【菊花賞】1週前 最後の一冠が欲しいエアスピネル「前走は良い予行演習」

エアスピネル

馬なりながら抜群の時計を計測したエアスピネル

13日、菊花賞(G1)の1週前追い切りが栗東トレセンで行われた。

皐月賞、日本ダービーをともに4着と惜敗。最後の一冠に懸けるエアスピネル(牡3、栗東・笹田厩舎)は助手を背に坂路で古馬500万のワンダーヴィーヴァと併せ馬。先行する僚馬を1.7秒ほど先行させ、一杯に追うワンダーヴィーヴァを馬なりであっさり交わし、4Fから53.0-38.6-24.7-12.2と抜群の動きを披露した。

管理する笹田和秀調教師は「やればいくらでも動くし、この馬は馬場が悪くても対応できる馬ですから。前走は5着でしたが、走る時の重心が低くなって距離に対応できる体の使い方になっています。いい予行演習になったと思いますよ」と最後の一冠に懸ける思いが伝わってきた。

春のクラシック2戦はハイレベルと言われる3歳世代で善戦止まりに甘んじたが、思えば母エアメサイアもG1タイトルを手にしたのは牝馬三冠の最終戦・秋華賞だった。その息子は菊の大輪を咲かせることができるのか、本番でのレース運びにも注目だ。


神戸新聞杯3着で優先出走権を手にして菊花賞へと向かう師のもう1頭の管理馬、レッドエルディスト(牡3、栗東・笹田厩舎)も坂路での追い切り。助手が騎乗し、単走で4F53.1-38.8-25.4-12.7秒と調教駆けするエアスピネルと遜色ない好タイムをマークした。

「まだ成長段階にある馬ですが、春よりは良くなっているし、四位ジョッキーもいい感触を掴んでくれています。距離が延びていい馬だと思っていたし、3000mへの適性はあると思います。緩さもある馬ですから、京都に変わるのもプラスです」と笹田師。

青葉賞ではメンバー最速の上がり33秒9の末脚で猛然と追い込み2着。本番のダービーでは9着と敗れたものの、この馬自身も33秒7の脚を使っていた。秋初戦の神戸新聞杯でも4角11番手から3着に突っ込み、無事優先出走権を獲得。上昇度で人気上位馬に迫る勢いを見せている。長丁場向きの馬体、血統も魅力で、ダークホースになり得るか。穴でも侮れない1頭だ。

レッドエルディスト

単走ながら好タイムで駆け上がるレッドエルディスト