研究員ヤマノの重賞回顧

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1月27日(日)、中山競馬場で行われたAJCC(4歳上、G2・芝2200m)は、中団後方で流れに乗った後藤浩輝騎手騎乗の2番人気エアシェイディ(牡7、美浦・伊藤正徳厩舎)が、インから自慢の末脚を伸ばし、コースセンターから追いすがった9番人気トウショウナイトを1.1/4馬身抑え優勝した。
さらにクビ差の3着に6番人気ブラックアルタイルが入線した。

優勝したエアシェイディの強烈な末脚は誰もが認めるところだった。
しかし、これまで重賞とは縁が無く、挑戦すること14回、3年前のこのレースの2着をはじめ、2着6回の実績から、心無い一部のファンから、シルバーコレクターと揶揄されていた。
だから、この度のエアシェイディの重賞勝利での、陣営の方々の喜びはいかばかりか。今回の重賞初勝利には素直に拍手を送りたい。 ところで、シルバーコレクターといえば、前日引退したシーキングザダイヤが思い出される。彼は昨年11月に優勝するまで、何と2年11ヵ月もの期間を費やした。 G1で9戦連続で2着は、驚異としか言いようがない勝ち味の遅さだ。
他にも古くはステイゴールドなど、多くの勝ち味に遅い馬がいるが、考えてみれば、このシルバーコレクターという不名誉な称号も、現在の競馬では満更捨てたものではないのではなかろうか。 何故なら、発想を変えれば、馬券術的には頼りになるパートナーだと考えることもできるはずだからだ。 昔のように馬券の種類が少なかった時代とは違い、現在なら複勝圏に確実に来る馬を狙うような馬券術もある。 馬の特性に合わせた馬券の購入の仕方の幅が広がったということだ。 そして、馬券の種類の豊富さに加え、「JRAプレミアム」や「JRAプラステン」が出来たことにより、馬券の可能性はさらに広がってきた。 古くからの競馬ファンも、この馬券術の幅の広がりを柔軟に取り入れてみよう。 そうすれば必然的に的中率は上がり、競馬がもっと楽しくなるに違いないのだから。


同1月27日(日)、京都競馬場で行われた平安S(4歳上、G3・ダート1800m)は、好位からレースを進めた角田晃一騎手騎乗の6番人気クワイエットデイ(牡8、栗東・松元省一厩舎)が、1番人気メイショウトウコンの追撃をクビ差しのいで優勝した。さらにアタマ差の3着には5番人気マコトスパルビエロが入線した。

角田晃一騎手は、ジャングルポケットやヒシアケボノの手綱を取ったことなどで知られているが、最近はすっかり穴をあけるジョッキーとしての印象が強くなっているように思える。
今回の6番人気クワイエットデイや、昨夏の北九州記念のキョウワロアリングの11番人気での優勝をはじめ、人気薄の馬を小気味いいほど馬券圏内に持ってきている。
こういった騎手を徹底マークして大穴馬券を仕留めるという馬券術も世の中には存在する。
確率はあまり高くないかもしれないが、狙いすまして当てた時の喜びは計り知れないだろう。
“「騎手」から馬券を考察する”。これは今まで、当競馬ラボにはなかったコーナーだが、満を持して、騎手を主眼においたコーナーがいよいよ近日誕生する。
“過去2年、アンカツ×領家、佐々木晶だと複勝率は何と8割!”、“過去2年、岩田騎手は中京・芝・短距離なら複勝率は何と8割!”といった具合に、馬券に直結するネタも盛りだくさんのようだ。
是非、一度覗きに来てくださいね。