年始の除外ラッシュの影響が大きく、京都芝1600m戦には2週前に除外となったディープインパクト産駒2頭が出走してきた。

リーチザハイツ(牝3、栗東・松田博厩舎)は、以前にも書いたように昨年夏に一度評判になったが、骨折でデビューが年明けまで延びてしまった。夏に比べると調教の動きが平凡だったが、デビューが2週延びたことで調教量も増え、動きは良くなってきた。阪神JFを狙うとまで言われていた。目標のレースは過ぎてしまったが、ここから遅れを取り戻し、桜花賞に歩を進めたい。

同じく除外で2週延びたのがミッキーグッドネス(牝3、栗東・安田隆厩舎)。半兄にダートのスピード馬ダノンレジェンドがおり、父がディープインパクトに変わってどのような馬に変身するのか興味津々だ。新馬に強い安田厩舎で、仕上がりは心配なかろう。

血統で目を引くのはレッドミモザ(牝3、栗東・松永幹厩舎)。母はスプリンターズS、高松宮記念を勝ったフラワーパークで、半兄にはモーリスを相手に安田記念で2着したヴァンセンヌがいる。「馬の状態を見ながら時間をかけて調整してきた。ハミ受けが良くなって、ここにきてだいぶ体力がついてきた」と松永幹師。
坂路でいっぱいに追われ54秒0-13秒5(以降、調教は主に1週前のもの)と、調教を見ると物足りないが、松永幹厩舎も新馬戦に強い厩舎。最終調教をよくチェックしたい。

ゴルディオン(牡3、栗東・宮厩舎)は、半兄にダート短距離で活躍するベストウォーリアがいる。「血統的に将来はダートかもしれないが、前向きでいいスピードがある。まずは芝の走りを見てみたい」と宮師。
 この厩舎にしては珍しく調教は派手ではないのが、M.デムーロ騎手を確保できたのだから、準備は万端と見て良かろう。

リーチザハイツ

リーチザハイツが骨折を乗り越えついにデビュー(写真は昨年6月の入厩時のもの)


ダートでは、牝馬限定の1400m戦出走のフィーリングウェル(牝3、栗東・平田厩舎)。デビューを延ばしたり除外するたびに挙げているため、このコーナーに3度目の登場となってしまった。出走が延びたおかげで、坂路でも上がり1Fの時計が良くなってきているのは好感だ。

中京芝2000mは、こちらも先週除外のストラーノ(牡3、栗東・長浜厩舎)。時計がかかったCWで67秒9-13秒1を出せていれば合格点。皐月賞2着、ダービー3着のシックスセンスをはじめ、厩舎所縁の一族で力の入り方も違うはずだ。

関東では中山芝1600m戦が中心。血統的に注目は、半兄にメイショウサムソンを持つフォーシーム(牝3、美浦・勢司厩舎)。「少し弱さがあったのでケアしながらじっくり調整。血筋はいいし、兄がそうだったように、レース経験を積んで良さが出てきそう」と勢司師。ポリトラックで馬ナリ中心の調整。初戦からというタイプでは無さそうだ。

1月10日の新馬戦を除外されたボトルガーデン(牡3、美浦・萩原厩舎)は、2週間延ばしてこのレースに出走。ウッド中心でやってきたが、除外後は芝で4Fからと手控えており、2週前に結構仕上がってしまったのかもしれない。直前にしっかりウッドで時計が出せていれば問題あるまい。

ハロックライン(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)は、母の兄に安田記念勝ち馬アサクサデンエン、天皇賞・秋2着のスウィフトカレント、母の弟にドバイWC勝ち馬ヴィクトワールピサと、叔父にG1級の馬が並ぶ。ウッドで長めから時計を出されており、初戦から期待がかかる。

ラフォンテロッソ(牝3、美浦・矢野厩舎)はスカーレットインクを源にした一族で、ダイワメジャーダイワスカーレットヴァーミリアンらG1クラスがいる。調教メニューがポリトラックからウッドに変わり仕上げも急ピッチに感じるが、馬体が400キロ前後しかないようで、どこまでつくることができるか。

ダート戦では、1200m戦に出走のキャンベルアーリー(牝3、美浦・武藤厩舎)。坂路で53秒8-12秒6(一杯)。併せた相手に少差遅れたが、大きく追走したもので心配ない。初戦から好勝負を期待していい。

新規入厩は、半兄に弥生賞勝ち馬サトノクラウンがいるシャレードスマイル(牝3、栗東・須貝尚厩舎)。前脚の蹄が弱く時間がかかってしまったが、それも癒えての入厩。この馬の活躍如何では、半弟の現2歳馬(牡、父ディープインパクト)のPOG人気が更に加速することになろう。

セブンスセンス(牝3、栗東・矢作厩舎)は、皐月賞2着、ダービー3着シックスセンスの半妹。兄姉のほとんどは長浜厩舎だったが、この馬は矢作厩舎。この変化がどんな結果を及ぼすか。

セレクトセールで9000万円の値がついたサトノジャスティス(牡3、美浦・国枝厩舎)は、半姉に桜花賞3着のソーマジック、半兄にトーセンデュークがいる。

最後は再入厩だが、POGでも人気になったアストロブレーム(牡3、栗東・藤原英厩舎)がデビューに向けて始動。社台Fの期待もかなり高い馬で、皐月賞は無理でもダービーには間に合わせたい。

リーチザハイツ

新たに入厩したシャレードスマイルの兄はダービー3着のサトノクラウン