札幌は3週残しているが、芝中距離の新馬戦は今週で終わり。それもあって有力厩舎が期待馬を送りこんできている。特に目玉と言えるのがダノンサンシャイン(牡2、栗東・藤原英厩舎)。栗東で目立った時計を出しており、7月29日にはCWで6Fから82秒3-66秒1-11秒7と秀逸の時計をマーク、同厩の期待馬フォンスに先着した。
この週の新馬に出ても本命を打てるほどの馬だったが、函館に遠征し、札幌の芝1800m戦に狙いを定めてきた。このあたりは全兄のスワーヴジョージが洋芝で3戦2勝という適性も考えたのだろう。函館入りしてからは目立った時計を出していないが、栗東である程度つくっていることから仕上がりへの不安はあるまい。

ダノンサンシャイン
牡、栗東・藤原英、ハービンジャー×ギーニョ
POGシメイ

ダノンサンシャイン

▲非凡な能力をすでに発揮しつつあるダノンサンシャイン


先週という話もあったカフジプリンス(牡2、栗東・矢作、父ハーツクライ、母ギンザフローラル)も、1週伸ばして万全の構え。1週前は函館ウッドで66秒台の時計を出し意欲十分。矢作調教師の期待も高い馬で、確実に勝ちに来た一戦だ。
クレスクント(牝2、栗東・中内田厩舎)は、母の名を見てピンと来たらPOG通。母の母はアドマイヤサンデーで、母の半兄にフサイチホウオー、半姉にトールポピー、半妹にアヴェンチュラがいる良血で、POGでも上位人気になった馬だ。体質の弱さもあってデビュー戦後は1年の休みもあり大成はならなかったが、それでも7戦2勝の成績を残して繁殖入り。クレスクントは2番仔になる。早熟性の強い一族なので、初戦から結果を出したい。

札幌の芝1500m戦には、ウインムート(牡2、栗東・加用、父ロージズインメイ、母コスモヴァレンチ)がスタンバイ。
「それほどムキになって走る感じもないので、距離には融通が利くかもしれない。厩舎ゆかりの血統なので、やはり期待は大きい」と藤原助手。鞍上は三浦騎手を予定している。
全兄にはダートのJBCスプリントを制し、芝の重賞も2勝とマルチに活躍したドリームバレンチノがいる。
同じレースを予定のドラゴンシュバリエ(牡2、栗東・角田厩舎)は、一つ上にホープフルSを勝ったシャイニングレイがいる。札幌に入ってからも好調教を連発しており、初戦から好勝負の態勢は整っている。

クレスクント
牝、栗東・中内田、ハービンジャー×ヴェラブランカ
POGシメイ

ドラゴンシュバリエ
牡、栗東・角田、ダイワメジャー×シェルズレイ
POGシメイ

ドラゴンシュバリエ

▲兄同様、重賞への期待がかかるドラゴンシュバリエ


新潟に目を移すと、大激戦は牝馬限定のマイル戦。多くの馬が出走を予定しており除外も出そうな雰囲気だ。
大きな話題になるのはレッドディヴェル(牝2、栗東・松永幹厩舎)。母レッドディザイアは、秋華賞を勝ち、ジャパンCでも3着した名牝。その初仔となる。
「体型は母とはあまり似ておらず、少しタイプが違う。動きは追い切るごとに良くなってきたし、いい仕上がりで臨めそう。まだまだこれから良くなる」と松永幹師。鞍上は田中勝騎手を予定している。
8月16日の新馬戦を除外になったサプルマインド(牝2、栗東・藤原英、父ディープインパクト、母シリアスアティテュード)も、デムーロ騎手で出走。12日にCWで66秒-11秒6と抜群の動きを見せており、ここも上位人気は間違いない。
ディスグラース(牝2、栗東・吉村、父ワークフォース、母アイスドール)は、母がオープン馬で、一族にはトゥザヴィクトリー、トゥザワールド、デニムアンドルビーがいる良血。13日にはCWで水準の時計を出しており、上位争いに食い込める仕上がりだ。

新潟2000mのほうは、オールプリュネル(牝2、美浦・二ノ宮厩舎)が注目。全兄は宝塚記念を勝ち、凱旋門賞でも2着したナカヤマフェスタだ。1週前のウッドでは65秒台の速い時計を出し、初戦から勝ち負けになる。
ケルフロイデ(牡2、美浦・加藤征、父キングカメハメハ、母ケルアモーレ)もウッドで好調教を見せており、上位争いに食い込んでこよう。

レッドディヴェル
牝、栗東・松永、ハービンジャー×レッドディザイア
POGシメイ

オールプリュネル
牝、美浦・二ノ宮、ステイゴールド×ディアウィンク
POGシメイ

オールプリュネル

▲今年の新種牡馬として活躍が期待されるナカヤマフェスタの全妹オールプリュネル


最後は小倉。芝1800m戦に出走予定のシンシアズブレス(牝2、栗東・池江寿厩舎)が中心か。
「雰囲気は悪くないが、血統的に燃えやすいところは伺える。ただ、短距離向きという感じではなく、距離はあった方がいい」と池江寿師。鞍上は浜中騎手を予定。半兄にダービー2着馬のリーチザクラウンがおり、スピードに注目だ。
ソレイユロワイヤル(牡2、栗東・長浜、父ダイワメジャー、母マリアロワイヤル)は、1週前に6F81秒台、5F66秒の好時計。テンから行ったぶん終いがかかったが、これだけやれれば十分。好調ダイワメジャー産駒の勢いをみせつけるレースとなりそうだ。

シンシアズブレス
牝、栗東・池江寿、ダイワメジャー×クラウンピース
POGシメイ

新規入厩組の話題に移そう。
美浦には、セレクトセールで9400万円の値がついたキングオブアームズ(牡2、美浦・藤沢和厩舎)が入って来た。スターオブペルシャ(牡2、美浦・藤沢和厩舎)、ダノンキャップ(牡2、美浦・藤沢和厩舎)の勝利で、ようやく2歳馬に勢いがついてきた藤沢和厩舎。このあたりで波に乗りたい。
函館にはクィーンアマポーラ(牝2、栗東・藤岡健厩舎)が入厩。母はエリザベス女王杯勝ち馬だ。
新規ではないが、一度入厩してデビューせずに放牧しての再入厩組にPOG注目馬が2頭。ディーマジェスティ(牡2、美浦・二ノ宮、父ディープインパクト、母エルメスティアラ)は、半兄にセイクレットレーヴワールドレーヴ、全姉にホクラニミサと地味ながら活躍馬が多数出ている。そろそろ重賞ウイナーが出てもいい頃だ。予定では札幌の最終週デビュー。

美浦にはアフェクテューズ(牡2、美浦・手塚厩舎)。新潟デビューの予定だったが、肩の不安で放牧。回復かなって帰厩した。全姉は驚異的な末脚で阪神JFを勝ったショウナンアデラ。果たして弟はどんな脚を披露するのか。順調なら9月の中山あたりでお披露目となりそうだ。

キングオブアームズ
牡、美浦・藤沢和、ディープインパクト×アーマイン
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クィーンアマポーラ
牝、栗東・藤岡健、キングカメハメハ×リトルアマポーラ
POGシメイ

アフェクテューズ
牡、美浦・手塚、ディープインパクト×オールウェイズウィリング
POGシメイ