札幌記念

北九州記念

クルーガー

(牡7、栗東・高野厩舎)

キングカメハメハ
アディクティド
母父Diktat
通算成績21戦5勝
重賞勝利 16年読売マイラーズカップ(G2)
連対時
平均馬体重
514kg (最高:538kg)
(最低:498kg)
前走時馬体重532kg
POINT
父キングカメハメハ譲りの豊富な筋肉量で、全体にがっしりとした印象を与える立ち姿。特にトモの筋肉は横幅があって容量が大きい上に、丸みを帯びて発達している。下腿部にも膨らみが感じられるように、後肢から生まれるキック力は相当なモノがありそうだ。最後に国内で走った3走前の馬体重が532キロとかなりの大型馬で、スピードよりもパワーに寄った造りをしている。3歳時に札幌芝で勝ち星があるように、力の要る洋芝への適性は高そうだ。大型馬ゆえ外目を回す正攻法の競馬が合っているだけに、器用さが求められる札幌記念ではある程度の好位置が欲しいところ。海外遠征明けも馬体の張りは上々で、毛艶も申し分ない。問題なく力を発揮できる仕上がりだ。

サングレーザー

(牡5、栗東・浅見厩舎)

ディープインパクト
マンティスハント
母父Deputy Minister
通算成績19戦7勝
重賞勝利 18年札幌記念(G2)
18年読売マイラーズカップ(G2)
17年毎日放送賞スワンS(G2)
連対時
平均馬体重
476kg (最高:488kg)
(最低:466kg)
前走時馬体重486kg
POINT
背中側が短く、腹側のラインが長く見える伸縮性に優れた胴周りと、飛節もカーブを描いている曲飛の構造。いずれも瞬間的に速い脚を使うのに適した造りで、鋭い末脚を活かすことのできる条件が得意なタイプだ。昨年の当レースでは馬群の間を縫うようにして伸びたように、一瞬の切れは器用さが求められる札幌記念で大きな武器になる。馬体重も480キロ台で出走しており、馬混みを捌くにあたって大きすぎない、ちょうど良い馬格。今回は安田記念以来2ヶ月ぶりの出走となるが、太め感の無いスッキリとした腹周りで、このレースを目標にキッチリと仕上げられてきた印象。レース適性と仕上がりの良さから、今年も要注目。
今週のイチオシ

ペルシアンナイト

(牡5、栗東・池江寿厩舎)

ハービンジャー
オリエントチャーム
母父サンデーサイレンス
通算成績18戦4勝
重賞勝利 17年マイルチャンピオンS(G1)
17年アーリントンカップ(G3)
連対時
平均馬体重
481kg (最高:492kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重494kg
POINT
バランスが整っている上、筋肉量も豊富な好馬体。前走時の馬体重が494キロと馬格は平均よりやや大きめだが、当レースは過去10年(函館開催だった13年を除く)のうち、9年で馬体重500キロ以下の馬が勝利しており、好走条件に合致する。背中側がやや短めで、腹側のラインは後躯に向かって丸みを帯びながら引き締まっている。胴の伸縮性に優れた形で瞬間的に末脚を弾けさせるレーススタイルが合っており、これまでにG1で4度連対しているが、いずれもインコースや馬群を割って追い込んできていた。背中に銭型が浮き上がって代謝の良さを感じさせ、休み明けでも太め感は全くない。札幌記念は瞬間的に速い脚を使える馬向きのレースで、復活の舞台に相応しいと見た。

ワグネリアン

(牡4、栗東・友道厩舎)

ディープインパクト
ミスアンコール
母父キングカメハメハ
通算成績8戦5勝
重賞勝利 18年東京優駿(G1)
18年神戸新聞杯(G2)
17年東京スポーツ杯2歳S(G3)
連対時
平均馬体重
452kg (最高:460kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重468kg
POINT
デビュー時からトモ高な面が目立つシルエットだが、完成途上というよりも後肢自体が長いため、立ち姿はやや前傾して見える。背中が短く、腹側が長く見える胴周りは伸縮力に長けた構造で、戦績からも分かるようにこの馬の最大の持ち味はやはり鋭く切れる末脚。札幌記念はインコースや馬群を捌いて伸びて来られる差し馬に有利なレースだが、この馬は前走時で468キロとコンパクトにまとまっていて、サッと速い脚で抜け出すこともできそうだ。大阪杯では2番枠から内目を突いて伸びてきており、同様のレース運びを期待したいところ。肋骨が浮いて見えるようにシャープな仕上げを施されているが、ダービーを勝った時も馬体は細身に映ったので、キッチリ仕上げられていると見てプラスに考えたい。休み明けでも好勝負になるだろう。
今週のイチオシ

