リベンジで初の東京ダービー制覇!森泰斗「積み重ねてきたものがあった」

東京ダービー

●6月7日(水) 第63回 東京ダービー(S1)(3歳 定量 1着賞金:4200万円 ダート2000m)

キャプテンキング、ヒガシウィルウィンのデッドヒートとなった羽田盃からおおよそ1カ月。第1冠では後塵を拝したヒガシウィルウィン(牡3、船橋・佐藤賢厩舎)が見事にリベンジ達成。6馬身差の圧勝で南関東クラシックの頂点に輝いた。

注目の先行争いは、ネオエレキング、カンムルが先行すると、その後方にブラウンレガートがつけ、ヒガシウィルウィンはライバル・キャプテンキングよりも先手を主張。前半63.4秒の流れは例年の東京ダービーに比較すれば、比較的落ち着いた様相。「今朝から緊張感があって、何度も何度もシミュレーションをしたけれど、結果的にはレースになってみないとわからないもの。毎年、ダービーは読みづらいし、紛れるところもありますからね。陣営の指示もあり、キャプテンキングよりは前で、ということは意識していました」と森泰斗騎手

淡々とした流れでレースは後半に差し掛かると、ライバルたちが早めにスパートを掛ける中、楽な手応えで4コーナーを回るヒガシウィルウィン。「矢野(キャプテンキング鞍上)もこの馬を目標にしてくるだろうと思っていましたよ。キレる脚はあるから、なるべく仕掛けを遅らせて、一気に突き放そうというイメージでした」。思惑通りのレース展開で、ステッキが入ったのはラスト200m付近から。鞍上のゲキにパートナーが応えると、そこからグンとひと伸び。みるみるうちに後続を引き離した。

戦前のインタビューでも鞍上が「夢」と位置づけていた東京ダービー初制覇。左手を大きく突き上げると、喜びを噛みしめるように自身初めてというウイニングランで喜びを爆発させた。「嬉しくて、ホッとして、疲れがドッと来た感じですね(笑)。今日は僕のジョッキー人生でも最良の日です。前走で一定の手応えを掴んでいたし、折り合いもついて、完璧な競馬。勝つ時って、全て上手くいくものですね」と胸をなでおろした。

昨年は元中央馬(バルダッサーレ)がダービーを制し、今年もJRAから移籍してきたキャプテンキングに1冠目を譲る結果。NAR2年連続全国リーディングジョッキーとして、地方競馬を背負って立つ立場として、期するものがあったのだろう。「道営の関係者からバトンをうけて、船橋で大切に育ててきました。ここまで積み重ねてきたものが出せたと思います。感無量です」とコメント。地方の結束力、プライドをのぞかせた。

順調ならば、今後は7月12日(水)のジャパンダートダービー(Jpn1)が視野に入る。「まだまだこれからJRA勢との闘いもありますが、十分にやっていける手応えはあります」と主戦はキッパリ。地方競馬のトップジョッキーとトップホースの闘いは更なる高みへ続いていく。


(ヒガシウィルウィンを管理する佐藤賢二調教師)
「前回よりパワーアップしていたし、一番良い状態にもってこられたと思います。キャプテンキングよりも前で競馬を出来ればと思っていましたが、一番いいタイミングで抜け出せました。今回は何とか巻き返したいという思いでやってきましたが、まだまだパワーアップは出来ると思います。出走は状態次第ですが、ジャパンダートダービーでも良い勝負が出来るんじゃないかと思います」

2着 キャプテンキング(矢野貴騎手)
「残念ですね。今日は動きが重い気もしましたが、それにしても、千切られてしまいましたね。スタートも後手を踏む形。勝ち馬を見ながらの競馬でしたが、前回のような反応ができませんでした」

3着 ブラウンレガート(的場文騎手)
「インの3番手で、ジワーっと上手く運べました。あれで負けたら仕方ない。また、来年ですね」

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羽田盃馬キャプテンキングは最後に追い上げ2着

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36回目の挑戦で初のダービー制覇を狙った的場文男騎手は見せ場をつくるも3着