【安田記念】リアル矢作師「世界一の馬と戦えることにワクワクしている」

6月1日、栗東トレセンで安田記念(G1)の追い切りが行われた。前走ドバイターフで悲願のG1初勝利を挙げたリアルスティールは坂路でラングレー(古馬オープン)と併せ馬を行い、4F50.8-36.6-23.8-12.0秒という抜群の時計で好調子をアピールした。


追い切り後、管理する矢作芳人調教師の一問一答は以下の通り。

●人馬ともに大きな勝利となったドバイターフ制覇

-:安田記念に向かうリアルスティールですが、ドバイターフで待望のG1制覇になりました。リアルスティールにとっても、矢作調教師にとっても大きな勝利だったと思いますが、振り返っていかがでしょうか?

矢作芳人調教師:あの条件がベストではないかという事で、かなり早い時期からあのレースに照準を絞っていましたので、そのミッションが果たせたという事が非常に嬉しかったですね。

-:レースに向けて大きな戦略があったと。矢作調教師自身にとっても大きな勝利だったと思います。

矢:海外では勝てないのではないか、と言われたり、思ったりした時期もありましたので、スタッフにとっても自信になりましたし、とても大きな勝利だったと思います。

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-:大きな仕事をしたあと、帰国後の調整はどういう形だったのでしょうか?

矢:検疫を終えて、ノーザンファームしがらきの方に戻しまして、そこで中間も見に行きました。ドバイのレース直後は「かなり疲れているかな」と感じた部分もあったのですが、しがらきに戻った時にはすっかり立ち直っていましたので、その時点で安田記念という事を決めました。

-:厩舎に戻ってからはどういう形でしょうか?

矢:レース当日はテンションが上がる馬ですが、普段は素直で扱いやすいですし、そういう意味では気性面の成長も感じられますので、非常に順調に来ています。

-:先週の1週前もCWコースで長め。最後にサッと速めに追われましたが、その調整はいかがでしょうか?

矢:先導馬のペースが遅くて、もう少しやっても良かったのかなと思うのですが、その分、今日しっかりやってカバーできたと思います。

-:その後、日曜日も軽く追って、今日の最終的な坂路での調整は何が課題になりましたか?

矢:しっかり負荷をかけられる状態と判断したので、(福永)祐一くんには「追っておいてくれ」と指示しましたし、課題という点では抜け出してからフワッとするところがある馬なので、そこをしっかりと肩ムチを入れて修正してくれていました。

-:非常に時計が速くなりましたね。

矢:今日は坂路が全体的に速いかなと思いますけど、それでも見た目は楽そうなのに速い時計が出ているというのは好調の証なのかなと考えています。

-:昨年、3歳時と比べて変わってきた点はどういうところでしょうか?

矢:筋肉量ですね。明らかに筋肉量が増して、古馬の風格が出て来たというか、体型、筋肉的にもマイルから中距離の馬になってきているのかなと感じます。

●初のマイル戦、相手は世界一のマイラー、勝負の舞台は整った

-:初のマイル戦が強い相手とのG1での勝負となりますが、そこに向けての調整で何か変わって点はありましたか?

矢:相手に関しては考えるところではないので、調整に関してはこの馬のペースで、この馬がベストになるように仕上げるだけですから、その点については普段と変わらずやってこれたと思います。

-:東京のマイル戦。適性はどうお感じでしょうか?

矢:イメージではいいですよね。非常に合っているのではないかと。ドバイの千八が合っているのではないかと思った時のような感じです。

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-:かなりいいイメージが出来ている?

矢:そうですね。はい。

-:お兄さんのラングレーもマイルで成績を残しています。

矢:血統面を考えても最終的な適性はそこなのかなと。リアルスティールに関しては早い時期からそう思っていました。

-:東京競馬場では共同通信杯で、最後、力でねじ伏せたようなレースを見せてくれました。

矢:そういう意味でも東京コースというのはいい条件ではないかと思っています。

-:今、描いていらっしゃるレースのプラン、戦略はいかがですか?

矢:レースに関してはジョッキーに任せるだけなので。ただ、先に抜け出すのかなとイメージしています。

-:G1を海外で勝って、帰国初戦のG1。ファンも期待が大きいと思います。ファンに向けてひと言お願いします。

矢:うちの馬ももちろんですが、やはり今、世界で一番強いと思われる馬が出て来ますので、当事者にとっても非常にワクワクする面白いレースになるのではないと思います。相手はリスペクトしていますが、それを負かすために努力をしていますので、何とか負かせるように。他の馬も含めて、いい結果を残せるように応援よろしくお願いします。