激寒期の競馬である。東京競馬で雪で順延になったりした過去を思い出しりもした。根岸Sの過去を調べていたら中山開催が一度だけあった。

ちょうど20年前の2003年で、柴田善Jのサウスヴィグラスが連覇だった。柴田善Jはこのレースを5度の最多勝利騎手。今年は昨年の福島民友Cで初コンビで勝利のベルダーイメルで臨む。

昨年の覇者テイエムサウスダンはそれこそ父がサウスヴィグラス、だがこれも鞍上が替わる。9戦4勝の岩田康誠からルメールへと替わる。この意味あいがちと判りかねる。

今年は新勢力がいい。レモンポップにギルデッドミラー。前走、武蔵野Sで対戦したがギルデッドミラーがゴール寸前で差した。今回、距離が1400となるとレモンポップに分がありそうに思える。田中博厩舎は今年の初日に好ダッシュ。まだ重賞勝ちがないが期は熟してきた感だ。当然にギルデッドミラーが待ったをかける。伏兵も多く面白い一戦だ。

【アメリカJCCの回顧】

23年1月22日(日)中山11R アメリカJCC(G2)(芝2200m)
  • ノースブリッジ
  • (牡5、美浦・奥村武厩舎)
  • 父:モーリス
  • 母:アメージングムーン
  • 母父:アドマイヤムーン
  • 通算成績:12戦6勝


パドックを歩くガイアフォースを観て、今さらながらに気がつく。《キタサンブラックの子供なのに芦毛か~》と。そして母の父を観て、《クロフネ、だからこの白さか》と判った様な判ってない様な。

イクイノックスはまるで父譲りの顔や風貌だが、ガイアフォースはまったく別に感じた。1週前の重賞展望でもここは負けられないだろうぐらいと書いた。間違っても連は外れないだろう、と当日までは思ってたが、あの白い馬体を観ると何だか絶対でない様な気がしだした。

そんな変な気持がやっぱりと思えたのは4コーナー手前。ユーバーレーベンが3コーナー過ぎから上がって隣りに居たのだが先に動いて行った時、ガイアフォースの反応がもうひとつ冴えない気がした。

ガッチリ持ったままなんてとんでもなく、少しルメールの手綱が動いている様に見えた。外々を廻ってばかりだと中山は直線の坂上で止まってしまう。だから外を突かないのは判るが、苦しまぎれで内へ、馬の中へと進まざるを得ないガイアフォースの脚色だった。内有利とばかりも言えない。

ガイアフォースの後ろでレースを進めていたエヒトがそれこそ外々を廻りながらも最後はいちばんの伸び。ノースブリッジには届かずも1馬身もない程に差を詰めた。

何せ目立ったのはノースブリッジの行きっぷり。前半のポジションどりのなかで岩田康誠がノースブリッジが行きたがるのをガッチリと両足を踏ん張り抑えている図が観られた。その時だけであとは人馬折り合っての道中。最終コーナーに入る時にスペースも楽にできて、廻り切ったらスッと反応しての伸び。まるでこちらが圧倒的人気馬かと思えるほどのレースぶり。

レース後の調教師のコメントが《ジョッキーがずっとコンビを組んでもらってやっとかみ合った。騎手が手の内に入れてくれた》である。ガイアフォースとはまるで真逆。競馬は信じ合う事がもっとも大事だとも聞こえたが。