ステイフーリッシュ

(牡4、栗東・矢作厩舎)

ステイゴールド
カウアイレーン
母父キングカメハメハ
通算成績13戦2勝
重賞勝利 18年京都新聞杯(G2)
連対時
平均馬体重
455kg (最高:460kg)
(最低:450kg)
前走時馬体重454kg
POINT
※写真は2019年大阪杯時
背中と腹側のラインが平行に近く、骨格に対して胴周りにゆとりがある。いわゆる持続力に長けた構造で、当レースの馬体ポイントの一つである「瞬発力型の胴周り」とは異なるが、後肢に注目してもらいたい。父ステイゴールドから遺伝した折りの深い曲飛節で、回転力に優れた構造をしている。近走は先行して粘り込む競馬を身の上としているが、ホープフルSでは追い込む競馬で3着に好走しているように決して先行策ありきの馬ではないと見ている。馬体重も前走の函館記念時で454キロとコンパクトにまとまっており、インコースや馬群を捌く競馬もできるはず。先行集団を見ながら内目でロスなく運ぶ競馬ができれば面白い。

アレスバローズ

(牡7、栗東・角田厩舎)

ディープインパクト
タイセイエトワール
母父トニービン
通算成績32戦7勝
重賞勝利 18年TV西日本北九州記念(G3)
18年CBC賞(G3)
連対時
平均馬体重
486kg (最高:496kg)
(最低:472kg)
前走時馬体重496kg
POINT
父ディープインパクト譲りの斜尻直飛で、後躯で生み出した推進力をロスなく変換できる馬体構造。血統は中距離向きだが、胴が詰まった体型をしており、前脚がやや短めで全体の重心が前傾しているあたりはスプリンターの特徴と言える。筋肉量は豊富ながら重苦しく見せない体つきで、パワーよりもスピード勝負でこそのタイプ。蹄も薄く、高速決着に強そうな造り。昨年も勝利しているように、このレースへの高い適性は言うまでもない。毛艶は常に良く見せていて状態は比較底安定しているが、今回も黒光りして見栄えする立ち姿を披露している。馬体の張りも年齢を感じさせないほど若々しく、昨年に引き続き好勝負を期待したい1頭。

カラクレナイ

(牝5、栗東・松下厩舎)

ローエングリン
バーニングレッド
母父アグネスタキオン
通算成績21戦4勝
重賞勝利 17年フィリーズレビュー(G2)
連対時
平均馬体重
489kg (最高:506kg)
(最低:476kg)
前走時馬体重506kg
POINT
前走時で506キロと牝馬の中でもかなり馬格に恵まれている馬だが、胴周りがゆったりとした造りをしていることもあり、立ち姿からは重苦しさを感じさせない。折りの深い飛節が特徴的で、後肢の回転力に優れている。胴の長さは持続力に繋がり、ピッチの利く後肢でサッとトップスピードに乗せることもできる造りをしているので、速いスピードの持続力を要求される舞台が合っている印象。馬体重こそ徐々に増えているが、余分な肉が削げたこともあってよりアスリートらしい体つきになり、キ甲も伸び切って骨格も完成。前腕や後肢の下腿部には網目状に血管が浮いているように、馬体の張りも上々。差しに徹する競馬でどこまで食い込めるか。

ディアンドル

(牝3、栗東・奥村豊厩舎)

ルーラーシップ
グリューネワルト
母父スペシャルウィーク
通算成績6戦5勝
重賞勝利 19年葵ステークス(重)
連対時
平均馬体重
485kg (最高:492kg)
(最低:474kg)
前走時馬体重490kg
POINT
5連勝中の注目株。父ルーラーシップ、母の父スペシャルウィークと血統の字面だけ見れば中距離以上が合っている印象だが、立ち姿のシルエットは正方形に近く、胴もやや詰まり気味。馬体構造はスプリント向きで、6ハロン戦での大活躍も納得といったところ。骨格自体は牝馬らしさのある素軽さが感じられる一方、胸前~肩周りにかけての筋肉・トモの発達が著しく、フレームに対してより多くの筋肉が付いているイメージ。母のグリューネワルトをよりスケールアップしたような雰囲気を感じる。背中が短めで腹側のラインが後躯に向かって引き締まった形をしており、胴の伸縮性にも優れているので鋭い決め手を発揮することもできる。ある程度舞台を問わずに活躍できるタイプと言えそうだ。薄っすらと肋骨が浮き上がる理想的な仕上がりで、毛艶も黒光りしている。当然今回も上位争い。

