プリメラアスールがハナ差辛抱してデビュー勝ち!!

プリメラアスール

14年9月28日(日)4回阪神6日目5R サラ2才新馬(芝外1600m)

プリメラアスール
(牝2、栗東・鈴木厩舎)
父:スペシャルウィーク
母:リメインフォレスト
母父:アジュディケーティング

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パドックで、そして馬場入りした時にチェックをする。両方ともにいいのはメイショウワカアユ。しかし馬がうるさい。返し馬での雰囲気のいいのがシャッターチャンスとプリメラアスール。おとなしくてしっかりしたフォームで走っていく。
好位の内で脚を貯めていたプリムラアスールが、猛追したシャッターチャンスをしのいで勝った。惜しむらくはメイショウワカアユ。4角を廻って一旦は先頭のシーンもあったが、最後はフラフラしてしまい、せっかくの勝機を逃した感じさえもあった…。


関東の新馬戦ほどではないけれども、新馬戦は大方、上がり勝負の決着となる。ここもマイルの外廻り戦。1000m通過が1.01.0と、外から先行したカノヤカンザクラ横山典Jがレースを造る。最後方はザフッィーロ。まだまだ緩くてと、武豊Jが言っていた馬である。その少し前を、同じデザインの勝負服、シャッターチャンスが行く。パドックを出る時は1番人気だったはずだ。
勝負は直線に入ってからで、ラスト300mからの決め脚。好位の5番手で進めていたプリメラアスールが、いい感じで先行馬達の外へ出してきた。その外へメイショウワカアユが一気に脚を使って迫ってくる。
ラスト200のハロン棒を過ぎるあたりで、外のメイショウワカアユが先頭か。内のプリメラアスールが我慢しているが、外へ出してきたシャッターチャンスと、一番外のエイシンバッケンの伸び脚もいい。メイショウワカアユを間にして、プリメラアスールとシャッターチャンスが、鼻づらを揃えてゴールに入った様だ。

PVを見上げる。4角で、エイシンバッケンがやや外へ逃げ気味なのが判る。そしてメイショウワカアユである。パドックからうるさかったが、レース前にうるさくとも実戦では大丈夫と言う馬が多い。この馬は実戦でも荒い面、いや若さと言った方がいいのだろう、それを出し過ぎた。ハナ、クビの3着という僅かな差だっただけに、まともなら勝ちも当然にあったかも。
そのメイショウワカアユがフラついた点で、追いこんできたシャッターチャンスも勝ちを失った感があった。スムーズだったら、この馬が勝者だったかもなのであった。だが、だからこその新馬戦なのである。また、まったく力を出すことなく終わったザッフィーロの様な事もある。まだまだ今日が長い戦いの第一歩なのであるから。あのダービー馬、ワンアンドオンリーもデビュー戦は16頭だての10着であり、3戦目に未勝利を勝ったのであるから…。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。