかな、というのはあります(笑)。

昌:でしょ。ただ、まだ十分にやれますし、僕もそうだったのですが、新しいことをやるときって、すごく力がいるじゃないですか。例えば、騎手の方々が調教師に転身するなんてことはよく聞きますが、きっと大変ですよね。調教師になるのだって、言わば一つの会社を立ち上げて信頼を勝ち得て、馬を集めていただいて、という作業でしょうから、だったら現役をやっていた方が楽ですよね。

太:そう!その通りで、ある意味、楽なんですよね。調教師になったらたくさん頭を下げなくちゃいけませんから(笑)。それは僕の選択肢にないと思います。

昌:僕がそうだったんですよ。将来、指導者になる可能性もありますし、今はスーツを着て解説者をやっていますが、それにしても、また一から勉強をしないといけないので。苦しくても現役をやっているのが一番なのだと思いつつ、50まで頑張りました。

太:僕も現役をやっているのが一番楽だし、自分1人のことなのでね。人のことをあんまり気にしなくて良いし(笑)。

対談

久々のG1制覇へ熱意を語る小牧騎手


昌:僕もここのところ日本シリーズの解説者や色々な番組にも出させていただいていますが、選手をやっている時の方が自分のことだけシッカリやっておけば良かった。そういう意味では、土日にゆっくりと競馬も出来なくなりました。選手の時は、一応ルールがありまして、1軍に行ったら競馬は買わないと。2軍の時はちょっと昼間に遊ぼうと。あと、1軍が試合をしていたら競馬は買わないと、自分の中ではそういう風に決めていたので、土日はデーゲームになりますから、いつも馬券の勝負は午前中なのです(笑)。だから、未勝利戦と新馬戦が得意なんです、ハハハ。本当に50で引退しましたが、もうちょっとやりたかったなと思っていますよ。だから、小牧騎手は48ですが、仲の良いユタカにも、お前、世界記録作るくらい頑張ってくれと、常々言っていました。

太:そうですね。彼は「60まで乗る」と言っていますよ。

昌:僕がそう言ったら「良いですかね?」と。「全然良いでしょ。60でG1を勝ってギネスに載ったら?」と言ったら、上がいるらしいですね。僕はそれにビックリして。ちなみに、僕が今年勝ったらギネスだったのですが、勝てないで終わりました。

太:誰だったか覚えてはいませんが、いるはずです。海外だったら1回引退しても、すぐに復帰出来るのでね。僕も年長記録は狙いたいとも思うのですが。

昌:小牧さんの方が少しばかり近いんですよね。じゃあ、60になってG1勝ってくださいよ。僕も、ここ3年くらいは競馬の世界と近くなりまして、この間は佐々木(大魔神・佐々木主浩氏)から「昌さん、1頭持ったらどうですか?」と言われたのですが、そこまでハマると、とんでもないことになりそうで……。一口馬主でやっていますので、ぜひ小牧さんに乗って欲しいなと調教師の方に言ってきます、ハハハ。

太:一口馬主もやっていらっしゃるのですね。未来は個人馬主もやっていただいて……ぜひ、良い馬をお願いします(笑)。そして、僕も遠ざかってはいるのですが、G1を勝ちたいといつも思っています。それは諦めずやっていきたいですね。

-:もともと山本さんが競馬に興味を持たれたキッカケというのは何だったのですか?

昌:僕はダビスタですよ。野球選手は馬券を買ってはダメだと思っていたのでね。昔は競馬や競艇も、みんな隠れてやっていたんですよ。隠れてやるものはやってはダメだろうと僕は思いましたが、最近はボートレース然り、競馬もすごく明るい雰囲気になってきましたので、3年前くらいからちょこちょこ買うようになりましたね。ただ、ダビスタから入って、最後のシリーズまでやっていますので、血統にはちょっとうるさいですね(笑)。野球選手は、遠征に行くと時間があるんですよ。夜ナイターが終わって、ご飯食べて昼前に起きて、そこから球場に出る前に3~4時間あって、その時にダビスタとかをしていたのですが、競馬が本当に面白いなと思ったのは3~4年前ですかね。僕の馬券のスタイルは、勝っても負けても楽しくという風にやっていますので。

山本昌×小牧太スペシャル対談(第3章)
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