【有馬記念】生粋の淀巧者トーセンラー ラストランへ攻めの姿勢貫く

24日、有馬記念(G1)の追い切りが栗東トレセンにて行われた。トーセンラー(牡6、栗東・藤原英厩舎)は武豊騎手を背に朝一番の坂路に登場。一杯に追われた終いの鋭さは健在で、4F53.6-38.2-24.5-12.4秒をマーク。併走相手を務めたヘミングウェイを相手に先着を果たしている。

「動きはそう変わらないかな。でも、厩舎からは『今回は攻めている』と聞いています」と名手の口ぶりは至って滑らか。若駒の頃から「走りがディープインパクトに似ている」と評し続け、自身のG1通算100勝目をもたらしてくれた愛馬のラストランに向けて、静かに闘志を燃やしている様子。

一度は袂を分かちながらも、再びタッグを組みG1制覇まで登り詰めた人馬だが、このコンビでは初の中山参戦。それでも「距離はベストとはいえないけど、中山コース自体は問題ない。あとは相手関係が鍵になるね」とパートナーへの厚い信頼を示した。

放牧先で東日本大震災に遭い、一度は大きく体調を崩したこともあったトーセンラーが、G1馬としての誇りを胸に引退レースへ。淀を愛し、淀に愛された個性派ホースが、遠く離れた中山の地で特大の一発を狙っている。

トーセンラー

朝一番に追い切られたトーセンラー(写真中央)


トーセンラー

トーセンラー

1週前はコースでの追い切り