
名馬、名手の里・笠松競馬から2005年にJRAへ移籍。美浦を拠点に活躍を続けるいぶし銀ジョッキー。
不惑を迎えた現在、G1の頂きを目指し、奮闘する騎手人生、騎乗哲学を綴ります。
今週は中京、次週は函館に向かいます
2022/6/3(金)
同じく新潟に挑んだヒルノアントラは8着と着順を落としてしまいました。道中から外に馬がいてかぶされる形で気難しさを出してしまった様子。不完全燃焼の内容でした。
今週は中京で騎乗します。土曜のオースミリンはダートで良さが出ましたし、1400mになるのは歓迎。なるべくロスなく運べる枠であれば理想です。
日曜のキージュピターは連闘。しかし、先週の競馬は前回よりもスタートを出てくれた分、仕掛けていったところ馬の気持ちを乗せられなかったです。競馬をヤメがちな馬ですし、ダメージは少ないはずなので見直したいところ。
一宮特別のメタルスパークは長い距離は合っていますね。なるべく時計の掛かるコンディションになってほしいところ。
高山特別のメイショウボサツはこの馬の追い切りとしては今までよりも良かったです。前回はスタートも決めてくれましたが、休み明け2戦目は出ない印象があるので気を付けたいところ。その前回は今まで乗せていただいた中で初めて走る気を起こしてくれた、という競馬。それ故に昇級しても相手なりにやれるのでは、そう感じています。
先週といえば、中京で日本ダービーを観戦しました。ユタカさん、松島オーナーとのコンビで勝ったことには感動しましたね。
オーナーはユタカさんで勝つことにポリシーを持って、着々と結果を出していって、遂にはダービーを勝つ訳ですから。それだけ信念を貫けるのもできることではありませんし、結果が伴うことの難しさといったら殊更です。
一頭の馬に沢山の人が携わる社会。乗り替わりでG1を勝ちました、というよりは人間関係のドラマがあってこそ、やっぱり「競馬」だと僕は思うんです。あれだけのドラマがあることには僕も嬉しくなりました。
今週の競馬を終えたらフェリーで函館へ向かいます。昨年はいけませんでしたし、少しでもチャンスをつかめればと思います。
プロフィール
柴山 雄一 - Yuichi Shibayama
1978年2月19日生まれ、大阪府出身。
1998年に笠松競馬でデビュー。2004年にJRA騎手免許試験を受験したが、それまでに地方競馬からJRA移籍を果たした安藤勝己元騎手らとは異なり、筆記試験の一次試験から挑戦。猛勉強の甲斐もあり、一発合格。4人目の移籍騎手となった。
JRA移籍初年度は80勝をマークする大活躍をみせるも、一時は成績が落ち込み、2009年には年間14勝に留まった。しかし、近年は巻き返しの狼煙をみせ、2015年は72勝。6年ぶりの重賞制覇を成し遂げた返り咲きジョッキー。