【日本ダービー】対照的なエアスピネル、レッドエルディストで挑む笹田和秀調教師

25日、日本ダービー(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。
前走、皐月賞4着のエアスピネル(牡3、栗東・笹田厩舎)は、坂路で助手を背に終い重点の最終調整。ゴール前で強めに追われると鋭く反応して4F53.4-38.8-25.0-12.1秒をマーク。大きく先行した古馬500万のメイショウワカアユをアッサリ捕らえるなど、この中間も追われてからの伸びは目を見張るものがある。

また、青葉賞2着で出走権を手にしたレッドエルディスト(牡3、栗東・笹田厩舎)は、四位洋文騎手を背に坂路へ。こちらも終い重点でゴール前は強めに追われ、0.9秒追走した3歳未勝利のコウザンアプローチに0.1秒先着。4F53.4-38.9-25.0-12.0秒で、レース同様の鋭い末脚で登坂した。

早くから頭角を現していたエアスピネルと、年明けにデビューして大舞台に立つレッドエルディスト。対照的な2頭で挑む笹田和秀調教師。どちらも順調な仕上がりを見せており、一発の可能性を大いに秘めている。

エアスピネル

厩舎ゆかりの血統で大一番に挑むエアスピネル(左)


レッドエルディスト

「理想どおり」と調整過程に胸を張るレッドエルディスト




追い切り後、エアスピネル、レッドエルディストを管理する笹田和秀調教師の一問一答は以下の通り。

●ハイペースを踏ん張った皐月賞は価値ある一戦

-:まずは前走の皐月賞について振り返っていただけますか。

笹田和秀調教師:すごい風が吹いていて、その影響で普通ではないペースで進んだレースではなかったかと思います。その中で、リオンディーズとエアスピネルは前々で競馬をして、後ろから来た馬にやられたんですけど。それはペースの影響が大きかったと思うので、またダービーになれば違ってくると思います。

-:そこから中5週ですが、中間の調整はどのようにされてきましたか。

笹:そのまま厩舎において、1週間ぐらいは競馬の疲れをとる調整をしました。それから徐々に負荷をかけていき、今に至るという形です。

-:調教過程についてですが、まずは1週前から振り返ってください。

笹:1週前はジョッキーにいつも乗ってもらっているので、武くんに乗ってもらって、馬なりの良い調教が出来ましたし、今週はこっちで終い重点の良い調教が出来たかなと思います。

エアスピネル

-:今回はまた、新たなコースになりますが、いかがでしょう。

笹:皐月賞組とかはみんな初めてじゃないかなと思いますし、この馬もそういうところは全く動じないタイプですし、そのあたりの心配は全くしていません。

-:相手関係ですが、皐月賞組、それに新興勢力と、さらにメンバーが揃いますね。

笹:そうです。ダービーにふさわしいメンバーが揃ったと思います。

-:そんな中でどのようなレースをしていきましょうか。

笹:これもう皐月賞みたいに天候にも左右もされますし、ゲートを出てみないとわからないところもありますからね。後はジョッキーに任せて良いと思います。

-:ではダービーに向けて意気込みをお願いします。

笹:ゆかりの血統でダービーに挑めるということだけでも、楽しみにしているのですけれども、エアスピネルはまたチャンスもある馬なので、そのあたりも期待して競馬の臨みたいと思います。

●相手強化にもヒケを取らないレッドエルディスト

-:では、もう1頭、レッドエルディストについてもお話をうかがいたいと思います。青葉賞2着で権利をとりました。その前走はいかがでしたか。

笹:僕的には1着を狙っていたのですが、1頭前にいましたね。それでもちゃんと2着に入って、ダービーの権利が取れましたので、良かったなと思います。

-:ここ最近の成績をご覧になって、馬の成長振りはどうでしょうか。

笹:本当に、まだ徐々にという感じです。ちょっと成長がスローですが、まだ成長の余地が見られますので、そのあたりは本当に楽しみですね。

-:そこから中3週となりますが、中間の調整はいかがでしょうか。

笹:前走後とその前を比べると、今回のほうが疲れは少なかったので、調整は楽でしたね。

-:調教過程についても振り返っていただけますか。

笹:この馬は段階を踏んで週を追うごとに負荷をかけていけば結果を残してくれる馬なので、その理想どおりのローテーションの調教が出来たと思います。

レッドエルディスト

-:今回のコースは1度経験しているだけに、大きいのではないでしょうか。

笹:そうですね。1回経験していると言うのは馬もジョッキーも同じ考えでいけると思うので、そのあたりは大きいと思います。

-:やはりダービーですから、相手関係は強化されるという形になりますよね。

笹:そうですが、ヒケを取らない能力がある馬だと僕は信じていますから。楽しみにしています。

-:ここ最近のレースは後方からの鋭い脚が目立ちますが、やはりそのようなレースになりそでしょうか。

笹:そういう形で必ず最後に良い脚を使ってくれる馬なので、そういうパターンで進めていくとは思います。

-:後方で脚を溜めていく形に。

笹:脚を溜めるというより、まだ道中がずぶいから、後方に置かれてしまう形なんです。それでも最後はいい脚を使ってくれるので。

-:では最後に、意気込みをお願いします。

笹:もまれてきて、ダービーに出られるというのは馬にとっても光栄なことだと思いますし、持っている力を全て出し切れれば良いなと思います。