【菊花賞】実績最上位リアル矢作師「責任を感じている」

10月25日(日)に行われる菊花賞(G1)の最終追い切りが栗東トレセンで行われた。
追い切り後、リアルスティール(牡3、栗東・矢作厩舎)を管理する矢作芳人調教師の一問一答は以下の通り。

●最後の一冠へ満足な仕上がり

-:今日の調教の指示、ご覧になっての動きはいかがだったでしょう?

矢作芳人調教師:前半、馬の後ろに付けて折り合いを見て、最後の1ハロンだけ抜け出すという指示で、全くそのとおりの調教ができたと思います。

-:先週しっかり負荷をかけたと思うのですが、その動きに比べてと言いましょうか、万全の状態で送り出せそうですか?

矢:そうですね。先週の負荷が「強」とすれば、今週は「中」くらいで、自分の思い描いていたとおりの調教ができています。

-:ダービーの時は究極の仕上げをした、とおっしゃっていたのですが、今回もそんな仕上げでしょうか。

矢:そのつもりだったのですけどね、ダービーも。今回も仕上がりについては満足しています。

-:今回は距離が3000mに延びるわけなのですが、そういったことを意識されての中間だったのでしょうか?

矢:もちろんそれは、3000mを使うことは分かっているわけで。どの馬も未知の距離ですから、それに対応できるようにということは考えてやってきました。

-:具体的にこういう部分というのはお有りなのでしょうか?

矢:いかにロスを少なくするか、力まないようにするかということで、馬のバランスであるとかハミのかかり方という部分でしょうね。

リアルスティール

▲「能力が高い」とリアルスティールを評価する矢作芳人調教師


-:前走の神戸新聞杯を改めて振り返っていただきたいと思います。

矢:勝てると思っていたのですが、あれも競馬かなという感じで。常々、言っているのですが、1番人気だったのでファンの方には申し訳なかったですが、僕としては悲観していません。

-:骨折の影響などはもうなかったと見てよろしいでしょうか。

矢:それについては、全く何もないダービーからの休養と、骨折してからの休養というのは違いがありますので。その部分はありますが、そういった意味でも使った後の上積みは大きいのではないかと考えています。

-:ひと夏を越しての成長という部分ではどうでしょうか。

矢:体は大きく変わったというところはないですけどね、元々いい馬ですから。それでいいかなと思っています。

●「正攻法で行きたい」

-:距離が3000mに延びるのですが、レースのイメージとしてはどのようなものですか。

矢:競馬に関しては全て祐一君にお任せですけど、二人で話していることとしては、一番強いと思って正攻法で行きたいと。そう考えています。

-:改めて、この馬の強みというのはどう感じでおられますか。

矢:能力が高いところです。もちろん柔らかいとか、バネがあるかとか色々ありますが、やっぱり一番は本質的に心肺機能が高くて、能力が高いところと考えています。

-:レースを経験する毎に上積みがあるというか、しっかり吸収してくれていっているという状況ですが、この時期の3歳秋しては満足いく馬の成長と見てよろしいですか。

矢:だいたい思い描いていたとおりですが、まだまだ上が見えないというか、完成の域には達していないと思います。

-:皐月賞でもダービーでも7、8分という風におっしゃっていましたが、まだそのあたりの数字とはそんなに変わっていないという感じなのでしょうか。

矢:そうですね。まだまだ良くなるのに、と思う部分はあります。

-:距離が延びますが、折り合いという部分に関してはいかがでしょうか?

矢:それなりに対処してやってきていますので、そんなに心配はしていません。

-:矢作先生も1歳で見た時に「これほどのサラブレッドはなかなかいない」とおっしゃっていましたが、最初にそう思ったのは能力の部分なのでしょうか?

矢:その時点で能力は分からないですが、たくさんの馬の数を見てきて、その中で「自分の思い描いている走る馬」という理想像に非常に近いと感じました。

-:そのような馬と迎える最後のクラシックということになりますが、意気込みはいかがでしょうか。

矢:もちろん二冠馬がいない以上、ウチの馬が実績最上位となるわけで、それなりの責任を感じています。

-:春から本当にファンが多い馬だと思いますが、皆さんに向けて一言お願いします。

矢:なかなか思うような結果を残せていなくて本当に申し訳ないのですが、祐一君もスタッフも一丸となって精一杯仕上げてきました。現時点の持てる能力は十分出せる状況だと思いますので、何とか最後はひとつ勝ってG1馬にしてあげたいです。応援をよろしくお願いします。