ブルドッグボス、初陣を楽に勝ち上がる

ブルドッグボス

14年10月19日(日)4回京都5日目4R サラ2才新馬(ダ1200m)

ブルドッグボス
(牡2、栗東・西浦厩舎)
父:ダイワメジャー
母:リファールカンヌ
母父:デインヒル

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ものの違い。そんなひと言の表現でよかろうと思える、ブルドッグボスの素質の高さである。“西浦厩舎にブルドッグボス有り”の情報は、随分と前から知っていた。デビューがいつになるのかも師に訊いていた。そして蓋を開ければ圧倒的な1番人気の支持。1週前の坂路で、2歳馬らしからぬ上がりの秀逸なものを見せていたから当然であろう。
そして実戦も、噂にたがわぬ走りでラスト1ハロンから後続を離す一方での楽勝劇。次なるステージへと、すでに動き出した様である…。


10分前の東京競馬の新馬戦4Rで、加藤征厩舎ランディングバース菱田Jで勝った。そこも5馬身差の圧勝だったが、専門紙の稽古欄を読むと、追い切り日に美浦まで駆けつけて乗っているのを知る。そして栗東でも、このブルドッグボスに勝浦Jが稽古に跨っていた様子である。勝浦Jの場合は、もみじSで同じ西浦厩舎のアルマワイオリにも稽古に乗っていた。
2頭とも強烈な印象で勝ったが、ブルドックボスはただ単にダートからのデビューであって、芝がダメとかの問題ではないと思う。エルコンドルパサーやアグネスデジタル(新馬戦は2着だった)が、ダートデビューから芝で大きく羽ばたいて行った例に似ていると思うのは私だけであろうか。

ゲートを出て最初の1Fは、ファーマベリーが行く気だっただけに並んで抜かせない。その後は相手がやや控え気味。再び並び加減で来た3F手前だったが、36.7とマイペースでのもの。4角ではファーマベリーが外へ張り気味となって流れ加減。そのポカっと開いた内へタマモワカサマが入ってきてブルドッグボスに迫っていくが、そこは勝浦Jが待っていた感じで、来た時に追い出していく。しかしそれもノーステッキでのもの。後ろを気にもせず、そして追いもせず加速していった。36.7~36.8と、前後半がほとんど同じペースで走り抜けた。
4角で外へ流れたファーマベリーの外から追い上げる不利となったタマノベレッツァが3着。3連単では630円と、すごく堅い決着であった。

ブルドッグボスは、菊花賞の日のなでしこ賞へエントリーしてきた。そこを勝てば11月26日の《兵庫ジュニア・グランプリ》へ進められるかも知れない。これは、厩舎の大先輩であるケイアイレオーネと同じ歩みでもある。そんなプランが進んでいる様子だ。私としてさらにその先、芝での走りがどんなものかを楽しみにしたい。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。