外へ逃げながらも、しっかりと伸びるクライムメジャーがV!

クライムメジャー

16年7/24(土)3回中京8日目5R 2歳新馬(芝1600m)

クライムメジャー
(牡2、栗東・池江厩舎)
父:ダイワメジャー
母:クライウィズジョイ
母父:トニービン

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1週前のCWでの稽古で、アドマイヤミヤビが抜群の動きをみせていた。対する池江厩舎の2頭。坂路での仕上げ重点だが好タイムと、これまた甲乙つけがたい素質馬。最終日ながら、好素材の馬が揃った一戦となった。
結果はファンの勝ちで、1着から4着まで人気どおりの決着。荒々しい勝ち方、MデムーロJの左に握ったステッキに反応してしまったクライムメジャー。馬場の5分ぐらいにいたのが、最後は7分目ぐらいまで出てきていた。それでもしっかりとした前傾姿勢で、アドマイヤミヤビを抜かせない根性。まずはデビュー戦を制したといっていいのかと思えるものだった…。

稽古ではこのアドマイヤミヤビよりも脚色が見劣る僚馬が、先週に勝っていた友道厩舎。池江厩舎の馬が走るらしいと、先週の段階でも見聞きしていた。それでも目の前の稽古でその素晴らしい動きを見ていた当方としては、当然に勝利を信じてもいた。だがそれをも上廻るパフォーマンスで勝っていくクライムメジャー。世間は広いという事なのかも知れない。

ゲートを出た瞬間に、武豊Jメイショウカリンは終わってしまった。パドックから幼い面を感じていた馬だったが、ゲートをモッコリと出て、その後も闘争心に欠けた。
隣のクライムメジャーがいいスタート。まずはゲートセンスが光った。僚馬のソーグリッタリングが、二の脚良く前へと出る。しかしそれを制して先手主張はカシノスターダスト。1ハロンを過ぎるあたりで先頭となっていく。
クライムメジャーは、好発のわりにはその後が渋い感じ。好位の5番手に下げてのレースとなる。その内目にアドマイヤミヤビが続く。単騎逃げとなったカシノスターダスト。2番手のソリッターリングが並んできたのは、4コーナー手前。馬場のいいところを選んで前へと出てきた感じだ。

直線へ先頭で入ってきたソーグリッタリング。馬場の5分どころへ出してきた。それを追う様にクライムメジャーが前へと出てきた。MデムーロJの左ステッキが飛ぶ。2,3発入れたあたりでクライムメジャーが左、外へ一瞬だけ外へと流れる。ソーグリッタリングとクライムメジャーの間がパカっと開く。そこへ迷いなくアドマイヤミヤビが入ってきた。手綱を絞って追い出している前のクライムメジャー。さらに外へともたれている様だ。しかし鞍上のMデムーロJはオーロラビジョンをチラっとみている。最後は右の素手でクライムメジャーの、クビをポンポンと叩く。ステッキを使うと反応するから素手なのか、勝利を確認したからの愛撫なのか。ここは本人に聞いてみないと判らない事かも。3着には、内目をピスカデーラが入っていた。

大世帯の池江厩舎。2歳馬の総数もかなりのものだと推測するが、ここまで9頭がデビューして、2頭が勝ち上がった。負けている馬も、すぐにでも勝てそうな馬ばかり。新馬戦が早くなってきている昨今。それにすぐにも対応できている。
クライムメジャーは、最後の2ハロンが11.4~11.6の切れだが、ほとんどステッキも使わないでのゴール。若さをだいぶ覗かせてもいたし、相当なる素材かも知れない。まずはデビュー勝ちをして、次なるステージまでいろいろな面を自然と矯正されてくるものと思える。2着のアドマイヤミヤビも、すぐにでも勝ち上がれる素材と見受けた。
この時期でこのレベル。今年の2歳戦もまだまだ熱くなりそう…だ。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。