ファンタジスト

(牡3、栗東・梅田智厩舎)

ロードカナロア
ディープインアスク
母父ディープインパクト
通算成績7戦3勝
重賞勝利 18年京王杯2歳ステークス(G2)
18年小倉2歳ステークス(G3)
連対時
平均馬体重
467kg (最高:484kg)
(最低:448kg)
前走時馬体重482kg
POINT
前走時で馬体重が482キロ。デビュー時から実に30キロ以上増えていて、1年の間により筋肉が主張する馬体へと変化してきた印象がある。父ロードカナロアから遺伝した豊富な筋肉量と、全体のシルエットに対して短めの胴はまさしくスプリンターそのものといった雰囲気で、この距離短縮は間違いなくプラスと考えて良いだろう。キ甲の辺りを見ても春先はまだ伸び切っておらず腰高な面が残っていたが、夏を迎えて背が伸びてきており、全体のバランスも良くなった。今回はNHKマイルC以来3ヶ月ぶりの実戦となるが、腹周りには若干のゆとりがある印象で、もう一絞りできそう。ただ季節的にも夏場のレース1週前ならばまだ絞り込む余地があるので、不安材料として考えるほどではないか。毛艶も光っており、体調自体は良さそう。巻き返しに期待したい。
今週のイチオシ

ミラアイトーン

(牡5、栗東・池江寿厩舎)

Lonhro
タイタンクイーン
母父Tiznow
通算成績9戦6勝
連対時
平均馬体重
524kg (最高:540kg)
(最低:506kg)
前走時馬体重532kg
POINT
今回が初の立ち写真。骨格自体もがっしりとしているが、何よりも目を引くのはその筋肉量だ。横幅があって容量が大きく、肉付きも立派なトモはもちろん、肩周りの筋肉には大きなスジが明瞭に浮き上がり、彫刻のように発達している。相当なパワーを秘めた好馬体の持ち主だが、全体のバランスが整っていることもあって、重苦しさを感じさせない辺りに高い素質を感じる。折りの深い飛節で瞬間的な加速が可能である一方、背中と腹側のラインは平行に見えるように、若干伸びを感じる造りになっている。スピードの持続力にも長けているので、高速決着になりやすい北九州記念でもスピード負けはしないはずだ。下腿部の血管の浮き具合を見ても、馬体ははち切れんばかりに張っている印象で、状態面も言うことなし。重賞初制覇に期待したいところ。

モズスーパーフレア

(牝4、栗東・音無厩舎)

Speightstown
Christies Treasure
母父Belong to Me
通算成績15戦6勝
重賞勝利 19年夕刊フジオーシャンS(G3)
連対時
平均馬体重
478kg (最高:488kg)
(最低:470kg)
前走時馬体重480kg
POINT
前走時の馬体重が480キロ。牝馬の中では馬格に恵まれている部類に入るが、馬体は胴が詰まり気味で正方形のシルエットにまとまっているため、数字以上にコンパクトに収まっている印象がある。前肢が短めで重心が前傾しており、スピードの乗りが良い。飛節の折りも深い曲飛で回転力に優れているため、現役屈指のテンのダッシュ力を生み出すことができるのだろう。胸前が盛り上がっているように筋肉質な体型ではあるが、パワーよりもスピードの絶対値で勝負するタイプ。良馬場ならまず高速決着になる傾向の北九州記念において、速さは何よりのアドバンテージになるはずだ。冬毛が分かりやすく伸びる体質をしているため寒い時期は見栄えがしない。それでも結果を出しているので問題はないと考えているが、今回は夏場ということもあって毛艶はピカピカ、馬体の張りも文句なし。見た目上で状態は明らかに前走よりも良化しており、好勝負が期待できそうだ。
出走予定馬すべての立ち写真が掲載されるとは限りません。
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