どうやらルメールは今年も初日の競馬は乗らない様である。東西金杯の特別登録に彼の名前がない。自分のペースを守るライフスタイル。それはそれで凄いの一言だ。日本人にはそのフレーズは難しい。勤勉こそが美徳なのである。

中京競馬場での《京都金杯》開幕日であるが、馬場はどうなのだろう。年末こそなかったが、3週間使った芝で内目は痛んでいるかも。直線でどこへ出てくるかで結果は違う。内を突く時は先行馬が残り、外へ広がる時は差し馬が独占だろう。

条件戦から即、上へあがって結果を出すのはけっこう難しい。ピースワンパラディでも4戦目で勝利。その点でシュリはすぐ突破した。ともに中京コースで2勝と結果を出している。ハンデもそうは付けられまい。

ハンデで言えば、G1馬のケイアイノーテック。阪神での中京記念で57キロとほぼ定量となった。いつもそれなりに脚を使う。舞台はうってつけではなかろうか。最大の穴はこの馬と、初夢を賭けてみたい。

クロノジェネシス
【有馬記念の回顧】

20年12/27(日)5回中山8日目11R 第65回 有馬記念(G1、芝2500m)
  • クロノジェネシス
  • (牝4、栗東・斉藤崇厩舎)
  • 父:バゴ
  • 母:クロノロジスト
  • 母父:クロフネ

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日曜朝の朝日新聞に《牝馬に嵐、有馬に吹くか》の見出しで一面を割いてあった。見開き一面であるから、かなりな大々的宣伝である。フーンとその時は読みもしなかった。いま原稿を書くために広げている。

「そうだったのか~」、と今さらながら今年一年を振り返る。そんな括りで観ていない自分、発想の違いを感じている。自分の眼で見たものを信じてやって来ているつもりだ。後はそれをどう咀嚼、消化するかの問題だと。どうやら根本的な問題があるのかも知れない。

天皇賞でアーモンドアイに迫った2頭。共にスタートで不利がありながら半馬身、クビ差まで詰め寄った2頭。特にフィエールマンの方が痛手は大きかったと思えた。だからクロノジェネシスが1番人気になる理由が判らなかった。発走時刻が近づいて、クロノジェネシスが2.5倍、フィエールマンが3.5倍とかなり差が広がったのを見ても、まだ自分の見解が正しいと思っていた。だからレースの道中でもルメール騎手がどんどんと前へ出て行く騎乗でさえも、《そうそう、ペースが遅いのだから好判断》だと決め込んでいた。

そして4コーナーで先頭になって、内ラチ沿いを先頭でゴールを目指すのを見て勝利を信じていた。アナウンサーの『外からクロノジェネシス!』のアナウンスが聞こえても、《大丈夫、差し返す》と思っていた。それがゴール前少しのところでルメール騎手が外を見た瞬間に《ああ、ダメだ~》であり、急追したサラキアの勢いにも《3着か~》と力が抜けた。

北村友騎手の冷静沈着な騎乗が目立った。そして2着のサラキアの松山騎手。今年の大活躍が判る。誰しもが思った馬が上位独占だろう。世の競馬ファンの見方が正しかったのである。大勢がクロノジェネシスが強い、勝つと思ったから1番人気なのだ。

ここで去る馬もいる。だが来年にはコントレイルにデアリングタクト、ノームコアもいる。宝塚と有馬を制したクロノジェネシス。来年は新たなライバルとの熱い戦いが待っているぞ。