セイウンコウセイ ついに頂上へ、高松宮記念制覇!!【平林雅芳の目】

セイウンコウセイ

17年3/26(日)2回中京6日目11R 第47回高松宮記念(G1)(芝1200m)

  • セイウンコウセイ
  • (牡4、美浦・上原厩舎)
  • 父:アドマイヤムーン
  • 母:オブザーヴァント
  • 母父:Capote

高松宮記念の結果・払戻金はコチラ⇒

予報よりも早くから雨が降った中京競馬場。今週だけBコース使用で、先週の外差し有利の極端さは無くなった傾向をみせていた。朝からの雨で、ダメージもボデイブローの様に利いていたのかも知れぬ。 前半3Fが33.8と、やや速い流れで推移する。逃げたラインスピリットと並び気味に行ったシュウジが馬場のいい方へと進路を取った直線だったが、その外に出したセイウンコウセイが弾かれた様に伸びて、馬場の内目から脚を伸ばしてきたレッツゴードンキと1番人気のレッドファルクスを封じて、G1初挑戦を勝利で飾った。またまた関東馬、ヤングパワーの4歳馬の勝利であった。

シュウジが好発で飛び出して行った。ゲートが開いた瞬間に、半馬身は前に出ていたのではなかろうか。二の脚で、セイウンコウセイに内ラインスピリットも負けじと行った。内から先手を主張したラインスピリットが、押して押して先頭に出るまでに1ハロンのほとんどを使った。真ん中に入っていたセインコウセイの幸Jが、手綱を引いて控えていく。外からのトウショウピストも追いついてきて、シュウジの外まで来た。ラインスピリットが前に出たが、シュウジの行きっぷりがもの凄くいい。レッドファルクスは3列目の最内を進む。その真後ろをティーハーフ、レッツゴードンキ、フィエロと内枠の馬が縦に続く。最後方にヒルノデイバローながら、そんなには縦長とはなっていない隊列だ。メラグラーナは真ん中の少し後ろ目の大外、定位置であろう。

4コーナー手前では逃げるラインスピリットに並び加減、いや、もう前へ出ようかのシュウジであり、外のトウショウピストも勢いづいて前の2頭の外にいる。4番手の絶好の位置に、セイウンコウセイが手綱をピーンと張らせて待っている。レッドファルクスはそこから2馬身後ろのインで、前から8頭目である。 4コーナーのカーブに入る時には、ラインスピリットの手応えがかなり悪く追っている。シュウジはまだまだ持ったままで、小さくカーブを2頭が廻ってきた。コーナーリングで、レッドファルクスが前との間隔をだいぶ詰めた様だ。

直線に入って、全ての馬が見える。メラグラーナは当然に外へと進路を取ったのだが、前を行くトーキングドラムがさらに外へと進路を取ろうとした動きを上廻る勢いになれず、内へと進路を取る。真っ白のスノードラゴンが内目へと進路を取るが、そのさらに内をレッツゴードンキがすり抜けて前へと伸びていく。そして岩田Jの右ステッキに呼応して最内に進路を取りティーハーフが開けたラチ沿いへと潜りこんで、さらに前を目指す。

ラスト300、シュウジの外をセイウンコウセイが前へと出た。同じタイミングで内を3頭が並んで脚を伸ばしてきた。内からレッツゴードンキ、ティーハーフ、レッドファルクスが並び加減である。 だがセイウンコウセイの伸びが違う。あきらかに伸びて行く勢いが違っていた。最初に2発、それから3発ずつを2回ステッキを入れた幸J、だいぶ馬も苦しくなったのか最後は内目と切れ込んできていたが、ゴールへ入る時にはもう手綱をシャクるだけの所作で、着差以上の楽勝気味であった。

