【ヴィクトリアM】万全レッツゴードンキ梅田智師「このまま競馬に持って行けたら」

10日、ヴィクトリアM(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。

追い切り後、レッツゴードンキ(牝5、栗東・梅田智厩舎)を管理する梅田智之調教師の一問一答は以下の通り。

●恵まれた馬格に加えて精神面が大きく成長

-:まず前走から振り返っていただきたいのですが、高松宮記念2着でした。

梅田智之調教師:最近は成績も安定してたし状態もよかったので、凄くチャンスだと思って出走して、結果は2着でしたけども満足のいく内容でした。

-:その満足されている部分というのはどんなところでしょうか?

梅:道中の折り合いもそうでしたし中間の調整もうまいこといっていたので、中間の調整と結果が結びついたというところで、良かったなと満足しています。

-:去年の春から夏、秋、そして今年の明けからと、非常にコンスタントに使われてますね。

梅:そうですね。元々使い減りしないというか、牝馬ですが、馬格もあって丈夫なので、コンスタントに使ってこれてますね。

レッツゴードンキ

-:11月のJBCレディースクラシックから京都牝馬S勝利まで、連対を外さないという安定感が出てきましたが、一番はどんなところがこの安定感に繋がっているのですか?

梅:状態はそんなに変動の少ない馬で、牝馬ですが安定しているので、それよりも精神面。今まではムキになってカーっとなる様なところが、レースの結果と結びつかなかったのですけど、その辺の精神面が大分大人になったかなと、それが結果に結びついているのだと思います。

-:レッツゴードンキ自身の悩みの成長か、もしくは梅田調教師が、調教の中でそういう風になるように工夫された部分はあるのでしょうか?

梅:その工夫に関しては担当厩務員と助手が話しながらやってると思うんですけども、そこら辺は任せているので。歳をとって精神的に少し馬に余裕が出てきたのだと思いますけど。

-:レースに至るまでの仕草などにも現れているのですか?

梅:そうですね。3歳の秋華賞辺りでは、返し馬へ行くときにでぶっ飛んで馬場入りしてたんですが、最近は常歩でジワーっと返し馬にいくこともできるようになったので、その辺が競馬に行っての安定感に繋がっていると思っています。

-:レース前でもそういう形で落ち着いて見られるようになったと。

梅:返し馬に行った時の落ち着きなんかを見て、今日は大丈夫かな?とか思ってスタンドで見てますので、そこら辺はかなり重要になってくると思いますね。

-:今年はターコイズS2着、京都牝馬S、高松宮記念、ヴィクトリアマイルと、前回と違う過程を踏まれましたけども、何か意識されたところはあったんですか?

梅:別に意識するところはなかったのですが、たまたまその辺のレースをどれにするか、オーナーと馬と、スタッフと相談しながら、去年と若干違う感じで来ているんですけど、特に何かあったわけでもなく、たまたまですね。

-:この春のヴィクトリアマイルというのは、レッツゴードンキにとってはどんなレースなのでしょうか?

梅:去年も出て、去年は全然ダメだったのでね。同じオーナーの馬が勝ったのは良かったのですが、去年よりもここに来るまでの過程もいいので、去年みたいなことにはなって欲しくないというか、ならないと思って調整してきています。

-:去年との違いは精神面ですか?

梅:そうですね。精神面ももちろんそうですけども、もちろん馬自体がかなりパワーアップしてると思っているので、去年よりも期待は大きいですね。

-:そのパワーアップとはどの様なところが変わってきたのでしょうか?

梅:体もデビュー当時から50キロ以上、これだけ使って増えてきているので、なかなかそんな牝馬は今までいなかったので、そこら辺とか、今日の坂路の動きでもそうでしたが、うまなりだったんですけど、動きもよかったので。今日は雨も降って力の要る馬場だと思ってるんですけど、終いも動けているので、その辺が去年と違ってパワーアップしたなと思います。

●桜花賞馬にもう一つ勲章を

-:調教の話が出てきたので、調教の話を伺いたいのですが、1週前、非常に良い追い切りでしたね。

梅:そうですね。最後は岩田騎手が乗って追い切ってもらったんですが、最後は馬場が悪いということで、目一杯追ってないのですが、しっかり時計も出たし上がってきた時の息の入りなんかも良かったので、高い次元で良い状態をキープしていると思いますね。

-:攻めがけする馬だとは聞いているのですが、それでも最後は抑えも利いているように見えましたが。

梅:僕らは時計の速い遅いを見るだけではないので、どれだけ道中ジョッキーと呼吸が合っていたりとか、上がってきた時の息の乱れとか、時計も全部総合して判断するので、その辺を全部総合して、いい状態だなと思ってました。

-:先週が実質の、このレースに向けての最大の追い切りと見てよいのでしょうか?

梅:そうですね。今日はうちの助手でテンションもこれ以上上げないように、先週の時点で馬は出来上がっているので、サラっと予定通りです。

-:その微調整の部分の、今日の追い切りの部分はいかがでしたか?

梅:前半から外ラチに持って行くと、馬が速いところだと分かってしまうので、そこは上手に内ラチを利用しながらジワーっと真ん中に出して、最後は何も追うことなく、予定通り。時計も今日の馬場でこの時計なら合格点です。

-:特に終いが24.1-12.0。

梅:全然無理することなく出ている時計なのでね、このまま競馬に持って行けたら最高だと思います。

-:今度は距離がマイルになりますけど、ここまでの過程で工夫された部分や味付けはあったんですか。

梅:何度も言っているように、馬のテンションが上がらないように、普段から馬と会話するような感じで調教もしていますし、角馬場に入れたり、色んな工夫をしていると思うので。実戦に行くとカーっとする部分があるけども、ただ最近馬がいい意味でズブくなってきているので、保てば良いなと思ってます。

-:オーナーは連覇がかかりますね。

梅:そうですね。そういうのはこの世界は重要というか、強い力になっているので、連覇が続けばいいなと思います。

-:梅田調教師のレッツゴードンキに対するヴィクトリアマイルの思いを聞かせてください。

梅:桜花賞馬ですが、その後大分スランプだったので、ここのところようやく名誉挽回になってきたかなと。もう一つ勲章は欲しいし、馬のためにも厩舎のためにも、オーナーのためにも頑張ってもらいたいです。

-:表情を見ていますと、満足した形で送り出せそうですね。

梅:そうですね。ここまでは十分満足しています。