お騒がせ男・スミヨンも驚愕!エピファネイア衝撃の4馬身差圧勝

11月30日(日)、5回東京9日目11Rで第34回ジャパンC(G1)(芝2400m)が行なわれ、C.スミヨン騎手騎乗の4番人気・エピファネイア(牡4、栗東・角居厩舎)が優勝。勝ちタイムは2:23.1(良)。

2着には4馬身差で3番人気・ジャスタウェイ(牡5、栗東・須貝尚厩舎)、3着には半馬身差で6番人気・スピルバーグ(牡5、美浦・藤沢和厩舎)が続いて入線した。
1番人気に支持されたジェンティルドンナ(牝5、栗東・石坂厩舎)は4着に敗れた。


スイッチが噛み合えばこれほどに強いのか。WSJSのスポット参戦のため来日したスミヨン騎手と、一時期の勢いに陰りが見えていた上、主戦が他の馬への騎乗を選択したことで、鞍上が空白となっていたエピファネイア。偶然が重なって結ばれた荒くれ者コンビが、10万人超の観衆を大いに沸かせる圧勝劇を演じてみせた。

数多の名馬の背中を知るスミヨン騎手をもってしても「レース前からかなりイレ込んでいて、馬場入りした時には落ちるかと思った」と初めてコンビを組むパートナーに大苦戦。道中も呼吸はピッタリかのように映ったが「“6,7番手の辺りに付けてほしい”と指示されたが、それは無理だなと。コーナーごとに馬を抑えるつもりが、それもままならなかった」と振り返ったように、常に紙一重の状態で勝負所へ。

「本当は直線に入って100mくらいは抑えるつもりだったんだけど、あまりに行きたがるから仕方なく行かせた」と振り返った鞍上の意に反し、エピファネイアはみるみる後続との差を広げて独走態勢に。「普通はひと息、あるいはふた息は入れないと2400mは到底持たないペース。それがまるで全く疲れていないかのように弾けてくれた」と舌を巻いた。

スミヨン騎手

スミヨン騎手

この日は6Rで規定の負担重量をオーバーし制裁を受けるなど、時に周囲を騒がせる場面も見せるスミヨン騎手。エピファネイアの騎乗が決まった際には自身のTwitterにて「凄いfilly(牝馬)に騎乗が決まった!」と、勘違いとともに喜びを表現していたが、「ポカをやらかしても、日本のファンがたくさん僕の元にアクセスしてくれて、インターネットを経由して近くで応援してくれていた」と感謝の意を示し、「今は体重調整も大変で、“短期免許を取得して日本で乗る”とは言えないけど、(社台グループの)吉田一家がサポートしてくれて、日本のファンが歓迎してくれる。本当に嬉しいこと」と日本競馬への想いを明かしてくれた。

会見中に飛び出した「たった1週間、いや今週末だけの来日でこれほど強い馬に乗せてもらえた。僕は世界一幸運なジョッキーだ」という言葉に、エピファネイアに対する賞賛と敬意が溢れている。今回は短期免許での来日ではないため、次走に予定されている有馬記念で騎乗できる可能性は限りなくゼロに近い。「ライセンスは僕の手だけではどうしようもできない。乗れるなら乗りたいよ」の言葉は嘘偽りのない心境だろう。大きな衝撃を残してくれたこのコンビが再び巡りあう可能性を夢見ながら、人馬のさらなる活躍を期待したい。

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エピファネイア
(牡4、栗東・角居厩舎)
父:シンボリクリスエス
母:シーザリオ
母父:スペシャルウィーク
通算成績:12戦6勝
重賞勝利:
14年ジャパンC(G1)
13年菊花賞(G1)
13年神戸新聞杯(G2)
12年ラジオNIKKEI杯2歳S(G3)

スミヨン騎手

スミヨン騎手