2着争いは、勢いでレッツゴードンキが勝り、レッドファルクスをクビ差抜いた。フィエロがいい脚を見せたが、ティーハーフに及ばず。メラグラーナは、馬群の中から抜けきれないままでG1挑戦を終えた。 シュウジは、ラインスピリットにも先を越されての15着と伸びを欠いた。前向き過ぎるのであろうか。メラグラーナは、こんな馬場がダメな様である。

PVをジックリと観た。セイウンコウセイは、道中でも馬場のいいところを選んで走っていた様である。ハッキリと色が変わっている内目を避けて、色が変わる部分を選んで走らせていた幸Jの進路の取り方。逆にMデムーロJのレッドファルクスは、その悪いところを走らざるを得ない状況。内で差を詰めていくには、その手しかなかったのだろうとも思える。

4角入口では前の2頭、シュウジとラインスピリットが馬場のいい方へと進路を取る。その真後ろにいたセイウンコウセイは、スムーズに外へと出して行けた。内がガラリと空いて、そこへティーハーフとレッドファルクスが並んで前を追いかける。レッツゴードンキがさらにその内から追いかけて行く。セイウンコウセイはバテた前の2頭をかわして前へと出て行くが、内目を伸びていく3頭とは勢いが違っていた。追い出しを、誰よりも遅く追い出した幸J。ステッキを最初の2発の後の3発の時には内にささるのを抑え、また3発入れるも、再び内にもたれる。ゴールに入る時は、手綱を外へと矯正する様な動きでもあった。 今年の初陣の淀短距離Sを軽快に勝ったセイウンコウセイ。オープンクラス初挑戦の壁を軽く突破した。続くシルクロードSでは、ダンスディレクターがゴール前で捕まえたが、その差がクビと、成長力には目を見張るものがあった。 何よりも、レース巧者であるセイウンコウセイ。スッと前につけられて、抑えも利く、そして直線では伸びる、と言うことなしの素質である。今回の初G1でも5番人気の支持も当然である昇り馬である。

こうやって、何度も関東馬を書いている気がする。まだまだ続くであろう関東馬の攻勢。まだ頂上を極めてはいないけれども、その片鱗を見せている馬をも知っている。3歳勢にしろ、古馬にしろ東高西低と流れ自体が違ってきている感じがする。東の勢いが止まらない。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。

予報よりも早くから雨が降った中京競馬場。今週だけBコース使用で、先週の外差し有利の極端さは無くなった傾向をみせていた。朝からの雨で、ダメージもボデイブローの様に利いていたのかも知れぬ。 前半3Fが33.8と、やや速い流れで推移する。逃げたラインスピリットと並び気味に行ったシュウジが馬場のいい方へと進路を取った直線だったが、その外に出したセイウンコウセイが弾かれた様に伸びて、馬場の内目から脚を伸ばしてきたレッツゴードンキと1番人気のレッドファルクスを封じて、G1初挑戦を勝利で飾った。またまた関東馬、ヤングパワーの4歳馬の勝利であった。

シュウジが好発で飛び出して行った。ゲートが開いた瞬間に、半馬身は前に出ていたのではなかろうか。二の脚で、セイウンコウセイに内ラインスピリットも負けじと行った。内から先手を主張したラインスピリットが、押して押して先頭に出るまでに1ハロンのほとんどを使った。真ん中に入っていたセインコウセイの幸Jが、手綱を引いて控えていく。外からのトウショウピストも追いついてきて、シュウジの外まで来た。ラインスピリットが前に出たが、シュウジの行きっぷりがもの凄くいい。レッドファルクスは3列目の最内を進む。その真後ろをティーハーフ、レッツゴードンキ、フィエロと内枠の馬が縦に続く。最後方にヒルノデイバローながら、そんなには縦長とはなっていない隊列だ。メラグラーナは真ん中の少し後ろ目の大外、定位置であろう。

