「血統分析」に心血を注ぐこと数十年。東大卒の頭脳と豊富な経験によって完成した独自の理論から導いた自信の『本命馬』と、一発逆転の可能性を秘めた『お宝馬』を披露する。
直近の血統激走馬
- 4月7日 阪神11R 桜花賞(G1)
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本命馬◎アスコリピチェーノ(1人気) 2着
土日の重賞まとめてゲット!
- 4月6日 中山11R ニュージーランドT(G2)
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お宝馬☆ユキノロイヤル(9人気) 3着
2週続けて激走馬を大抜擢!
【中山記念】大阪杯で何が変わる?
2017/2/21(火)
★土曜京都11R 京都牝馬S(G3) ◎本命馬 スナッチマインド 5番人気 3着 去年は直線、勝ったかというところでササってしまったが、今年は不運が。馬群で回りの馬に複数回接触されて馬が下がり、そこから馬がスムーズさを欠いてしまった。直線では猛然と伸びており、いつもの位置取りで競馬ができたら、悪くても2着はあったのは間違いない。無念。
$お宝馬 ベルルミエール 12番人気 16着 寄られて位置取りがスタート直後からずっと悪くなってしまい、終始シンガリ付近で馬が走る気をなくしていた。ノーカウントの一戦。
★日曜東京11R フェブラリーS(G1)◎本命馬 カフジテイク 1番人気 3着 いつもの競馬に徹した。津村騎手は自分の判断を責めたコメントを出しているが、見ている限りはミスはない。しいて言えば、4角で必要以上に外へ出したまま回ってきたところ。根岸Sでの福永騎手は4角までは外へ振らず、直線に入る直前に斜めに走って外へ出しており、コーナーでは無駄なロスがなかった。ただそこも致命的なミスではなかったと思う。 34秒9とダートでは極限の上がりで、小差の3着なら責められない。戦前、一部に馬の能力や脚質、乗り替わりを軽視する声もあったが、どれも見返すだけの走りは見せられたと思う。
$お宝馬 コパノリッキー 6番人気 14着 走る条件は全て揃っていた。復活するならココと見ていたが、自分の競馬をして大敗。確かにペースは速かったが、それでもニシケンモノノフの頑張りを見れば、ここまで負けてはいけない。今回見せ場がなかったということは、もう今後は厳しいということだろう。
【今週のポイント】
春競馬が始まる。中山開幕週は伝統の中山記念。これまでの勝ち馬にも名馬がキラ星の如く並んでいるが、今年から少し意味が変わってくる。新設G1大阪杯を1ヶ月後に控えて、その最重要前哨戦となるわけだ。
これまでは、1600mのG1を目指す馬は、直後には大レースがないのでひと叩きというより、ここで一度シッカリ走っておきたいという意識があったし、千八のスペシャリストは、ここが目標となっていたケースも多かった。ドバイへ向かう馬は八分でどこまでというところ。その八分で勝ち切ったヴィクトワールピサ、ジャスタウェイ、ドゥラメンテなどは日本競馬史に残るスーパーホースだったわけだが・・・。これまではそんな構図になっていたレースだった。
今年からは、大阪杯に全力を注ぎたい馬にとっては、ここはあくまで前哨戦となる。対して大阪杯では荷が重いという陣営にとっては、願ってもない高額賞金ゲットのチャンスとなる。その辺のモチベーションを、ある程度考慮すべきレースとなりそうだ。
次走以降の進路を踏まえての比較に加えて、開幕週でもパワーの要る中山、コーナー4つをこなす器用さの有無も盛り込んで展望してみたい。
【次回の狙い馬】
土曜・東京7R 9着 人気だが休み明け、馬がカリカリしていた。また東京では脚もたまっていない。ひと叩きしての中山なら変わるはず。
土曜・東京7R 9着 暴走気味のペースで飛ばして押し切ったマルターズアポジーの2番手、大外から追走して、ゴール寸前まで2着あったかの態勢だった。昇級戦にして驚異的な粘り。反動は気にする必要はあるが、まともなら近いうちにG3勝ち負けの力はある。 適鞍の重賞がしばらくないのは痛いが、1600mであっても、ダービー卿に出てきたら買ってみたい1頭。血統的にはマイルどんと来いだ。
プロフィール
水上 学 - Manabu Mizukami
1963年生まれ、東京大学卒業。 初めてレースを目にすることになった1971年の日本ダービーをキッカケに、競馬にノメリ込む。70年代後半から血統に興味を持ち、手製の血統表を作成。以後、試行錯誤を重ねつつ現在に至る。必然と偶然が折り重なる「血統」に魅了され、膨大なサンプルを解析。血統傾向を絶対評価と相対評価に体系化することで、より実践的な予想理論に昇華させている。多角的な観点から競馬を検証する鋭い分析力は、ファンのみならず関係者からも支持を受けており、現代競馬を語る上で欠くことのできない最重要人物である。ラジオ日本「競馬実況中継」メイン解説、雑誌「競馬の天才」など多媒体で活躍中。