2016年の阪神JSでJRA史上初の同一重賞7年連連対記録などJUMPレースの顔として活躍する高田潤騎手。 そして、ファンサービスの積極性は競馬界一とも噂される熱き男の生の声をお届けします!
出会いと別れ。
2023/2/24(金)
高田潤です!!
言わずもがな今週末は、2月の最終週となります…
競馬の世界だけではなく、
今週は、いろいろなジャンルの世界で出会いと別れの時期になると思います。
JRAからは、調教師の橋田先生,南井先生,池添先生,五十嵐先生,大江原先生,そしてジョッキーから福永祐一さんが引退されます。
僕がジョッキーを目指すきっかけとなったナリタブライアンに騎乗していた南井先生。
当時中学生だった僕は、そんなカッコいいナリタブライアンと南井ジョッキーの姿に憧れ、とにかく夢中になりました。
そしてジョッキーになるために、毎日がむしゃらにトレーニングに明け暮れました。
僕自身いまは入院中ですが、
南井先生は、コロナ禍だろうが何だろうがとにかく毎日元気で、毎朝調教が始まる30分くらい前にはスタンドに来て、僕たちジョッキーや他の調教師、マスコミの方々といつも楽しく談笑していたので、その当たり前の光景が無くなるのというのは本当に寂しいし、なんだか信じられないですね。
僕が退院するときには当然、南井先生はもうトレセンにいないわけで、最後に挨拶もできないというのはどうしても悔しすぎるので、病院に一時外泊の許可をもらい、自分で購入したナリタブライアンのぬいぐるみを持って、調教が始まる前に南井先生に会いにいきました。
先生も忙しそうにされていたので、あまり時間はありませんでしたが、少し話すことができました。今までいつも普通に話していた南井先生の顔を見ると、色々と込み上げるものがあり、本当に涙をこらえるのに精一杯だったんですが、ちゃんと自分の想いと感謝の言葉と最後の挨拶をすることができて本当に良かったです。
そして、持参したナリタブライアンにもサインをいただきました(T ^ T)本当に嬉しいです。
ずっと大切にしたいと思います。
これが引退ということなんですよね。
もう僕もベテランの域にいますので、これまでも数々の出会いと別れを経験してきました。
悲しい別れの後には嬉しい出会いがあり、
結局は競馬の世界だけでは無く、人生ってその繰り返しなんですよね。
自分もいま怪我でひとりで病室にいるので、不安だったり焦る気持ちだったり、これから先のことだったりと色々なことを考えてしまいます。
人生って長いようであっという間だと思いますので、両親だったり、家族だったり子供だったり、大切な人と一緒に過ごす一分一秒を本当に大切にしなければいけないなと思いました。
皆さんも、いつも自分のそばにいる大切な人に、いますぐ『いつもありがとう。』と口に出して感謝の言葉を伝えて下さい。
プロフィール
高田 潤 - Jun Takada
1980年11月3日生まれ、大阪府出身。
1999年に松田博資厩舎所属から騎手デビュー。デビュー当初から、平地・障害の垣根を越えた活躍を続けると、2006年にはドリームパスポートで神戸新聞杯を制覇。これが平地重賞初勝利となった。
一方、2008年にはキングジョイとのコンビで中山大障害を制し、キャリア初のJG1勝ち。2013年には待望の障害リーディングに輝いた。
また、2009年には師匠である松田博資師の元を離れ、フリーに転向。2012年にも生涯の伴侶を得るなど、公私ともに充実期を迎え、障害競走の次代を担う存在として更なる活躍が期待される。