競馬YouTuberとして一躍名を挙げ、各媒体に引っ張りだこの佐藤ワタルが、地方&海外レースを展望。若くして人並み外れた知識量、分析力を披露する。
【ジャパンダートダービー】怪物カフェファラオの無敗は継続するか!?
2020/7/6(月)
出走馬&展望
○カフェファラオ
ここまで無傷の3連勝。逃げて圧勝した新馬戦、出遅れながら豪快に差したヒヤシンスS、2番手追走から楽に抜け出したユニコーンSと、全て異なるレース内容ながら圧勝続き、どのレースでも力の違いを見せつけている。特に前走のユニコーンSは速い流れを外枠から馬なりで追走。直線でも余力タップリで1.34.9という好時計を叩き出しており、まだ奥がある。一周でタフな大井2000mは前走と求められる適性が異なるものの、楽にこなす能力を秘めている。
△ダイメイコリーダ
叔父にG1を6勝したゴールドシップがいる良血馬。デビュー2戦は芝で6、9着と結果を残せなかったが、ダート変わり緒戦で8番人気ながら優勝。オキザリス賞、カトレア賞で次々と穴を開けている。ここ3戦は1、2、2着と安定しているものの、前走鷹取特別で引っかかる面を見せて2着。引き続き2000mとなる今回もカギとなるのは折り合いだろう。
▲バーナードループ
ここまで4戦3戦。唯一負けた新馬戦2着の際の勝ち馬はカフェファラオだけに運が悪かったとしか言いようがない。3勝全てが一周以上するコースのもので、長く脚を使うことから距離に不安もなさそうだ。跳びが大きいことから狭い園田より広めの大井コースのほうが合っているだろうし、ルメール騎手が継続して乗ってくれるのも大きそうだ。新馬で大きく離されたカフェファラオとの差がどこまで詰まっているか。
△フルフラット
デビュー後は芝で3戦1勝の実績を残し、昨秋アメリカ遠征を敢行。G1ブリーダーズカップジュベナイルで5着に食い込んだ。帰国後1戦挟み、今年2月に今度はサウジアラビアに遠征し、サンバサウジダービーで優勝。前走のユニコーンSは勝ちに行った分甘くなってしまったものの、能力自体は3歳世代で上位のものがある。血統的に距離延長が課題だ。
◎ミヤジコクオウ
ここまで5戦3勝、敗れたのは新馬戦と出遅れた伏竜S。阪神1800m、小倉1700m、京都1800mと勝ち星は全て違う競馬場で挙げており、競馬センスの高さが光る。前走の鳳雛Sは3、4コーナーで外外を回り追い上げ、直線残り200mでは前で粘るダイメイコリーダと2馬身ほど差がありながら、一気に交わし、最後は3馬身つけて圧勝した。持続力はこの世代トップクラス。外枠からスムーズな競馬ができれば勝ち負けを狙うことができるだろう。
△エメリミット
今年の東京ダービー馬。実力は誰もが認めるところだったが、2歳時は粗削りなところがあり取りこぼしも多かった。今年に入り先行力が強化されたことで安定感が増している。3走前のクラウンカップはハイペースを外から早めに動いていっての4着で負けて強し。3歳となってからはクラウンカップ以外崩れておらず、安定感を生かして上位食い込みを狙いたい。
プロフィール
佐藤ワタル - Wataru Sato
1990年山形県生まれ。アグネスフライトの日本ダービーを偶然テレビで観戦して以降、中学生、高校生、大学生と勉学に勤しむ時期を全て競馬に費やした競馬ライター。『365日競馬する』を目標に中央、地方、海外競馬の研究を重ねている。ジャンルを問わない知識は、一部関係者に『コンビニ』とまで評されている。早稲田大学競馬サークル『お馬の会』会長時代に学生競馬団体『うまカレ』を立ち上げたり、北海道の牧場などに足繁く通うなど、若手らしい行動力を武器に、今日も競馬を様々な角度から楽しみ尽くしている。現在はサラブレ、一口クラブ会報などでも執筆中。血統派で大の阪神ファン。甘党でもある。