【ジャパンC】シュヴァルグラン友道師「オーナーにも男馬のG1の勲章を」

シュヴァルグラン

23日、ジャパンC(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走、アルゼンチン共和国杯1着のシュヴァルグラン(牡4、栗東・友道厩舎)は、福永祐一騎手が跨がりCWコースでの最終調整。僅かに遅れを喫したが、パートナーを大きく先行させてのもので、陣営の思惑どおりに馬体を併せてのフィニッシュで6F84.2-68.6-53.8-39.7-12.4秒を計時。仕上がりに抜かりはない。

姉がヴィルシーナという血統背景から、クラシックでの活躍も期待された馬だが、結局クラシックは不出走。ジックリと成長を待ち、昨年秋から3連勝でオープン入りを果たし、日経新春杯2着、阪神大賞典1着、天皇賞(春)3着と長丁場で頭角を現した。そして秋初戦のアルゼンチン共和国杯をトップハンデで快勝。メンバー随一といって過言ではない上昇度と勢いで再び強豪に挑む。


追い切り後、管理する友道康夫調教師の一問一答は以下の通り。

●地力強化を改めて実感

-:まずは秋初戦のアルゼンチン共和国杯、トップハンデ58キロでのレースでした。レースを振り返ってどんな印象をお持ちですか?

友道康夫調教師:休み明けとトップハンデと初めての輸送、左回りと全部が初めてのことばかりだったのですが、あっさりと勝ってくれて、力が付いているんだなと改めて実感しました。

-:秋初戦の内容としてはどうでしょう?

友:次に繋がる競馬で、ジョッキーもうまく乗ってくれて100点満点だったと思います。

-:今回は中2週ということになります。それほど間隔はありませんが、どういった調整だったか教えて下さい。

友:間隔もあまりなかったので、疲れを残さない程度に先週は15-15くらいで、今日は併せ馬をやったのですが、最後反応を見てもらう程度に、軽めの調整でここまで来ました。

-:軽めを2週続けてやったということで、馬の状態というのは現時点でどういうふうにジャッジされますか?

友:時計的には軽めなんですけど、元々動くタイプではないので、この馬にとってはいい負荷がかかったと思います。前走の疲れも残っていないので、今回のジャパンCに向けていい調整が出来たと思います。

シュヴァルグラン

-:昨年の秋頃からグッと成績もまとまってきたように思いますが、そのあたりから何が以前と比べて変わってきたのか教えて下さい。

友:体の造りは結構幅が出て来て、いつも乗っている助手の話では、歩く反動に力強さが出て来て、体幹も鍛えられて本当に体自身がシッカリしてきたのだと思います。

-:いわゆる本格化とみてよろしいですか?

友:去年の秋、今時分から成績も安定してきましたし、ひと夏越して、この秋に北海道から帰ってきてからもまだ良くなっている感じですね。

-:馬体面の話になると思うのですが、秋初戦はプラス6キロだったのですが、今回はどれくらいの体でと考えていらっしゃいますか?

友:若干減ってマイナス一桁くらいで出られるのではないかと思います。

●心身充実「僕ら自身もワクワク」

-:アルゼンチン共和国杯からジャパンCというとスクリーンヒーローという先輩がいるのですが、G1に向けていい手応えで臨めそうですか?

友:前走の内容も良かったですし、前走のダメージも残っていなくて、またこの2週間でもいい調教が出来たと思いますので、いい雰囲気で出走できると思います。

-:ここ数戦なのですが、比較的ゆったりとした流れのレースが続いています。ジャパンCはメンバーも厳しくなります。流れてきた場合、そのあたりの対応はどうお考えですか?

友:速い流れでも対応できる脚を持っていると思いますし、何よりも乗っていて操縦しやすいというか、ムキになって行ったりとか、難しい面はないと思います。一番福永くんがよく知っていると思うので、競馬に行けば福永ジョッキーにおまかせです。

シュヴァルグラン

-:実績を含めて注目される1頭になるのは間違いありません。レースに向けて見通しをひと言いただけますか?

友:いま、一番良く仕上がっているので、今回の大一番でどんな競馬をしてくれるか。僕ら自身もワクワクして待っている状況なのでね。勢いが出ていると思います。

-:(追加質問)シュヴァルグランがジャパンCに勝つために、一番ポイントとなるところはどんなところでしょうか?

友:馬の調整面に関してはここまでうまく来ていますし、これで負けたら勝った馬が強いのだなというところまで来ているので、あとは運じゃないですかね。

-:厩舎にとっても馴染みのある血統での出走となりますが、そういった意味でもG1、ジャパンCを獲りたいという思いは強いでしょうか?

友:この血統なくしてウチの厩舎はないくらい頭が下がる血統なので、是非とも今度は男馬でG1を獲らせてあげたいなと思いますし、オーナーもまだ男馬でG1を獲っていないので、オーナーにも男馬のG1の勲章をあげたいなと思っています。