新装・中山は芝コースの路盤を改修 グランプリロードが新設

12月2日(火)、新装された中山競馬場の内覧会が行われた。

昨年12月から約11ヶ月にわたり行われた工事は、クリスタルコーナーを整備し、「馬のハナミチ」を新設。それに伴い、勝馬整理エリア、ウィナーズサークル、検量エリアも拡張された。また、芝コースの大規模な馬場路盤工事も実施されている。

馬のハナミチはパドックと芝コースをつなぐ90mに及ぶもので、「グランプリロード」と名付けられている。レース後は全馬がこの通路を通って退場するため(馬場入場時においては芝のレースのみ)、柵越しに人馬の様子を感じることができる、臨場感あふれる設計となっている。船橋市の非公認キャラクター・ふなっしーと共に馬車に乗って、グランプリロードを一周した武豊騎手が「本当にヨーロッパの競馬場のようですね。馬との距離も近いですし、馬の迫力を感じてくれれば」と語れば、蛯名正義騎手も「馬の息や汗も感じられるだろうし、有馬記念や皐月賞などの大きいレースでも注目していただきたいですね」と歓迎。生まれ変わった中山競馬場に期待を寄せた。ただし、有馬記念(G1)の馬場入りはグランプリロードを使用しない予定となっている。

一方の芝コースは全面的な路盤工事が施工された。JRA全10場の中でも最も水はけが悪いとされている排水性を改善することが最大の目的で、直線では内側から約18m、3~4コーナーは内側11mに及ぶ部分が、路盤の下に粒の大きさが揃った単粒砕石層と呼ばれる石の層を敷き、芝の張替え作業も行われた。また、特に水はけの悪かったゴール前200m付近、外回り2コーナー内側、外回り3コーナーの内などに配水管を設けた。

芝の路盤に手の加わっていない部分にはバーチドレンにより、馬場に穴を開けることで柔らかくしており、外から水はけの良い内に水分が流れることで、均等な馬場状態が保たれる見込みのようだ。武豊騎手も「まだ乗っていないので、どんな馬場になるかわからないけれど、皐月賞の馬場は良くなかったからね。これで良い馬場でレースができれば」とコメント。残念ながら有馬記念当日まで、中山での騎乗を予定していないが、新たな馬場での騎乗を心待ちにしている様子だった。

12月6日(土)から始まる年内の中山競馬は、8日間の開催日程、全96レース中、平地の芝のレースは45鞍で行われる。よりダイナミックな競馬観戦が期待できる中山が、年の瀬の競馬界をますます盛り上げてくれそうだ。

中山競馬場

ウィナーズサークルも以前より倍の大きさに拡張された


中山競馬場

観戦エリアから見渡せる検量室


中山競馬場

時季の影響もあり、洋芝が約10cm弱の芝丈 ソフトな馬場状態となっている


中山競馬場

中山競馬場