【菊花賞】ワンアンドオンリー二冠へ邁進!「風格が出てきた」

22日、菊花賞(G1)の追い切りが栗東トレセンにて行われた。ダービー馬ワンアンドオンリー(牡3、栗東・橋口厩舎)は横山典弘騎手を背に坂路で、ダノンマックインとの併せ馬。雨の影響が残るコンディションの中、後半は徐々に遅れを取るパートナーを尻目に、最後まで力強いフットワークでフィニッシュ。時計は4F53.0-39.2-26.2-13.4秒をマークした。

「先週は乗っていませんが、前走の追い切りより格段によかったです」と横山典騎手も納得の動きを披露。

その前走、神戸新聞杯では直線で早め先頭から、一度は外のサウンズオブアースの伸びに屈しそうになるも、ゴール寸前で差し返しての勝利。仕上がり途上とはいえ、ダービー馬の貫禄をまざまざと見せつけた。

「あとは馬の力を思う存分に僕が引き出せれば。自分との戦いだと思っています」と主戦は本番への決意を表明。1970年タケホープ以来となるダービー・菊の二冠制覇に向けて、調整は至って順調だ。



ワンアンドオンリーに騎乗する横山典弘騎手の一問一答は以下の通り。

●神戸新聞杯は「よくあれで勝ったな」という状態

-:今日の動きは、乗ってみて感触はいかがだったでしょうか。

横山典弘騎手:先週は乗っていませんが、前走の追い切りより格段によかったです。

-:休み明けを1回使って、その辺りを確認したい、ということだったのですが、合格点を与えられる内容だったのでしょうか?

横:そうですね。どちらかというと、使って良くなるタイプだと思っていたので。春もそうでしたし、使いながら良くなるだろうと。前走は休み明けの分、やっぱり攻め馬も、先生(橋口弘次郎調教師)も「あまりいい動きをする馬じゃないから」と言っていたのですが、よくあれで勝ったな、という感じでした。あんな状態でも、外から来られてもうひと伸びして我慢できたというのは、やっぱりダービー馬だな、と思いましたね。確かに一回使って、グッと良くなりました。

-:直線で並ばれてからも本当に強かったですね。

横:そうですね。見ている人や乗っている方は、ヒヤヒヤしているけど、馬自体はけっこう余裕があったみたいですね。

-:レース運びという部分では、ダービーで前に行って、前走は後ろから行ってと、レース運びにも幅が出た印象があるのですが。

横:幅が出た……まあ、どうなんですかね。この間は一応ステップレースだったので、本当に馬の行く気に任せる感じでした。もともと少しおっとりしているところもあるし、最終もああいう競馬だったので、まあ、あまり無理せず急かさず。

-:前走は体重だけ見ますと、マイナス4キロということだったのですが、精神的、そして体の成長というのは、ひと夏越していかがだったでしょう。

横:ダービーが終わった後に大山に見に行って、その時はすごく風格があったのですが、前走は相変わらず休み明けの分、装鞍所とパドックではちょっとイライラしていました。でも、返し馬が終わってから落ち着きました。体的には、もう少しふっくらしているのかなと思いましたが、何も問題はなかったです。

-:風格というお話がありましたが、横山ジョッキーから見て、どういうところに風格を感じられたのでしょうか。

横:言葉ではちょっと表せないです。

●コースよりも「自分との戦い」

-:さあ、淀3000mという初めて挑む舞台になりますが、横山ジョッキーはセイウンスカイで勝っていらっしゃいます。ポイントとなるところはどんなところなのでしょうか。

横:順調に出られる、というところが一番じゃないですか。コース自体はどうなんですかね。

-:ダービー馬になって迎えるレース、G1、頂上決戦ということなのですが、そういった部分での気持ちの違いというのはありますでしょうか?

横:いや、別にないですね。いつも通り無事出てきて、あとは無事走らせれば結果は自ずとついてくると思っているし、僕がどうのこうの思っても、馬次第だと思うので。

-:馬の走りたいように、馬の気持ちを大事にということなのでしょうか?

横:そうですね。

-:ダービー馬として堂々と臨むということなのですが、ライバル関係はどのように見ていらっしゃいますか。

横:いや、もう自分との戦いだと思っています。

-:橋口調教師も定年が近づいていますけれど、その橋口調教師と挑む菊花賞という部分ではいかがでしょうか。

横:先生ももうすぐ定年ですし、残りのトレーナー生活は短いですけど、ずっと良い結果で定年まで迎えてくれればいいな、と。馬に頑張ってほしいと思います。

-:最後の一冠に向けての思いを最後にお願いいたします。

横:本当に順調に来ていますし、あとは馬の力を思う存分に僕が引き出せれば、良い勝負になると思うので、応援よろしくお願いいたします。