【3回阪神】デアリングエッジ…小平奈由木の注目新馬レポート

デアリングエッジ
(牝2、栗東・河内厩舎)
父:キングカメハメハ
母:デアリングハート
母父:サンデーサイレンス

2年連続してチャンピオンサイアーに輝き、ディープインパクトの登場後も勝ち鞍を伸ばし続けるキングカメハメハの産駒。現3歳ではレッツゴードンキ(桜花賞)、ドゥラメンテ(皐月賞、ダービー)がクラシック制覇を成し遂げた。コンスタントに勝ち上がるうえ、豊富な成長力にも定評があり、ローズキングダム(朝日杯FS、ジャパンカップ)、ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世C)、アパパネ(阪神JF、牝馬3冠、ヴィクトリアマイル)だけでなく、スプリント部門へはロードカナロア(スプリンターズS2回、香港スプリント2回、高松宮記念、安田記念)、ダート路線にベルシャザール(JCダート)、ホッコータルマエ(かしわ記念、帝王賞、JBCクラシック、東京大賞典)、ハタノヴァンクール(ジャパンダートダービー、川崎記念)、タイセイレジェンド(JBCスプリント)と、様々なカテゴリーに一流馬を送り出している。この世代からも大物の誕生が待たれる。

母デアリングハート(その父サンデーサイレンス)はクイーンS、、府中牝馬S、府中牝馬Sと重賞を3勝。NHKマイルCを2着、桜花賞でも3着に健闘した。同馬の叔父にエクトンパーク(米G1・スーパーダービー、同G2・ジムダンディS)、ピットファイター(武蔵野S、アンタレスS、マーキュリーC)らがいる。社台サラブレッドクラブにて総額2400万円で募集された。
社台ファームでは調整進度の早いグルーブに属し、小気味よいフットワークを見せていた。2月12日に山元トレセンへ移動してペースアップされた。4月5日、トレセン近郊のグリーンウッド。トレーニングに移動。5月13日の入厩に備えた。27日にゲート試験をクリア。スマートなボディだけに、スピーディーに出走態勢が整った。初戦向きの個性であるとともに、先々まで夢がふくらむ。

6月21日(日)、阪神の芝1600mでデビュー。普段の稽古から熱心に跨っている岩崎翼騎手で。


小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。