【朝日杯FS】心肺機能に自信ありブライトエンブレム

17日、朝日杯FS(G1)の追い切りが栗東トレセンにて行われた。ブライトエンブレム小島茂之調教師が自ら跨り、CWコースでの3頭による併せ馬で6F83.4-68.3-53.6-39.8-12.5秒をマークした。ラスヴェンチュラスの1馬身後方からスタートし、その後ろにはダノンプラチナが追走。ダノンプラチナにはクビ差遅れも脚色は見劣らなかった。

「元々、柔らかいところの走りが苦手なんですよ」と小島茂調教師が言うようにノメるシーンが見られるなど、見栄えは決して良くない追い切りとなった。しかし、他馬との違いは息の入りだ。「息の戻りは併せた他の馬たちより良かった」と自慢の心肺機能は目には見えない大きな武器となる。

前走後はそのまま放牧に出されたが、牧場でも十分に乗り込んできた。このレースに照準を合わせ、1ヶ月前から栗東に滞在。普段とは違う、慣れない環境にも「凄く早く対応してくれた」と調整に支障はなし。万全の態勢でレースに臨めそうだ。

最大の目標は先にあるが、重賞ウィナーとして、ブラックエンブレムの仔としての期待は大きく膨らむ。無敗の2歳王者誕生へ。準備は着々と進んでいる。

ブライトエンブレム

CWコースで小島茂調教師が騎乗 強めで6F83.3-67.9-53.3-39.7-12.5秒をマーク
ダノンプラチナを先行する形でアタマ差遅れたブライトエンブレム(外)




12月21日(日)に行われる朝日杯FS(G1)に向けての最終追い切りが、栗東トレセンにて行われた。
ブライトエンブレムを管理する小島茂之調教師の一問一答は以下の通り。

●1ヶ月前に入厩

-:まずは前走のレースぶりから振り返っていただけますか?

小島茂之調教師:ゲートが一時期悪くなる血統なので、注意はしていたのですが、やはりゲートの中でちょっとガタガタしまして、出負けした時に“札幌でこの位置からでは無理かなと。入着していいところを見せてくれて、来年楽しみだね、という感じになってくれればいいな”と思っていたら、あのパフォーマンスだったので、本当に驚きました。えらい馬をやることになったな、という感じでしたね。

-:そのレース後の様子はいかがでしたか?

小:もともと息の入りがいい方で、心臓がいいのですが、その時も凄く息が良かったですし、まだまだこれは良くなるなという感じはしました。

-:今回少し間を取られましたが、この間の調整はどうされていたんですか?

小:札幌からそのまま北海道の牧場で放牧して、順調に乗っているということだったので、暮れのG1を狙ってみようと。戻す日程と栗東に滞在させてもらうという予定を組みまして、ちょうどひと月前に栗東に入って、ジックリ調教してきました。

-:栗東に入ってからの調整はどういった調整をされていたんですか?

小:こっちに来ると環境に慣らしたり、起伏、勾配のキツい逍遥馬道に慣らしたりと時間をかける必要があるのですが、この子は凄く早く対応してくれたので、他の古馬達と一緒に普通に調教できてますね。

-:馬の性格というのは、頭のいい馬になるんですか?

小:我慢しているんですよね。凄く行儀が良くて、跨がってみると“本当は暴れたいな”“本当は嫌だな”とか、色々なものを伝えてくるのが、それを表に出さないで、ジーッと“あ、我慢しているな”という感じですね。

-:気性的にはおとなしいですか?

小:2歳レベルでいったら、おとなしいと思います。

-:レースになるとピリッと引き締まって。

小:そうですね。ちょっと引き締まりすぎて、ああやってゲートで嬉しくて暴れちゃったりするんですけど。

●どんな結果も受け止めて来年へ

-:それでは、今日の追い切りをお伺いしたいのですが、内容、指示を教えていただけますか?

小:自分で乗りまして、先週末坂路でやっているので、最終追い切りはウッドコースで。もともとちょっと柔らかいところの走りが苦手なんですよね。思ったよりウッドコースの馬場状態が悪かったので、少しノメったりしながら最後はアップアップしてましたが、息の戻りもやはり併せた他の馬達より良かったですし、ちょうど負荷がかかって、なおかつやり過ぎずで、うまくいったと思います。

-:このレースに向けて満足のいく仕上がりになったといってよろしいですか?

小:はい。今、追い切ったばかりなので、このあと午後に歩様をチェックしたり、明日の状態とかを獣医さんにチェックしてもらったり、という工程を含めてになりますが、現時点ではうまくいったと思います。

-:今回は阪神コースで距離が1600mとなります。この点はいかが思われますか?

小:新馬で1600を勝ってくれているので。ただ、これから先々はもっと長い距離で頑張ってもらいたいなと思うので、本当に1600でどういう走りをしてくれるかというのは、やってみなければ分からないのですが、1600で強いメンバーに入って自分の競馬が出来た時に、どれくらいの着順に来るのかということを、今回見てみたいと思うので、その中で同じような強い競馬が出来ればいいなと思います。

-:やはり相手関係も強くなってきますが、この点どう思われますか?

小:今までがこちらの想像を超えたような走りで勝ってきてくれているので、出来れば今回も同じようなパフォーマンスを見せてもらいたいなと思います。

-:お母さんがブラックエンブレムということで、やはり期待も大きいでしょうか?

小:そうですね。2歳のこの時期はあまり無理したくないのですが、でも、お母さんが自分のところにいた馬で、お母さんはこの頃には無理できなかったですから。それがこうやってしっかりした息子が出てきて、自分のところの縁ある血統で、そんなに無理したくない時期なのに無理が出来るというか、突っ込んだ調教が出来るというのは、本当に感慨深いというか……。同じ走る馬をやるのでも、自分の厩舎で大きいところを獲らせてくれた馬で、狙いに行けるというのは本当にありがたいことですね。

-:お母さんもそうですし、このブライトエンブレムも一線で頑張ってほしいですね。

小:まだまだ目標は先にあると思うので、今回出た結果とか、課題が出たら課題。いい結果でもどんな結果でもそれを受け止めて来年に繋がるようにしていきたいなと思います。

-:それでは最後にファンの皆さんにメッセージをいただけますでしょうか?

小:2戦無敗でG1に向かえるということはなかなかあることじゃないので。ホントしっかりと調教も積んで来れましたし、ブライトエンブレム自身も頑張ってくれると思うので、皆さん応援よろしくお願いします。