出世街道へミュゼスルタン 2歳戦線をリード!

●8月31日(日) 2回新潟10日目11R 第34回 新潟2歳S(G3)(芝1600m)

美浦の素質馬同士によるハナ差の激闘を制したのはミュゼスルタン(牡2、美浦・大江原厩舎)。一昨年にザラストロがマークした記録を0秒1更新する、コースレコードのオマケ付きとなった。

「無理に位置を取りにいくような気もありませんでしたし、馬のリズムで走らせてあの位置から運びました」と柴田善臣騎手。その言葉通り、道中は中団やや後ろのインで待機。人気を分けあったアヴニールマルシェ、ナヴィオンをさらに後方に従える形でレースを進めた。

センスが光ったのは4コーナー過ぎ。外へ進路を求める2頭に対し、ミュゼスルタンは馬群を割る形で直線へ。馬場の真ん中から残り200mでニシノラッシュを交わし先頭に立つと、最後は外から懸命に迫ったアヴニールマルシェを僅かに凌ぎ切った。「直線でニシノラッシュが頑張っていたので、それに併せていって楽に勝てるかと思っていましたが、交わしてから遊ぶところを見せて、そのときに外から来られてヒヤッとしましたよ」と、笑みを浮かべながら大接戦のゴール前を振り返った。

柴田善臣騎手

馬群の中でしっかりと折り合い、上がり最速の末脚でまとめたデビュー戦のパフォーマンスで、一躍注目の存在に。この中間、陣営からは“ちょっとモノが違う”“自信もある”と勝利を意識したコメントが何度も飛び出していた。「動きが軽くなってきたのは分かっていましたし、返し馬で“これなら良いレースができる”と確信しましたね。自信を持って臨めましたよ」と関東が誇る大ベテランもその素質に惚れ込んでいる様子。

「まだ子供っぽい部分はあります。もっと良い馬になると思いますし、上手く育っていってくれれば良いですね」と注文を付けるのも忘れなかったが、これも大きな期待の裏返しだろう。昨年はハープスター、イスラボニータのワンツー決着。3年前にはジャスタウェイが2着に入るなど、G1への登竜門として定着しつつある一戦を制覇。今年の新潟の長い直線は、どのような未来へと繋がるか。早くも暮れのG1、そして来年のクラシックが待ち遠しい。

ミュゼスルタン