【菊花賞】エア&レッドの2騎で挑む笹田師 「2頭とも理想的な仕上がり」

エアスピネル

武豊騎手を背に坂路で追い切られたエアスピネル

19日、菊花賞(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

笹田和秀調教師はダービーに続いて2頭の管理馬を菊に送り出す。前走、神戸新聞杯5着のエアスピネル(牡3、栗東・笹田厩舎)は武豊騎手を背にいつも通り坂路での追い切り。4F51.1-37.4-24.5-12.3秒をマークした。

「ユタカ君には終い重点でサッと、と伝えました。時計を要する馬場にもかかわらず、重心の低いフォームで、良い時計で走ってくれましたね。鞍上からも『前走時より良くなっている』と言ってもらえたので、上積みは十分だと思います」と笹田師。

前走は初めて後方からの競馬に挑み5着でフィニッシュ。レースを振り返って師は「ひと夏越して、落ち着きが出てきて、精神面で大人になった印象です。前走もしっかりと折り合っていましたし、良い予行演習ができました」と収穫を語る。

春二冠はともに4着と、善戦したものの上位3頭とは差のある競馬が続いた。「京都はデイリー杯を勝っているように相性が良いですし、春はダービーも経験しています。神戸新聞杯で2度目の2400mも走っていますから、距離は十分対応可能だと思っています。ずっと善戦してきている馬なので、力はありますから、得意の馬場で何とか巻き返したいです」と最後の一冠、何としても譲れない構えだ。

もう1頭の管理馬、レッドエルディスト(牡3、栗東・笹田厩舎)は助手が騎乗して4F52.7-38.6-25.0-12.4秒を計時。稍重馬場の中、坂路での自己ベストとなる好時計を叩き出した。

笹田師は「坂路では動かない馬なので、しっかり終いまで伸ばすように指示しましたが、理想的な追い切りだったと思います。この馬なりに時計も出ていますし、ラスト1Fも12秒台でまとめていますから、動き自体は良かったです。前走後から予定通りの調教をこなしていますし、納得のいく仕上がりと言って良い状態ですね」とねぎらう。

前走の神戸新聞杯はメンバー中3位タイの上がりで追い込んで3着に入り、優先出走権を獲得。レースも本番へ望みを繋ぐ好内容で、上昇気流に乗りながら最後の一冠に挑む。

「この馬は直線の長いコースが合っていますし、まだ緩さのある馬なので、3~4コーナーにかけての下り坂もプラスに働くのではないでしょうか。距離が延びて良いタイプなので、3000mは問題ないです。ダービーは思いの外、着順が良くなかったのですが、この馬なりに上がりも使っていますし、ひと夏越して心身ともに成長していますので、一発逆転を狙っています。頑張って欲しいですね」と師は力強くコメント。人気上位勢に負けない走りが期待できそうだ。

レッドエルディスト

最後の一冠で春との着差をどこまで詰められるか レッドエルディスト