2016年の阪神JSでJRA史上初の同一重賞7年連連対記録などJUMPレースの顔として活躍する高田潤騎手。 そして、ファンサービスの積極性は競馬界一とも噂される熱き男の生の声をお届けします!
騎手という仕事
2022/8/12(金)
高田潤です!!
先日、物凄くショックなニュースが飛び込んで来ました。
日本から遠く離れたニュージーランドで騎手として頑張っていた柳田泰己くんの訃報。
柳田くんとは面識はありませんが、こうして海を渡って一生懸命努力してたくさん苦労もして、ジョッキーとして頑張ってきた若者の悲しいニュースは本当に辛いです…
哀悼の意を表します。
どうか、安らかに。。
騎手という仕事。
ほぼ全ての騎手は自分でその道を志して、騎手になるために一生懸命トレーニングをし、努力をして騎手という職業に就いています。
みんな騎手になったその瞬間から
もしかしたら大怪我をしてしまうかもしれない…
もしかしたら命を落としてしまうかもしれない…
という覚悟は出来ています。
怖くないと言えば嘘になります。
むしろ怖いです。
怖さを感じていない騎手はいないと思います。
誰だって怖いです。
騎手は常にそんな危険や恐怖と隣り合わせになりながら、全神経を集中させてレースに騎乗しています。
手を抜いたり、テキトーに騎乗したりすることは絶対にありません。あり得ません。
一瞬の判断ミスで大きな事故も起きてしまいます。競馬はそれだけ真剣に馬と向き合わなければ本当に危険な競技です。
しかし、そんな危険や怖さよりも遥かに上回る歓喜や魅力が競馬にはあります。
それは誰よりも騎手が一番感じていることだと思います。
本当に素晴らしい職業だと思っています。
僕も何度も怪我をしていますが、それでもやっぱり騎手をやってて良かったと思います。
自分のレースを応援してもらえること。
いまコラムを読んで貰えていること。
たくさんの方に自分の声が届くこと。
色んな人から支えられていること。
色んな人への力になれていること。
そして、こうして今の自分があること。
全て競馬のおかげだと思っています。
しかしそれでも騎手はギャンブルの対象なので、時にはヤジや誹謗中傷を受けることだってあります。
馬券を買うお客様は命の次に大切なお金を賭けていますので感情的になってしまう部分も仕方がないと思います。
競馬の楽しみ方は人それぞれ自由です。
ただ、騎手含め厩舎陣営ならびに関係者は、日々しっかりと真剣に馬と向き合い、1つ1つのレースに臨んでいることを理解していただけるとありがたいです。
プロフィール
高田 潤 - Jun Takada
1980年11月3日生まれ、大阪府出身。
1999年に松田博資厩舎所属から騎手デビュー。デビュー当初から、平地・障害の垣根を越えた活躍を続けると、2006年にはドリームパスポートで神戸新聞杯を制覇。これが平地重賞初勝利となった。
一方、2008年にはキングジョイとのコンビで中山大障害を制し、キャリア初のJG1勝ち。2013年には待望の障害リーディングに輝いた。
また、2009年には師匠である松田博資師の元を離れ、フリーに転向。2012年にも生涯の伴侶を得るなど、公私ともに充実期を迎え、障害競走の次代を担う存在として更なる活躍が期待される。