名コンビ 田中健Jとアンバルブライベン、今年もまず1勝!!

アンバルブライベン

15年2月1日(日)2回京都2日目11R 第20回シルクロードS(G3)(芝1200m)

アンバルブライベン
(牝6、栗東・福島厩舎)
父:ルールオブロー
母:チェリーコウマン
母父:スプレンデイドモーメント

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朝から小雪が舞ったりと、寒そうな京都競馬場。画面でしか見れないが、スタンド内はかなり風が通りぬけているのだろうなと思う。しかし6ハロンのレースは熱い。アンバルブライベンが迷う事なく先手を主張。ニザエモンの意外な併走に驚いたが、終いの脚が確かなのもアンバルブライベン。直線に入っても脚色は衰えず。むしろ一旦は1、2馬身近く後ろを引き離した。さすがにゴール前はド、ドッと後続も急接近してきたが、田中健Jの水車(の様な)ムチでゴール板を真っ先に飛び込んだ。これで8勝目。5戦目から手綱を握る鞍上とは、21戦で7勝目の名コンビである。


東京競馬場でライブで競馬は観ていた。アンバルブライベンの勝利はある意味、予測ずみだった。鋭い逃げを武器とするアンバルブライベンだが、稽古で坂路を23.9~11.7で駆け抜ける脚力なのである。京阪杯の重賞初勝利の時でも逃げていて、なおかつ上がりを33.6で上がってしまう馬なのである。その馬がこの時期で坂路で終い、切れに切れているのだから、力を出し切れば勝てるだろうとの見立ては当然だ。着差は1馬身に満たないものながら、余裕さえ感じられるものだった。2着、サドンストーム。3着セイコーライコウ。《終いに賭けたんだ》と、レース後の感想だった。

そして時を経て火曜の朝、レースのビデオをじっくりと見る。するとセイコーライコウは五分に近いゲートの出だったが、最初から下げて内へ入れる意志を持っていた様子。すぐに内へと入れていく。最後方ながら、内ラチにピタっと喰っついて坂を下っている。その眼の前にいたのがサドンストーム。枠なりに当然の乗り方だろう。

バクシンテイオーヘニーハウンドと同じ勝負服の馬も、内ラチ沿いを通っている。ベルカントマジンプロスパーが好位の3、4番手で、先手を主張しなかったブルーストーンがそのすぐ後ろ。エイシンブルズアイは中団の外目。悪くない行きっぷりだ。2番手のニザエモンとは間が少しだけ開けて走れている分で、アンバルブライベンにはそう負荷がかかっていなかった様子。
4角を廻ってそのニザエモンの併走もいなくなる。ラスト300のオレンジ棒を期に追い出した田中健J。11.1のラップの処である。さすがに最後は11.7で後続が急接近してきてはいるが、アンバルブライベンの鞍であった。

外へ出したベステゲシェンクが、ゴール前ではかなり目立つ脚を使っていながらも4着。ブルーストーンも、この競馬でも終い伸びてきていてバクシンテイオーに続く6着だった。案外だったのがエイシンブルズアイ。9着と直線でも伸びる気配を感じなかった。難しい馬である。サドンストームは4角で内から外へ出していった。一瞬だけ開くのを待つ瞬間はあったが、まずまず伸び脚は出せた。セイコーライコウはバクシンテイオー、ヘニーハウンドのすぐ横を通り抜けていき、さらに前の馬との僅かな隙間を体をねじ曲げながらの進出で脚を伸ばして行く。サドンストームの伸びには負けたが、勢いでは優るとも劣らずの脚。いいものを持っている。

さてアンバルブライベン。ルールオブローの子供である。そのルールオブローはキングマンボの子供。そうキングカメハメハと同じ年の生まれである。まさしくキングマンボの2月1日なのであった…。

平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。