今年のオークス馬・シンハライトが現役引退 屈腱炎からの再起叶わず

シンハライト

前が壁になりながらも自ら進路をこじ開けて勝利したオークス

16日、今年のオークス馬シンハライト(牝3、栗東・石坂厩舎)が現役を引退、繁殖入りすることがキャロットクラブより発表された。

シンハライトは昨年の10月に京都で初陣を迎えたデビュー戦を見事に快勝。続く紅梅S、チューリップ賞を連勝し、無敗で桜花賞へと向かう。
クラシック一冠目・桜花賞では阪神JFを制し、クイーンCを楽勝して断然の1番人気に支持されていたメジャーエンブレムに次ぐ2番人気に推される。初めて揉まれる競馬に戸惑うメジャーエンブレムを尻目に、直線で33秒7の末脚を使って抜け出し、完全に勝ちパターンの競馬に持ち込んだものの、それを上回る33秒0の脚を使ったジュエラーにゴール前でハナ差交わされて敗北。わずか2センチの差に泣いた。

桜花賞馬ジュエラーが骨折、メジャーエンブレムはNHKマイルCへ向かったことにより、オークスでは2.0倍の1番人気に。後方からレースを進め、直線前が塞がって万事休すかと思われたが、残り100mで馬群をこじ開けてフローラSの勝ち馬チェッキーノを一気に差し切って勝利。劇的な勝ち方でG1初制覇を遂げた。

夏の休養を挟み、秋初戦は秋華賞トライアル・ローズSから始動。クロコスミアの大逃げに場内がざわつく中、大外から1頭だけ次元の違う伸びでハナ差差し切り、着差以上の強さを見せつけた。

レース後、秋華賞へ向けて調整されていたが、左前脚に屈腱炎を発症していることが判明。北海道のノーザンファーム早来へと放牧に出ていたが、炎症の程度、患部の良化が確認できないことを考慮し、引退の運びとなった。近日中に競走馬登録を抹消され、北海道のノーザンファームで繁殖入りする見込み。通算わずか6戦ながらG1を含む重賞3勝。クラシックを駆け抜けた本馬の夢の続きは、2世に期待したい。

  • シンハライト
  • (牝3、栗東・石坂厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:シンハリーズ
  • 母父:Singspiel
  • 通算成績:6戦5勝
  • 重賞勝利:
  • 16年優駿牝馬(G1)
  • 16年ローズS(G2)
  • 16年チューリップ賞(G3)

シンハライト

ローズSは33秒7の末脚で差し切りV 3歳世代屈指の実力馬だった