またまた大物、ワクワクする様な切れ味!マカヒキだ!!

マカヒキ

15年10/18(日)4回京都5日目5R 2歳新馬(芝外1800m)

マカヒキ
(牡2、栗東・友道厩舎)
父:ディープインパクト
母:ウィキウィキ
母父:フレンチデピュティ

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土曜の紫菊賞で、シルバーテーストが秋のいいスタートを切ったばかり。ところがその勝利が霞むほどに切れのある処を見せつけたのが、マカヒキ。《ハワイの収穫祭》の意味があるらしいが、何せスケールが違っていた。
ゆったり進む流れで、前に4頭ぐらいを置く絶好の位置で進める。直線入口から何もせずに前の馬を交して行く時の素早いこと。M.デムーロJの手綱はビクともせず。むしろゴールに入る前に、右手で馬のたて髪を愛撫してあげる程の余裕なのである。馬を停める時には、空を仰いで神に感謝のシーンまで観られた。


いろんないい馬に乗っているM.デムーロJ。いったいどの馬が一番なのか、正直な胸の内を訊いてみたいものだ。パドックから馬を見ていて、マカヒキもエンヴァールもなかなかにいい仕上がり、いい雰囲気の馬である。
返し馬を陽だまりの中で観る。その時点でも、勝つのはマカヒキと判るぐらいだった。3着にどの馬かの興味だった。
こんなガチガチの馬券は買う気がしない。エンヴァールもいい脚を使って迫ってきた。しかし前を行く馬の勢いが素晴らしくて、追いつく処でない。共に使った脚は33.5。レースの上がりが33.9とコンマ4も上廻るものだが、それを勝馬は馬なりでマークする。506キロと、ディープインパクト産駒のわりには大きい。稽古も実戦も走る。優等に優れた馬である。

失礼した。M.デムーロJは何もしないでではなかった。家でビデオを見直すと、4角入口で前の集団から外へ進路を取る時に、後ろ横の馬達をもチラ見している。そして先頭に立った3着のインディーズスルアーを交して行く時にも左後ろ、すなわち後ろから来るだろうルメールJのエンヴァールの位置を、またチラ見する。さらに先頭に立ったラスト1ハロン過ぎには馬場内のオーロラビジョンを瞬間に見たし、もう一度後ろを確認する様子さえ見れている。その間のラップが11.1~11.2と切れている時のパフォーマンスなのだ。気になるのは次なるステージ。

火曜の朝に、友道師に訊こうと思って坂路監視小屋に出向いたが、朝は見かけず。だが坂路の監視小屋の住人達からは《クラシックを意識できる器だな~》の声が出ていた。ただ後刻にデムーロ&ルメールのエージェントと話す機会があったので次はと訊くと、『いや~、鼻血がレース中に出ました、だから未定なんです』に愕然とした。
《いや~、ホンマにサラブレットってデリケートなんですな~》と思う瞬間でした…。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。