POG実行委員長Y(以下Y):待ちくたびれたよ。どうしたの? 連絡こないんだもの。

ライター野中(以下野):すっかり、この対談のことを忘れていましたよ。

Y:大先生ともなると偉くなるねーー。

野:いやいや、このPOG対談が一番ですから!

Y:白々しいから止めるけど、牡馬路線は大混戦のまま皐月賞を迎えそうだね。

サトノアーサー

野:明日、毎日杯にサトノアーサー(牡3、栗東・池江寿厩舎)が出走しますが、ここを勝利しても皐月賞に向かうのかは流動的ですよね。

Y:8頭立てと寂しいけど……。

野:良馬場であればサトノアーサーが優位な条件だとは思いますよ。前走は重馬場というよりは不良馬場みたいなものでしょう。そういった馬場が苦手なディープ産駒が2着というのはまずまず評価していいはず。ただ……。

Y:何か不安材料でも。

野:王道路線ではないんですよね。同じ厩舎のペルシアンナイトもアーリントンCは強かったのは間違いありません。しかし、シンザン記念→アーリントンC→皐月賞というローテーションは疑問ですよね。サトノアーサーはきさらぎ賞から毎日杯を挟んで、もし皐月賞なら、このローテも解せません。昨年、サトノダイヤモンドの際もきさらぎ賞から皐月賞へ直行で話題になりましたが、池江厩舎が今までのレース体系に拘っていないのか、ノーザンFが使い分けで、期待馬ほどメンバーの質が落ちそうなところを探して使っているのかは定かではありませんが……。

Y:気になるデータではあるよね。

野:今年の牡馬クラシック路線は混戦なのは間違いないので、毎日杯の結果にも注意した方がいいでしょう。

ファンディーナ

Y:先週、フラワーCのファンディーナ(牝3、栗東・高野厩舎)は強かったね。

野:どの路線に向かうのかはっきりとした発表はありませんが、前日のスプリングSとさほど変わらないタイムで2番手から楽勝。上がりも34秒台の脚を使っているので、前日のスプリングS以上の価値があったかも知れません。

Y:思い切って皐月賞にチャレンジしても面白いかも知れないね。

野:さすがにデビューも遅くイケイケで使っているので、牡馬相手にどうなのかなという疑問もありますが、ひょっとすると通用すると思わせてくれるだけの勝ち方だったのは間違いないでしょう。(スタッフ注釈:25日に皐月賞参戦が発表)

Y:今週は毎日杯はともかくとして、他のレースは桜花賞、皐月賞路線というよりはその先のNHKマイルC、オークス、ダービーを目指す戦いになる訳だけど。

野:そういった意味では大寒桜賞に注目ですよね。ここを勝利した馬は12年以降、その後、重賞で連対以上という状況です。トーセンホレボシが京都新聞杯勝利からダービー3着、ラストインパクトが青葉賞3着で、古馬になってからローカル重賞を勝利しJCでも2着、ワールドインパクトが青葉賞2着、タンタアレグリアも青葉賞2着、ダービー7着と来て、今年のAJCCで初重賞制覇。レッドエルディストも青葉賞2着、神戸新聞杯3着というような結果です。

Y:つまり、勝利した馬は青葉賞では少なくとも馬券圏内に入る確率が高いということ?

野:3歳の春で中京芝2200m戦を勝つにはそれだけ能力かスタミナがないとダメということではないでしょうか。絶対的なスピードは足りなさそうですが、カラル(牡3、栗東・佐々晶厩舎)は傾向に合致していそうな馬ですよね。

Y:確かに。青葉賞2、3着で菊花賞の頃辺りに穴人気していそうなイメージはあるなー。昨年のレッドエルディストみたいな感じというか。

レッドエルディスト

野:ただ、ルーラーシップ産駒全般的に切れ味が全くといっていいほど感じられないので、明日きっちりと突破できるかはチェックしたいと思います。

Y:500万特別という意味ではミモザ賞や君子蘭賞もあるよ。

野:両レースとも牝馬同士による戦いです。ミモザ賞は7頭立てと寂しい頭数になってしまいました。1戦1勝のルヴォワール(牝3、美浦・手塚厩舎)が人気になりそうですね。確かにまだ底は割れていないしハーツクライ産駒だけに伸びしろはありそうです。

Y:それにしてもハーツクライはよく走っているね。

野:次シーズンの2歳世代はも、3歳世代以上にハーツ産駒が走るというのが馬産地での評判ですが……。キンカメが体調不良により下降線となり、ディープインパクトも徐々に種付け数を減らしつつあります(それでもまだ多いですが)。

Y:ルーラーシップが今ひとつの感もあるからね。

野:オルフェーヴル産駒は気性がネックになりそうだとか、エイシンフラッシュ産駒はデカイ馬も多いけど見映えがするとか、徐々にいろんな話が漏れ伝わってきていますよ。

Y:POG本の取材の時期だもんね。

野:私は今、現場に行っていないので、あくまでも聞いた話にはなってしまいますが、今年の3歳世代とは違った意味で、戦略を考えないとダメでしょうね。ディープは凄いんですが、単にディープのサンデーRだとかを取っていれば当たりが近いという時代ではない気がしています。

Y:他のクラブの動向も気になるけど、この辺りはもっと直前に教えて貰うことにしよう。君子欄賞は?

野:チューリップ賞5着のカワキタエンカ(牝3、栗東・浜田厩舎)が気になります。距離が延びた上に、勝ってもオークス路線は疑問も残りますが、チューリップ賞はまずまずの走りでしょう。ディープインパクト産駒なのに切れ味で勝負するタイプではないというのマイナスですが。

Y:そうなんだよな。前に届かなかったというよりは、差されただけという印象も残っている。

野:キャリアの浅いところではチャレアーダ(牝3、栗東・中内田厩舎)辺りなのかもしれませんが、ディープ×ドイツ血統という組み合わせって相性がいいと思えないんですね。ワールドエースとかエックスマークとかはいるんですが、超大物までは行かない気がします。父ディープ×母父モンズンなら避けた方がいいといえるのですが……。

Y:なるほどね。血が偏らないようにと社台グループはドイツ血統を輸入してきて、ディープをつける傾向にあるけど、ディープ以前の種牡馬の際はほぼ走っていないしね。

野:ディープ以外の種牡馬で母父アカテナンゴで走ったのはフルアクセル(父アグネスタキオン)とかイモータル(父マンハッタンカフェ)が目立つ程度ですよね。イモータルは未だに1勝馬ですし。ただ、ディープなら少しは可能性があるというところですね。

Y:この辺りはPOGシーズンが近付いたらもっと踏み込んで教えてもらうことにしよう。

野:単純に組み合わせで分かるほどではないと思いますが、当たりの牝系は是非とも探し出したいと思っています!