【秋華賞】成長著しいヴィブロス「やれるんじゃないかという思いも持っている」

ヴィブロス

13日、秋華賞(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、紫苑S2着のヴィブロス(牝3、栗東・友道厩舎)は坂路での単走追い。先週ビッシリと追われていることもあり、今週は終いの反応を確かめる調整で4F54.0-39.7-25.8-13.0秒をマーク。手綱をとった福永祐一騎手は「予定より少し速くなってしまった」と苦笑いも、中間順調に攻めを消化して万全の態勢で初のG1の舞台へ臨む。

春の重賞挑戦では2戦いずれも12着と歯が立たなかったが、ひと夏を越して紫苑Sでは致命的な不利を乗り越えて2着を確保。鞍上、陣営ともに夏の成長に確かな手応えを掴んでいる。福永騎手にとっては1番人気で敗れたスプリンターズSの雪辱を期す一戦。騎手の腕がモノをいう京都内回り2000mでどんなパフォーマンスを見せるか楽しみだ。



追い切り後、福永祐一騎手の一問一答は以下の通り。

●差す競馬で好走も今回は「あくまでも流れ次第」

-:いよいよ秋華賞に向けての最終追い切りが終わりました。感触はいかがだったですか?

福:予定していた時計よりも速くなってしまったのですが、追い切った後の息遣いも良かったですし、馬は非常に落ち着いていて、いいコンディションで来れているのではないかと感じました。

-:少し軽く押していたような感じだったですか?

福:最後にちょっと鋭い反応を見せたかったのですが、予定していた時計より少し速くなった分、反応が良くはなかったですけど……。非力なタイプな馬で、芝での走りが凄くいい馬ですから、そんなに心配はしていないです。

-:前走時も返し馬で状態の良さを感じられたとおっしゃていましたが、そこからの更なる変化を感じた部分はありますか?

福:前走時は中間の追い切りに乗っていなかったので、レース当日の返し馬で久しぶりに感触を確かめたのですが、非常に良かったですね。馬が成長していい動きになっていましたし、「これなら重賞でも」と思わせるような体の使い方をしていましたので、期待していました。順調に来れているのが何よりだと思いますし、普段乗っている調教助手の方からは、そう変わらない状態だと聞いていますので、いい状態で出走できるのではないかと思っています。

ヴィブロス

十分な手応えを感じとって意気込みを語る福永騎手

-:7月の中京から紫苑Sにかけて成長を感じられたとおっしゃられましたが、例えばどういったところになるのでしょう?

福:総合的にですね。どの部分が、というよりは、総合力が増した印象は受けました。

-:福永騎手は前々走、前走と騎乗されているのですが、いずれも凄い脚を繰り出させました。あの末脚を振り返っていかがですか?

福:2走前から乗せてもらって、それまではスピードを生かして先行するような形を競馬もしてた馬ですが、中京のレースから「溜めるレースを出来ればしてほしい」というオーダーがありました。そういう競馬をしたところ、非常にいい脚を使ってくれましたので、あのスタイルが体と心のバランスから一番力を発揮できる戦法なのかと現状では思っています。

-:スタートあるいは枠と色々な条件はあると思いますが、基本的にはあの形ということで今回も?

福:そうですね。行こうと思えば行けるくらいスタートも速いですし、流れ次第だとは思いますが、2戦末脚を生かす形をとっていますので、ある程度先行したとしても、最後バテるような競馬にはならないかなと思っています。あくまでも流れ次第ですかね。

●破壊力十分の末脚で春の実績馬に挑む

-:今回、舞台が京都の内回り2000mとなりますが、イメージ、留意する点がありますか?

福:ある程度器用さを求められるコースではありますので、その点に関しては小柄な馬で小回りも利きますので、むしろうまく立ち回ってくれるのではないかと思っています。

-:ヴィルシーナの妹ということで、早くから注目されていたのですが、福永騎手もヴィルシーナに騎乗されています。面影を感じる部分、近づいてきたなと思える部分はいかがですか?

福:ヴィルシーナはデビュー戦などにも乗せていただきましたが、ちょっとタイプが違うかなと。お姉ちゃんよりは切れ味があるタイプだと思います。

-:今回、ライバル関係などはいかがですか?

福:この馬は上がり馬ですし、春シーズンはそういう強い馬達と一緒に走ることがなかったので、胸を借りる立場ではありますけども、前走を見ても大きな不利がありながら抜けた2着まで来てくれましたから力を付けているのは間違いないですし、今回はG1ホースも相手になりますので、簡単な相手ではないと思いますが、非常に楽しみな部分の方が大きいですね。

-:それでは改めてファンの皆さんに抱負、意気込みをお願いします。

福:この夏、力を付けて、ようやく一線級を相手に戦える舞台まで来ましたのでね。まだまだ胸を借りる挑戦の立場ではありますが、コンディションも良さそうです。どれくらいやれるのか、僕はやれるんじゃないかという思いも持っていますし、当日一緒にいい走りをして、強い馬を相手にいい競馬をしたいなと思っていますので、たくさんの方に応援していただければと思っています。