【エリザベス女王杯】クイーンズリング名前の通り女王の座へ「体幹がしっかりしてきた」

クイーンズリング

9日、エリザベス女王杯(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走の府中牝馬Sで3つ目の重賞タイトルを手に入れたクイーンズリング(牝4、栗東・吉村厩舎)は、坂路での最終追い切り。助手が騎乗し、4Fから53.9-38.8-24.9-12.4秒をマーク。馬なりながら53秒台を計測、張りのある馬体、躍動感ある動きからも、高い素質がようやく開花してきた印象を受ける。


追い切り後、管理する吉村圭司調教師の一問一答は以下の通り。

●重賞3勝の実力馬 悲願のG1タイトルが見えた

-:前哨戦の府中牝馬Sは快勝でしたね。

吉村圭司調教師:そうですね、しっかりと乗り込んでいましたし、結果が出て嬉しく思っています。

-:レース内容も好位に付けて、直線でグイッと抜け出す、満点の内容と云って良いものでしたね。

吉:良い位置につけられましたし、外枠がどうかと思っていましたが、上手にこなしてくれましたね。満足していますよ。

-:上がりも33秒台をマークしました。

吉:上がりの脚は使ってくれる馬なので、いつも頑張って走ってくれています。

-:本番のエリザベス女王杯に向けて手応えを掴んだ一戦になったのではないでしょうか?

吉:3歳時にはG1で結果を出すことができなかったので、G1となるとまた違ってくるとは思うのですが、良い形で秋初戦、結果を出せたことで本番に向けて繋がってくるとは思います。

-:前走後、先週はCWでハードに、今週は坂路での調教となりましたね。

吉:(前走から)間隔的にも空きすぎず、ちょうど良いので、1週前にジョッキーに乗ってもらって、重点的にやっておきたかったです。あの動きを見ると、今週は単走で確認する程度で十分と判断しました。予定どおりに来ていますね。

クイーンズリング

-:先週はCWで82秒台、終いは12秒を切りましたね。

吉:いくらかトモに疲れの出やすい馬だったのですが、ここにきてそういった面が解消されてきて、しっかりとやれるようになってきました。良い雰囲気で来ています。

-:その負荷をかけた後の状態はいかがでしょう?

吉:反動もなく、飼い葉も食べてくれていますし、馬体の張りも良い状態で、順調に来ていると思います。

-:今週の坂路53秒台というのは予定通りといったところでしょうか?

吉:牝馬ということもありますし、今週はセーブ気味に、と思っていたので、予定通りです。

-:デビューから3連勝したクイーンズリングですが、春のクラシックは残念な結果に終わりました。この頃は今と比較していかがだったのでしょうか?

吉:調整に関しては賢い馬ですし、苦労するところは少なかったですね。クラシックで最高の結果を出せてあげられなかった思いもありますし、古馬になってから何とか、と思っています。

●今年に入って4戦3連対 「芯が通ってしっかりしてきた」

-:それが、去年の秋から本格化してきましたね。

吉:やはり、芯が通ってきたかな、体幹がしっかりしてきたな、というのは見ていても感じますね。

-:具体的には馬体重も450キロから460キロをずっとキープしていますね。

吉:大きな数字としてのプラスというのは現れていないのですが、良いところに筋肉がついてきた感覚はありますね。

-:その過程の中で、昨年の秋華賞ではミッキークイーンのクビ差2着にまで迫りました。

吉:時計も速かったですし、高速決着の競馬にも対応できたので、敗れはしましたが、収穫は大きかったですね。

-:去年、エリザベス女王杯を使った時は8着という成績でしたが、どのように捉えていらっしゃいますか?

吉:競馬ですから、直線も位置取りの関係で、スムーズに脚を伸ばしきれなかったところもありましたから、仕方ないとは思っています。それでも体勢を立て直してからはゴール前伸びてきていましたし、馬も最後まで諦めずに一生懸命走ってくれていましたので、あの結果・内容には納得しています。

クイーンズリング

-:マリアライトにコンマ3秒差にまで迫まっていましたからね。

吉:着順的には良いとは云えないものでしたが、時計的には差のない競馬をしてくれました。

-:以上のことを踏まえても、今回のエリザベス女王杯に向けて、良い手応えが感じられるのですが?

吉:まあ、でもG1ですから。一番重要なのは馬の状態ですし、去年も経験している舞台ですので、その辺りも生かしてほしいとは思います。

-:吉村厩舎としては、これが8度目のG1挑戦になるそうですね。

吉:僕としてはそこまで意識はしていませんけどね。

-:開業5年目でしっかり成績も上げてきて、内容も伴ったものが多いとは思いますが、やはりG1のタイトルというのは獲りたいと思っていらっしゃると思うのですが?

吉:勿論そうですね。それを目標に我々はやってきていますからね。何とか良い結果を出してきたいとは思います。

-:それでは、改めて最後に抱負のほうをよろしくお願いします。

吉:G1のタイトルにはまだ届いていない馬ですが、状態は良さそうですし、厩舎一丸となって頑張っていますので、応援のほどよろしくお願いします。