中距離王へ第一歩 異例のレース選択を力で証明したアンビシャス

●7月5日(日) 2回福島2日目11R 第64回ラジオNIKKEI賞(G3)(芝1800m)

デビューから2連勝のあと、共同通信杯、毎日杯で連続僅差の3着。そして前走はダービートライアルのプリンシパルSを快勝。出走していればダービーの大舞台でも上位人気に支持されていたかもしれない断然の実績を持っていたアンビシャス。1番人気、トップハンデの馬にとって鬼門のこのレースも3馬身半差の快勝。56.5キロはこの馬にとっては軽すぎたかもしれない。

道中はちょうど真ん中当たりの位置を追走。「本当はもう少し前に行きたかったですけど、スタートが速くなくてあの位置からになりました。ただ、ペースが流れてくれたので、結果的には中団からで良かったです。馬もリラックスして走っていました」とレースを振り返るC.ルメール騎手の舌も至って滑らか。楽な手応えのまま3コーナーからポジションを上げていくと、直線では1頭だけケタ違いの脚で後続を完封。「経済コースを通りたかったので内を回りましたが、上手くスペースがあいて良い脚を使ってくれました」と全くスキのない騎乗で重賞初制覇へ導いた。

優先出走権を持ちながら敢えてダービーをパス。異例のレース選択で注目されたが、終わってみればその選択は大正解。クッキリと秋の王道も見えてきた。「普段はジャンプをしたり元気過ぎるところを見せますが、今日はリラックスしていて良い雰囲気でした」と鞍上は精神面での成長にも手応えを掴んで大収穫の一戦。故障で戦線を離脱したドゥラメンテに代わる3歳馬の主役へ。何とも楽しみなスター候補が誕生した。

アンビシャス

アンビシャス

アンビシャス

▲福島初参戦のルメール騎手は土日で6勝の大活躍