今年もありがとうございました【柴山雄一コラム】

柴山雄一

名馬、名手の里・笠松競馬から2005年にJRAへ移籍。美浦を拠点に活躍を続けるいぶし銀ジョッキー。不惑を迎えた現在、G1の頂きを目指し、奮闘する騎手人生、騎乗哲学を綴ります。


残念ながら今年は12月18日での騎乗が最後になってしまいました。乗せていただいたショウナンアレスは前走の敗戦を払しょくする走り。改めて2走ボケって本当にあるのだな、と感じさせられる一変ぶりでした。ただ、前回と比較すると、今回はけっこう手強い相手が揃った印象。それでも頑張ってくれた通り、地力はありますね。

年内最後ということで自分自身の話を振り返らせていただくと、厳しい一年だったというのが本音です。乗り鞍の数にしても、勝ち鞍にしても全然納得がいきませんでした。だからこそ、このままでは終われない、そんな思いです。しかし、今年はズルズル来てしまった感。来年は何か形を変えた方がいいのかなと思っています。

年明けも2場開催が始まるので、厳しい状況となりますが、3日間開催は以前から乗せていただいた馬もいるので、何とかいいパフォーマンスを出せればというところです。

それと、先日は(ランフランコ)デットーリ騎手の引退が発表されました。世界のホースマンから見てもスーパースターだと思いますが、僕のスーパースターでもあります。

おそらく10代の頃だったかな……。笠松でデビューする前に当時放送していた「世界の競馬」を初めて見て「カッケーーー!!!!」と魅了されたことがキッカケです。小島太先生の縁で一度、挨拶させてもらった時も同業者というよりは、ただのデットーリファンとして接していましたね(笑)。

魅力は馬乗りだけではありません。アンカツさんも言っていましたが、いるだけでその場の雰囲気がパッと変わりますね。あんな人はなかなかいないと思います。ただ、けっこう減量もしているはずで、減量のしんどさもありながら明るく振舞える姿勢はホンマに凄いです。辞める前にまた日本に短期免許で来てくれないかな、と思います。

ということで、今年もファンの皆様も競馬界への応援ありがとうございました。今年は段々と制限も緩和されて、久々に現地観戦ができた方も増えたのかなと思います。まだ声援はできないかと思いますが、来年は昔のような競馬場に戻るといいですね。よいお年をお迎えください!