さぁ、女王様のお通りである。リバティアイランド。おそらく世代でいちばん強い馬だと思っていた春。この夏を過ごしてどこまで体を大きくして出てくるのか。いや、デビューから一貫して数字が変わらないから自分で体を造りあげるタイプなのか。いずれにしろパドックでその姿を見るのを楽しみに待ちたい。

何せ桜花賞が圧巻。あの落ちついた競馬っぷりは鞍上がこの馬の能力を微塵も疑っていないからこそ。凄いエンジンを持っていると想像する。まして2000もあるこの距離なら無事に3冠は達成する筈。

当然にオークスで2着のハーパー。春よりパワーアップして女王にどこまで迫れるか。秋をいい形で迎えたマスクトディーヴァとモリアーナ。共にインパクトの強い戦いぶりであった。さらに前進あるのか。

夏に輝いたドゥーラは馬体を戻してこれるか。馬券をちょこっと買いたい相手はシランケドにシンリョクカ。人気以上に仕事をするタイプだ。

【毎日王冠の回顧】

23年10月8日(日)東京11R 毎日王冠(G1)芝1800m)
  • エルトンバローズ
  • (牡3、栗東・杉山厩舎)
  • 父:ディープブリランテ
  • 母:ショウナンカラット
  • 母父:ブライアンズタイム


終わってみれば、伸びゆく3歳馬が勝って、2,3着にGⅠ馬が迫った。そんな構図なのだが、直線のあと400からの攻防が手に汗握るほどに面白い追い合いでの決着となった。

完璧に乗れて最高の結果を出したエルトンバローズと西村淳也J。ハナ、ハナ差の2、3着とはなったが流石の脚を見せたソングラインとシュネルマイスター。アドマイヤハダルもアタマ差での4着と大健闘なのだが、前の3頭のデッドヒートには霞む。

レースはウインカーネリアンが先頭となり1000Mを59・5とスローに落とす。そんな流れで2頭のGⅠ馬は真ん中よりも後ろ。いや、ソングラインはそんな後ろではなかったのが、遅い流れを嫌い後ろから前へと出る馬が居た。3F過ぎにはソングラインとシュネルマイスターがほぼ同じ位置になっていた。後ろにはアドマイヤハダル、最後方にはジャスティンカフェ。縦の位置が少しずつ狭まって4コーナーへと近づくが位置どりはそう変わらず。2列めの内で進めていたエルトンバローズは前が開くのを待つ。

ソングラインとシュネルマイスターはそのまま馬群の後ろで直線へと入ってきた。あと400で後ろからのアドマイヤハダルとジャスティンカフェは大外へ追いつく。ソングラインは外にデュガが居て前も狭い。シュネルマイスターはまったく前の隙間がないあと200を前に外へ大きく進路を変えたシュネルマイスター。エルトンバローズがいちばん前に出る。アドマイヤハダルの内で前が開けたソングラインが脚を伸ばす。シュネルマイスターは大外へ出して前を追う。

完全にエルトンバローズが勝利の態勢。だがゴールが近づくにつれ外の3頭、それもアドマイヤハダルを挟んだ2頭の伸びが凄い。ゴールの瞬間は追う方の勢いが勝っていた様に思えたが、エルトンバローズが先にゴールしていた。リーディングを突っ走る杉山晴厩舎と若い人馬が躍動した瞬間であった。