
名馬、名手の里・笠松競馬から2005年にJRAへ移籍。美浦を拠点に活躍を続けるいぶし銀ジョッキー。
不惑を迎えた現在、G1の頂きを目指し、奮闘する騎手人生、騎乗哲学を綴ります。
過去の経験を活かした走りに期待です!
2023/12/1(金)
今週はメイショウソムリエに乗せていただきます。もともと新馬の頃から使いつつ良くなるイメージを持っていたところ、初戦が期待以上の走り。
そこで未勝利戦はより勝ちを意識した競馬をさせたのが裏目だったのか、脚も溜まらず力を出せませんでした。
今回はここ2戦を踏まえて、前半は攻めて行かず、砂をかぶせて脚を溜めさせたいですね。ましてや距離延長ですからね。
元来、気性的にはカーッとなるようなところもあり、前回で行かせた分が悪い方に出ないでほしいです。
過程や条件的に半信半疑な面のある3戦目になりますが、未勝利を勝てる素質のある馬。しっかり今後も見据えた競馬をしつつ、結果が出れば何よりです。
先週は東京で乗せていただきましたが、イクイノックスの強さは素晴らしいですね。強い相手にあれだけの楽勝。脚元も問題なさそうですし、丈夫。それでいて競馬も上手いですからね。馬格もありますし、パーフェクトな馬ではないでしょうか。レース後は話せていませんが、クリストフ(・ルメール)が涙していたのも印象的でした。
今週のトレセンでも「有馬は使うのかな」と別の厩舎でもそんな話題で持ち切りでした。ニュースの通り、引退ということですが、あれだけの馬ですから種牡馬になるのも納得できるところですね。産駒がどんな活躍するか楽しみです。
そのジャパンCデーはヤマニンバンタジオに乗せていただきました。あれだけ出遅れたのにはわけがあって、他の騎手が乗った馬が落ち着かず、ゲートを切るのを待ってもらうために声を挙げていたところ、その声に反応してしまったんです。
来週は同じく「ヤマニン」さんのヤマニンクイッカーに乗せてもらう予定です。長期休養明けになりますが、気のいいタイプだけに緒戦から楽しみです。
プロフィール
柴山 雄一 - Yuichi Shibayama
1978年2月19日生まれ、大阪府出身。
1998年に笠松競馬でデビュー。2004年にJRA騎手免許試験を受験したが、それまでに地方競馬からJRA移籍を果たした安藤勝己元騎手らとは異なり、筆記試験の一次試験から挑戦。猛勉強の甲斐もあり、一発合格。4人目の移籍騎手となった。
JRA移籍初年度は80勝をマークする大活躍をみせるも、一時は成績が落ち込み、2009年には年間14勝に留まった。しかし、近年は巻き返しの狼煙をみせ、2015年は72勝。6年ぶりの重賞制覇を成し遂げた返り咲きジョッキー。