今年の日本競馬をトップで走り続けたイクイノックスが居ない。去年の上位5頭全ても居ない。だが、個性溢れる馬ばかりで大混戦模様。馬券的にはかなり面白い。

まずは3歳馬、ダービー馬タスティエーラ、皐月賞も菊花賞も2着だから世代最強馬とも言えようか。後は失礼ながら鞍上の運気があるのかどうかだけ。そして皐月賞馬のソールオリエンス、この馬もダービー、菊花賞と1番人気支持での2,3着。鞍上が川田Jに替わった。

その前任者、武史はジャスティンパレス。天皇賞からのコンビ。昨年のここ7着を払拭する今年の内容だ。そしてJC組。まずはスターズオンアース。先着された2頭は別格の2頭。ブランクがあっても走る馬は走る。当然に今回は主力級。

そしてドウデュース。少しずつだが走れる体になってきている。鞍上も戻り、さらに動けると思う。凱旋門賞帰りのスルーセブンシーズにタイトルホルダーも侮れぬ。迷いに迷いそうだ。

【朝日杯フューチュリティSの回顧】

23年12月17日(日)阪神11R 朝日杯フューチュリティS(G1) 芝1600m)
  • ジャンタルマンタル
  • (牡2、栗東・高野厩舎)
  • 父:Palace Malice
  • 母:インディアマントゥアナ
  • 母父:Wilburn
  • 通算成績:3戦3勝


ジャンタルマンタルは強い競馬で勝った。鞍上のエスコートに導かれて堂々たる勝利。父パレスマリスが日本で来年から種牡馬スタートに最高の親孝行。掲示板上位の3頭は全て無敗の馬ばかりだった。

もう1頭のダノンマッキンリーはコンマ5秒差の8着。勝ち時計の1・33・8は阪神で施行の9回で5番めの速さ。金曜の雨で稍重スタートのコンディション。ひとつ前の10Rでやっと良発表。そこでも馬場の真ん中から脚を伸ばしての勝利。このレースはさらに外へ進路をとってと馬場を知りつくした鞍上のリードだった。

レース前に誰しもある程度、流れや展開を予測する。最内のエコロヴァルツがそんなに早い出でなかったのに驚く。そして大外のシュトラウスが遅れた。後でPVを観ると、外へヨレてかなり内と開いた。ジューンテイクがいちばん後になった。赤い帽子2頭が前へ出る。横山武史はいつもスタートを決めて前にポジションするから、やっぱりと。

しかし1Fを過ぎたあたりでシュトラウスが外からガーンと前へ出る。それでも5F通過が58・4だから、べらぼうに速いわけではない。ジャンタルマンタルは内ラチ沿いで前から4頭め。驚いたのは4コーナーに入る時に前との差をグッと詰めてと動いたこと。直線を向いた時は前には2頭だけ。さらにいちばん前へ出て馬場の外へとだして行く。気がつけば赤い帽子2頭の前だ。

驚きはエコロヴァルツ。出が速くなく廻りが窮屈になって最後尾に下げた。後ろで脚を貯めて直線入り口で大外へ出してからのゴール前の襲撃。最速の脚を使って2着。流石の騎乗であった。タガノエルピーダとマクって来たジューンテイクの追い合いも見もの。キャリアの浅い方が渋とく脚を伸ばしたのも立派。

シュトラウスの10キロは絞れたのか減ったのか。大人びたレースのジャンタルマンタルと若さが出たシュトラウス。操縦性と素質の勝利と言えるのだろう。