アルゼンチン共和国杯、ハンデのG2戦である。3歳馬は2週前の菊花賞、そして先週の天皇賞があるからここに出てくる必要がない筈と思いながら、過去10年を調べてみたら3回の出走をみた。 3着、1着と3着。勝ったのはオーソリティの2020年。結論を言えばここに出てくる3歳馬は十分に勝算を持ってきていると言えよう。今年はキラーアビリティが出走、ハンデ55キロである。鞍上にC.デムーロを迎えて何やら面白そうだ。

ハンデ戦であるがハンデ頭はあまり勝てていないのもこの10年の特徴だ。今年のそれはテーオーロイヤル。私のイチ押し馬だった、前走までは。反応の悪すぎた前走、あの春の勢いに任せてあがっていけるしつこさがない。どうも夏の間に闘争心を置き忘れてきたかと思った程であった。難しい中山コースで距離ももう少しあった方がいいにしろだった。ここは友道勢、国枝勢に注目。特にハーツイストワールに期待。

【天皇賞・秋の回顧】

22年10月30日(日)東京11R 天皇賞・秋(G1、芝2000m)
  • イクイノックス
  • (牡3、美浦・木村厩舎)
  • 父:キタサンブラック
  • 母:シャトーブランシュ
  • 母父:キングヘイロー


今年の天皇賞の主役はパンサラッサだったと言ってもいいのかもしれない。

それを捕らえたイクイノックスも確かに凄いのだが、レース自体を大いに盛り上げたのはパンサラッサだったのだから。直線に入った時に後ろとの差が歴然と見えるのだが、あの時の驚きは半端なかったと思う。永遠ほどに後ろを離しての大逃げであった。

あと400を通過した時には後ろとは4秒ぐらいの差があったはず。ジャックドールが2番手から前を追うが差は詰まらず。その外をイクイノックスがジャックドールに並んだのがあと200。まだ先にパンサラッサは居た。

ルメールがステッキを左に替えてからの5発めでやっとパンサラッサの後ろに追いついたのはゴール少し手前だった。ただイクイノックスは鞍上が手綱を押すだけでパンサラッサを1馬身交わしてのゴールだった。

前半1000が57.4で後半1000が60.1。ダノンベルーガも内から猛追したがクビ差だけパンサラッサには届かなかった。

よもや届かないと思えた処から差し切ったイクイノックスの豪脚にも感嘆ではあるが、何よりもパンサラッサの逃げっぷりが凄くレースを思いっきり盛り上げてくれた。

ダービーでただ1頭だけドウデュースに執拗に迫ったイクイノックス。凄い脚を使う馬だと再確認していたが、この秋はさらに大人になった彼を観た想いだった。

今日はスタートも互角に出ていた。最初のコーナーでは少し引くぐらいのタイトなスペース。先頭グループあたりではいろいろとあった様だったが。菊花賞のアスクビクターモアといいイクイノックスといいダービー上位馬がちゃんと秋に結果を出してくれた。

特にイクイノックスは古馬の精鋭が出ている秋の天皇賞を勝ったことで強さの証明ともなろう。この後はJCなのか有馬記念なのか。やはり海外からも参戦してくるJCへ出走がファンの願いでもある。いい秋の一日の天皇賞であった。