【スプリンターズS】ミッキーアイル音無師「何とかして古馬のG1を獲らせたい」

28日、スプリンターズS(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、高松宮記念2着のミッキーアイル(牡5、栗東・音無厩舎)は、助手が騎乗して、古馬500万のトルストイを相手に0.2秒追走。ラストまでビッシリと負荷をかけられるとグッとひと伸びして0.4秒先着。4F50.0-37.7-25.6-13.3秒の一番時計で登坂。終いはやや要したが、自己ベスト(49秒7)に迫る速い時計で2つ目のG1獲りへ挑む。

昨年のこのレースはラスト50mで力尽きて勝ち馬から0.2秒差の4着。春の高松宮記念も勝ったビッグアーサーにゴール寸前差されての2着と、あとわずかのところでビッグタイトルを逃してきた。音無秀孝調教師も「何とかして古馬のG1を獲らせたい」と帰厩後もハードな調教を課し、出来うる最高の仕上げを施してきた。今度こそ天性のスピードで他馬を圧倒したい。

ミッキーアイル



追い切り後、10月2日(日)に行われるスプリンターズS(G1)の共同記者会見が、栗東トレセンにて行われた。ミッキーアイル(牡5、栗東・音無厩舎)を管理する音無秀孝調教師の一問一答は以下の通り。

●無念の高松宮記念2着は「不利が痛かった」

-:まずは、前走の高松宮記念なのですが、番手の競馬から、直線で一旦先頭に立つ場面もありました。あのレースを振り返っていただけますか?

音:僕が指示したわけではないのですが、ジョッキーは「ハナに行きます」ということで、「好きに乗ってもいいよ」と。ゲートが開いてみたら、外枠に速いのが2頭いて、結果的に途中で行くのを止めざるを得なかった。それでも折り合いは付いていましたし、ペースは速かったので、そのまま前の馬2頭を見る形で。4コーナーを向いた時に手応えもあって、早めに抜け出そうと思ったらハナに行っていた馬が外へ来ましたよね。あれでだいぶ外へ振られたような感じがあったのですよ。不利といえば、そこが不利かなと。そのあと、抜け出して1頭になったのですが、やはり4コーナーの不利が痛かったのかなと。差されましたからね。

-:直線のところではビッグアーサーに狙い撃ちされるような形で交わされてしまいましたね。

音:ビッグアーサーは後ろにいて不利がなかったですから。あの馬はスムーズに競馬をしたかなと思います。

-:その高松宮記念から6カ月半の休養を挟むことになりました。去年は間に安田記念を挟んでというローテーションと、去年と少し違う形になりますが、この中間、ミッキーアイルはどのように過ごしていたでしょうか?

音:かなりゆっくりしましたね。安田記念で夏休みになるのと同じですからね。結果的に安田記念を使わなかったというだけで。今回は北海道のノーザンファーム空港へ放牧に行って、いいリフレッシュが出来たのではないかと思います。

-:栗東に帰厩しての雰囲気というのはどうだったのでしょうか?

音:いつもと変わりなく、もともと能力の高い馬ですから、いつものように少しずつ上げていけばいいな、という感じで。今日の追い切りはマックスを予定していましたから、今日が一番、半マイルが速かったかなと思います。

-:今日の調教の内容から伺いますが、今日はどういう指示があったのでしょうか?

音:先週、馬は違うのですが、併走馬の後ろから追い掛けていったら最後の1Fで負けましたので、今日は後ろから行くのは止めようと。最初は並んでいったのですよ。そうすると横に馬がいるから掛かり気味に12秒台で入ってしまったのですよね。12-12-13(秒)になったという感じの追い切りになったから。逆なら良かったのかと思うのですけどね(笑)。まあ、最後も13.3(秒)で、50.0(秒)とムチャクチャ速いですから、逆にいうと、しっかりやれたなと思いますけどね。

●雨の中、堂々の一番時計をマーク

-:今日は朝から雨が落ちていることもありまして、少し水を含んだ馬場かと思いますが、そんな中で50秒0という時計は他の馬と比べてみても、かなり時計が出ているなという印象です。そのあたりはいかがでしょうか?

音:ウチのは休み明けで、最後はマックスでやりたかったのでね。他の使っている馬は調整だけで済んでいるのですが、ウチはそういうわけにはいかないので、しっかりとやりました。

-:休み明けならではの調教メニューをこなせたということになりますか?

音:そうですね。これだけちゃんとやれているし、能力も高いですから信頼しています。

ミッキーアイル

申し分ない仕上がりに笑顔を見せる音無秀孝調教師


-:6カ月半の休み明けということで、ファンの方もかなり気にされていると思います。この馬にとって一番長いブランクになるのですが、休養の効果、あるいは影響、プラスマイナス含めてどういう形になったかというのを教えていただきたいのですが?

音:両方ありますが、不安点はこれまでで一番長いブランクということで、それは安田記念をパスしたからですよね。あの時は高松宮記念の疲れが取れなかったので、仕方なかったかなと思います。セントウルSもあったのですが、そこを使うと暑い時季に入れなければならなくなる。中2週で次のレースもあるわけで、テンションも上がるし、そこは止めた方がいいだろうと。テンションが上がらないで本番というのはいい方に出るのではないでしょうか。

-:逆にこれだけ開けたからこそ、じっくりと体勢を整えたということでしょうか?

音:今日の追い切りも良かったからね。これでいいのではないかと思います。

-:中山の千二という舞台ですが、どういったペース、展開を想定していますでしょうか?

音:ジョッキーも考えているので、僕が言うこともありませんし、中山コースも走ったことがあるので、何も問題ないと思います。

-:2走前の阪急杯は逃げ切り勝ち。前走の高松宮記念は行く馬がいたからということもあって3番手という展開になりました。デビューしてからずっと逃げ切り勝ちをしている馬でもありますし、逃げるのと番手はどちらがいいのかなというのがあるのですが?

音:あまり番手のレースはなかったからね。行けなくての番手はありましたが、最初から番手だったら、無理せずに番手というのもありかと思いますね。そこはゲートを切った時点で考えることですよね。レース前にああでもない、こうでもないと考えることはないですし、仮に番手になっても大崩れしない馬なのでね。

-:秋の長雨が続いておりまして、今朝も雨がありました。週末に向けても雨予報があったりと、馬場が渋っている状態でレースを迎えるのではないかという感じもありますが、重馬場に対する適性というのはどういう評価をされていますか?

音:坂路で時計が出る馬ですからね。どちらかというと掻き込んで走りますし、少々馬場が悪くなっても問題ないと思います。

-:非常にファンの多い馬でもあります。最後に意気込み、ファンの皆様へのメッセージをお願いします。

音:G1は勝っていますが、古馬になってまだ勝てていませんし、春の雪辱もしてほしいですから、何とかして古馬のG1を獲らせたいです。応援よろしくお願いします。