4コーナー手前では逃げるラインスピリットに並び加減、いや、もう前へ出ようかのシュウジであり、外のトウショウピストも勢いづいて前の2頭の外にいる。4番手の絶好の位置に、セイウンコウセイが手綱をピーンと張らせて待っている。レッドファルクスはそこから2馬身後ろのインで、前から8頭目である。 4コーナーのカーブに入る時には、ラインスピリットの手応えがかなり悪く追っている。シュウジはまだまだ持ったままで、小さくカーブを2頭が廻ってきた。コーナーリングで、レッドファルクスが前との間隔をだいぶ詰めた様だ。

直線に入って、全ての馬が見える。メラグラーナは当然に外へと進路を取ったのだが、前を行くトーキングドラムがさらに外へと進路を取ろうとした動きを上廻る勢いになれず、内へと進路を取る。真っ白のスノードラゴンが内目へと進路を取るが、そのさらに内をレッツゴードンキがすり抜けて前へと伸びていく。そして岩田Jの右ステッキに呼応して最内に進路を取りティーハーフが開けたラチ沿いへと潜りこんで、さらに前を目指す。

ラスト300、シュウジの外をセイウンコウセイが前へと出た。同じタイミングで内を3頭が並んで脚を伸ばしてきた。内からレッツゴードンキ、ティーハーフ、レッドファルクスが並び加減である。 だがセイウンコウセイの伸びが違う。あきらかに伸びて行く勢いが違っていた。最初に2発、それから3発ずつを2回ステッキを入れた幸J、だいぶ馬も苦しくなったのか最後は内目と切れ込んできていたが、ゴールへ入る時にはもう手綱をシャクるだけの所作で、着差以上の楽勝気味であった。

2着争いは、勢いでレッツゴードンキが勝り、レッドファルクスをクビ差抜いた。フィエロがいい脚を見せたが、ティーハーフに及ばず。メラグラーナは、馬群の中から抜けきれないままでG1挑戦を終えた。 シュウジは、ラインスピリットにも先を越されての15着と伸びを欠いた。前向き過ぎるのであろうか。メラグラーナは、こんな馬場がダメな様である。

PVをジックリと観た。セイウンコウセイは、道中でも馬場のいいところを選んで走っていた様である。ハッキリと色が変わっている内目を避けて、色が変わる部分を選んで走らせていた幸Jの進路の取り方。逆にMデムーロJのレッドファルクスは、その悪いところを走らざるを得ない状況。内で差を詰めていくには、その手しかなかったのだろうとも思える。

4角入口では前の2頭、シュウジとラインスピリットが馬場のいい方へと進路を取る。その真後ろにいたセイウンコウセイは、スムーズに外へと出して行けた。内がガラリと空いて、そこへティーハーフとレッドファルクスが並んで前を追いかける。レッツゴードンキがさらにその内から追いかけて行く。セイウンコウセイはバテた前の2頭をかわして前へと出て行くが、内目を伸びていく3頭とは勢いが違っていた。追い出しを、誰よりも遅く追い出した幸J。ステッキを最初の2発の後の3発の時には内にささるのを抑え、また3発入れるも、再び内にもたれる。ゴールに入る時は、手綱を外へと矯正する様な動きでもあった。 今年の初陣の淀短距離Sを軽快に勝ったセイウンコウセイ。オープンクラス初挑戦の壁を軽く突破した。続くシルクロードSでは、ダンスディレクターがゴール前で捕まえたが、その差がクビと、成長力には目を見張るものがあった。 何よりも、レース巧者であるセイウンコウセイ。スッと前につけられて、抑えも利く、そして直線では伸びる、と言うことなしの素質である。今回の初G1でも5番人気の支持も当然である昇り馬である。

こうやって、何度も関東馬を書いている気がする。まだまだ続くであろう関東馬の攻勢。まだ頂上を極めてはいないけれども、その片鱗を見せている馬をも知っている。3歳勢にしろ、古馬にしろ東高西低と流れ自体が違ってきている感じがする。東の勢いが止まらない。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。